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がん免疫療法コラム

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食道がんのステージとは?ステージ別の生存率と治療の選び方

「食道がんのステージは〇期です」と説明を受けて、どのくらい進行しているのか、手術になるのか、ほかの治療もあるのかと不安を感じている方は少なくありません。

この記事では、食道がんのステージがそれぞれ何を表すか、ステージ別の5年生存率、ステージごとの治療の選び方を、国立がん研究センターの資料をもとに整理します。ご自身の病状は、必ず主治医と一緒に確かめてください。

この記事を見て分かること

  • 食道がんのステージは0期から4B期まであり、がんの深さ、リンパ節への転移の数、離れた臓器などへの転移で決まります[1]
  • 2015年に診断された人の5年生存率(実測生存率)は、ステージ1で71.4%、ステージ2で44.6%、ステージ3で26.0%、ステージ4で8.9%です[2]
  • ステージ2・3では、手術ができる体の状態であれば手術が第一の選択で、まず化学療法を行ってから手術をする方法が標準治療です[1]
  • 手術が難しい場合や希望しない場合は、化学放射線療法など、手術以外の治療も選べます[1]

食道がんのステージとは

ステージは、がんの進行の程度を示す分類です。食道がんでは、早期から進行するにつれて0期から4A期・4B期まであります[1]。ステージは次の3つの組み合わせで決まります[1]。

  • がんが食道の壁のどの深さまで広がっているか(深達度)
  • 食道の近くのリンパ節(領域リンパ節)に、いくつ転移しているか
  • がんから離れた臓器やリンパ節への転移(遠隔転移)があるか
食道の壁の層とがんの深さの模式図。食道の壁は内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜の順に重なっていて、がんが粘膜の中にとどまるとステージ0、粘膜下層にとどまるとステージ1です(どちらもリンパ節への転移がない場合)。
食道の壁は、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・外膜の順に重なっています。がんがどの層まで広がっているか(深達度)は、ステージを決める要素の1つです。出典:国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん 治療」をもとに作成

食道がんには主に扁平上皮がんと腺がんがあり、ステージの分け方が違います。この記事では、がん情報サービスに載っている扁平上皮がんの分類(治療方針を決めるときに使う分類)で説明します。食道と胃のつなぎ目にできた腺がんは、胃がんの分類でステージを決めます[1]。

ステージ0〜4Bの分類

ステージ 主な状態
ステージ0 がんが粘膜の中にとどまり、リンパ節への転移がない
ステージ1 がんが粘膜下層にとどまり、リンパ節への転移がない
ステージ2 がんが固有筋層まで、または食道の外膜まで広がっている(周りの臓器には広がっていない)が、リンパ節への転移がない。または、がんが粘膜下層までで、近くのリンパ節への転移が1〜2個ある
ステージ3A 次のどちらか。① がんが固有筋層または食道の外膜まで広がり(周りの臓器には広がっていない)、近くのリンパ節への転移が1〜2個ある ② がんの深さが食道の外膜まで(周りの臓器には広がっていない)で、近くのリンパ節への転移が3個以上ある、または切除の効果が期待できる少し離れたリンパ節に転移がある
ステージ3B がんが食道の外膜まで広がり、周りの臓器にも広がっている可能性があって、切除できるかどうかの境目にある(リンパ節への転移の有無に関わらない)
ステージ4A がんが食道の周りの臓器(肺、大動脈、気管など)に明らかに広がっている
ステージ4B 切除の効果が期待できるリンパ節より遠いリンパ節や、離れた臓器への転移がある

(日本食道学会の分類をもとにした、がん情報サービスの表1・表2を短くまとめたもの[1])

ステージ3Aと3Bの違いは「周りの臓器に広がっている可能性があるか」、4Aと4Bの違いは「離れた臓器などへの転移があるか」です[1]。

ステージ別の5年生存率

国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院などで初めての治療を受けた人の生存率を、ステージ別に公表しています(院内がん登録生存率集計)[2][3]。2015年に食道がんと診断された人の生存率は次のとおりです。

食道がんのステージ別の1年・3年・5年生存率の棒グラフ。5年生存率はステージ1が71.4%、ステージ2が44.6%、ステージ3が26.0%、ステージ4が8.9%です(2015年診断、実測生存率)。 食道がんのステージ別の生存率 2015年診断・実測生存率 0% 20% 40% 60% 80% 100% 93.6% 1年 81.2% 3年 71.4% 5年 ステージ1 (5,898人) 81.2% 1年 54.4% 3年 44.6% 5年 ステージ2 (1,415人) 63.2% 1年 32.6% 3年 26.0% 5年 ステージ3 (2,602人) 38.6% 1年 13.8% 3年 8.9% 5年 ステージ4 (950人) ※2015年に診断された人の実測生存率です。棒の下の「1年・3年・5年」は診断からの年数です。
(2015年診断、食道がん、実測生存率、男女・全年齢・手術の有無を問わない全体。全体〔ステージ不明などを含む〕の5年生存率は44.5%・11,024人)出典:国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計」をもとに作成
ステージ 1年 3年 5年 対象数
ステージ1 93.6% 81.2% 71.4% 5,898人
ステージ2 81.2% 54.4% 44.6% 1,415人
ステージ3 63.2% 32.6% 26.0% 2,602人
ステージ4 38.6% 13.8% 8.9% 950人
全体(ステージ不明などを含む) 44.5% 11,024人

(2015年診断、食道がん、実測生存率、男女・全年齢・手術の有無を問わない全体[2])

この数字を見るときは、次の3点に気をつけてください。

  • 実測生存率は、死因に関係なく、がん以外の病気などで亡くなった人も含めて数えた値です[3]
  • 2015年に診断された人の結果です。治療の進歩などにより、近年の状況や、これから治療を受ける方には当てはまらない可能性があります[3]
  • ここでのステージは、国際分類(UICC)にもとづく値で、ステージ0は含まれません。上の表の日本食道学会の分類とは、少し異なる部分があります[1][3]。年齢、体の状態、受けた治療によっても、一人ひとりの経過は違います

ステージごとの治療の選び方

治療は、ステージに応じた標準治療を基本に、本人の希望や体の状態を総合的に検討して、主治医と話し合って決めていきます[1]。

食道がんのステージごとの標準治療の一覧図です。ステージ0は内視鏡的切除、ステージ1は手術または化学放射線療法、ステージ2・3は化学療法のあと手術、ステージ4Aは化学放射線療法、ステージ4Bは化学療法が標準治療です。 食道がん ステージごとの標準治療 ステージ0 内視鏡的切除 がんが粘膜にとどまる場合 ステージ1 手術 または 化学放射線療法 体の状態によっていずれかを行う ステージ2・3 化学療法のあと手術 手術ができる体の状態であれば、手術が第一の選択 ステージ4A・4B 4A:化学放射線療法 4B:化学療法 ※体の状態や本人の希望によっては、ほかの治療を行うこともあります。治療は主治医と話し合って決めます。 ※ステージは日本食道学会の分類によるものです。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん 治療」をもとに作成

ステージ0:内視鏡的切除

がんが粘膜にとどまる場合は、食道を残せる内視鏡的切除が標準治療として勧められています。対象は、リンパ節への転移がないステージ0のうち、がんが食道の全周に及んでいないか、全周に及んでいても長さが5cm以下のものです[1]。切除した組織を調べて、がんが残っている可能性などが高いと判断された場合は、そのあとに化学放射線療法や手術を行うことがあります[1]。

ステージ1:手術または化学放射線療法

手術または化学放射線療法(薬物療法と放射線治療を組み合わせた治療)が標準治療として勧められていて、体の状態によっていずれかを行います。化学放射線療法は、手術と同じくらいの治療効果が得られるという報告があります[1]。

ステージ2・3:手術が第一の選択

手術ができる体の状態であれば、手術が第一の選択です。その中でも、まず細胞障害性抗がん薬による化学療法を行ってから手術をする方法が標準治療とされています[1]。

体力的に手術はできないが化学放射線療法はできる場合や、本人が手術を希望しない場合は、完治を目指した治療として根治的化学放射線療法を行います[1]。手術も化学放射線療法もできない体の状態の場合は、放射線治療だけを行う方法や化学療法などを行います[1]。

ステージ4A・4B

ステージ4Aでは、化学放射線療法が標準治療として勧められています[1]。ステージ4Bでは化学療法が標準治療で、免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん薬を組み合わせた治療が行われます。体の状態や臓器の働き、食道が狭くなっていないかなどをもとに、治療ができるかを検討します[1]。がんによる痛みや、食道が狭くなるなどの症状がある場合は、それを和らげる治療も大切になります[1]。

主治医に確認しておきたいこと

治療を決める前に、次のことを確かめておくと、説明を整理しやすくなります。

  • 正式なステージと、がん細胞のタイプ(扁平上皮がんか腺がんか)
  • 手術ができる体の状態か。手術と化学放射線療法のそれぞれの利点と注意点
  • 手術の前に行う化学療法の内容と期間
  • 治療のあとの食事や生活への影響
  • 治療のあとの検査の間隔と、再発したときの治療の考え方

ほかの医師の意見も聞いてから決めたいときは、セカンドオピニオンを利用できます。詳しくはセカンドオピニオンとは?をご覧ください。

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まとめ

食道がんのステージは、がんの深さ、リンパ節への転移の数、離れた臓器などへの転移で、0期から4B期に分かれます。ステージ0は内視鏡治療、ステージ1は手術か化学放射線療法、ステージ2・3は化学療法のあとの手術が中心で、手術が難しい場合にも選べる治療があります。生存率は一つの目安として受け止め、ご自身のステージと治療の選択肢は、主治医と一緒に確かめてください。

この記事について

この記事は、株式会社同仁がん免疫研究所が、国立がん研究センターなど公的機関・学会の資料をもとに作成しています。当社は医療機関ではありません。病状や治療の判断は、必ず主治医にご相談ください。

記事内の数字は、出典に記載した時点・対象の統計です。

公開日:2026年11月4日 / 最終更新:2026年11月4日

出典

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん 治療」(更新・確認日 2023年3月29日。表1・表2は日本食道学会編『臨床・病理 食道癌取扱い規約 第12版』を参考に作成されたもの) https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/treatment.html
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」結果閲覧システム 食道がん 2015年診断・5年実測生存率(男女・全年齢・手術の有無は全体、2026年10月21日閲覧) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2015&elapsed=5&type=c10
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計」トップページ(更新・確認日 2026年8月20日)と「院内がん登録生存率集計結果閲覧システムの見方」(実測生存率・総合病期の説明) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/ ・ https://hbcr-survival.ganjoho.jp/assets/system/systemperspective.pdf

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