がん免疫療法コラム
がんのステージ3とは?3A・3B・3Cの違いと部位別の5年生存率
「ステージ3です」と告げられて、どのくらい進行した状態なのか、これからどんな治療になるのかと不安を感じている方は少なくありません。ステージ3は、がんの種類によって意味も見通しも大きく違います。
この記事では、ステージ3が何を表すのか、「3A」「3B」「3C」のように細かく分かれる理由、がんの種類ごとの5年生存率、標準治療の考え方を、国立がん研究センターの資料をもとに整理します。ご自身の病状は、必ず主治医と一緒に確かめてください。
この記事の要点
- ステージ(病期)は、がんの大きさ・周りへの広がり・リンパ節や他の臓器への転移で決まり、治療方針を決めるうえでとても重要です[1]
- ステージ3は、多くのがんで、がんが周りの組織やリンパ節に広がっているものの、離れた臓器への転移(遠隔転移)はない段階です。遠隔転移があるとステージ4になります[3][6]
- 3A・3B・3Cは、ステージ3の中での進行の程度の違いです。何で分けるかは、がんの種類ごとに違います[5][6]
- 同じステージ3でも、5年生存率はがんの種類によって5.7%から87.1%まで違います(2015年に診断された人の実測生存率)[2]
- ステージ3では、手術・薬物療法・放射線治療を組み合わせることが多く、順番や組み合わせはがんの種類で異なります[3][5][7]
がんのステージ3とは
ステージは「病期」とも呼ばれ、がんの進行の程度を示す言葉です。がんの大きさ、周りの組織への広がり方、リンパ節や他の臓器への転移の有無によって決まります[1]。
国際的には、国際対がん連合(UICC)の「TNM分類」が広く使われています。T(がんの大きさや深さ)、N(近くのリンパ節への転移)、M(がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移=遠隔転移)の3つを組み合わせて、ステージ1からステージ4(Ⅰ期〜Ⅳ期)に分けます[1][3]。がんの種類によっては、TNM分類をもとにした日本独自の分類(癌取扱い規約)もあります[1]。
ステージ1からステージ4へと数字が大きくなるほど、より進行したがんであることを示します[3][4]。ステージ3は、多くのがんで、がんが周りの組織に深く広がっていたり、近くのリンパ節に転移していたりするものの、遠隔転移はない段階と考えると分かりやすいでしょう。遠隔転移があると、多くのがんではステージ4になります[3][6]。

ただし、何をもってステージ3とするかは、がんの種類ごとに決まっています。前立腺がんのように、ステージだけでなく、PSAの値やがんの悪性度(グリーソンスコア)も合わせてリスクを分け、治療を考えるがんもあります[9]。
ステージ3A・3B・3C(ⅢA・ⅢB・ⅢC)とは
がんの種類によっては、ステージ3をさらに「3A」「3B」「3C」に分けます(ⅢA期・ⅢB期・ⅢC期とも書きます)。検索でよく見かける「ステージ3b」は、このステージ3Bのことです。
A・B・Cは、ステージ3の中での進行の程度の違いを表します。3A、3B、3Cの順に、より進行していることを示します[5][6]。ただし、何を基準にA・B・Cを分けるかは、がんの種類ごとに違います。
たとえば乳がんでは、がん情報サービスで次のように説明されています[6]。
| 区分 | 主な状態(乳がんの場合) |
| ステージ3A | がんの大きさが5cm以下で、わきの下のリンパ節に転移があり、そのリンパ節が固定されて動かない、またはリンパ節どうしがくっついている。あるいは、がんの大きさが5cmを超えていて、わきの下か胸の内側のリンパ節に転移がある など |
| ステージ3B | がんの大きさやリンパ節への転移に関わらず、がんが胸の壁に固定されている、またはがんが皮膚に出たり、皮膚が崩れたり、むくんだりしている |
| ステージ3C | がんの大きさに関わらず、わきの下と胸の内側の両方のリンパ節に転移がある、または鎖骨の上か下のリンパ節に転移がある |
乳がんでは、ステージ3Aと3B・3Cで治療の進め方が変わります(後の「ステージ3の治療の考え方」をご覧ください)[6]。肺がん(非小細胞肺がん)も3A・3B・3Cに分かれますが、こちらはがんの大きさや広がりと、転移したリンパ節の場所の組み合わせで決まり、基準は乳がんとは違います[5]。
「ステージ3」と聞いたときは、A・B・Cの区分があるか、あればどれに当たり、何が理由でその区分になったのかを主治医に確かめておくと、説明が理解しやすくなります。
部位別:ステージ3の5年生存率
国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院などで初めての治療を受けた人の生存率を、ステージ別に公表しています(院内がん登録生存率集計)[2][10]。2015年に診断された人の、主ながんのステージ3の5年生存率は次のとおりです。
| がんの種類 | ステージ3の5年生存率 | 対象数 |
| 膵臓がん | 5.7% | 1,207人 |
| 大腸がん | 69.0% | 14,714人 |
| 肺がん | 27.2% | 7,221人 |
| 胃がん | 37.5% | 5,079人 |
| 乳がん | 77.7% | 5,025人 |
| 食道がん | 26.0% | 2,602人 |
| 前立腺がん | 87.1% | 6,124人 |
(2015年診断、実測生存率、全年齢・手術の有無を問わない全体[2])
同じステージ3でも、がんの種類によって数字が大きく違うことが分かります[2]。ステージの数字だけでは、見通しは決まりません。
この数字を見るときは、次の3点に気をつけてください。
- 実測生存率は、死因に関係なく、がん以外の病気などで亡くなった人も含めて数えた値です。重い持病のある人も含まれた集団の値です[10]
- 2015年に診断された人の結果です。治療の進歩などにより、近年の状況や、これから治療を受ける方には当てはまらない可能性があります[10]
- ここでのステージは、国際分類(UICC)にもとづく値です。病院でふだん使われている癌取扱い規約のステージとは、少し異なる部分があります[10]。年齢、体の状態、がんの性質、受けた治療によっても、一人ひとりの経過は違います
ステージ3の治療の考え方
ステージ3の治療は、がんの種類によって大きく異なります。国立がん研究センターのがん情報サービスに書かれている標準治療の考え方を、部位ごとにまとめます。
- 膵臓がん:がんが近くの重要な血管を巻き込んでいて手術ができない場合(局所進行切除不能膵臓がん)は、化学療法と放射線治療を組み合わせる治療が標準治療の1つとされています[8]
- 大腸がん:まず切除できるかを判断し、切除できる場合は手術を行います。ステージ3では手術の後に薬物療法を行うことがあります。再発する割合は、ステージ3で約30%とされています[3]
- 肺がん(非小細胞肺がん):手術の対象になるのはステージ3の一部です。切除できないステージ3は、放射線治療の主な対象で、薬物療法と組み合わせた化学放射線療法を行うこともあります[5]
- 胃がん:手術の後の病理検査でステージ2または3の場合、再発を防ぐ目的で、手術の後の化学療法(術後補助化学療法)を行うことが推奨されています[4]
- 乳がん:ステージ3Aまでは手術を行い、ステージ3B・3Cは主に薬物療法を行います。薬物療法の結果に応じて、手術や放射線治療を加える場合があります[6]
- 食道がん:ステージ2・3で、手術ができる体の状態であれば、手術が第一の選択です。手術の前後に化学療法を行うこともあります[7]
どのがんでも、ステージ3では「手術と薬物療法」「放射線治療と薬物療法」のように、複数の治療を組み合わせることが多いのが特徴です[3][5][7]。どの治療をどの順番で行うかは、がんの種類、ステージの細かい区分、体の状態をもとに、主治医が判断します。
がんの種類ごとの詳しい記事
部位ごとのステージ3について、詳しくは次の記事をご覧ください。
ステージ4については、がん種別ステージ4の特徴とは?でまとめています。
主治医に確認しておきたいこと
治療を決める前に、次のことを主治医に確かめておくと、説明を整理しやすくなります。
- 正式なステージと、A・B・Cなどの細かい区分(手術の前の診断か、手術の後の検査による診断か)
- がんを手術で取り切れる見込みがあるか
- すすめられた治療の目的と、治療を行う順番
- 治療の副作用と、仕事や日常生活への影響
- 治療の後の再発の可能性と、検査を受ける間隔
- ほかの治療の選択肢と、それぞれの利点と注意点
ほかの医師の意見も聞いてから決めたいときは、セカンドオピニオンを利用できます。詳しくはセカンドオピニオンとは?をご覧ください。
治療の選択肢の一つとして:6種複合免疫療法
6種複合免疫療法は、患者さまご自身の免疫細胞を採血で取り出し、体の外で培養してから、点滴で体に戻す免疫細胞療法です。手術・抗がん剤・放射線治療と組み合わせて検討されることがあります。
保険が適用されない自由診療で、費用は全額自己負担です。治療の対象になるか、期待できることやリスクは、提携医療機関の医師にご確認ください。
- 治療費の目安:治療費を見る
- 資料請求・ご相談:資料請求・お問い合わせ(無料) / お電話 0120-350-552(受付 月〜土 9:00〜20:00/日曜・祝日休み)
まとめ
ステージ3は、多くのがんで「遠隔転移はないが、周りの組織やリンパ節に広がっている」段階です。ただ、同じステージ3でも、がんの種類やA・B・Cの区分によって、見通しも治療の進め方も大きく違います。数字は一つの目安として受け止め、ご自身の病状と治療の選択肢は、主治医と一緒に確かめてください。
この記事について
この記事は、株式会社同仁がん免疫研究所が、国立がん研究センターなど公的機関・学会の資料をもとに作成しています。当社は医療機関ではありません。病状や治療の判断は、必ず主治医にご相談ください。
記事内の数字は、出典に記載した時点・対象の統計です。
公開日:2026年10月26日 / 最終更新:2026年10月26日
出典
- 国立がん研究センター がん情報サービス「用語集:病期」(更新・確認日 2025年11月18日) https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/byoki.html
- 国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」結果閲覧システム 2015年診断・5年実測生存率(男女〔前立腺は男性〕・全年齢・手術の有無は全体。膵臓 c11・大腸 c02・肺 c24・胃 c01・乳 c09・食道 c10・前立腺 c12、2026年10月20日閲覧) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2015&elapsed=5&type=c01
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 治療」(更新・確認日 2025年3月24日) https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん 治療」(更新・確認日 2026年1月13日) https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「肺がん 治療:非小細胞肺がん」(更新・確認日 2026年8月26日) https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_nsclc.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん 治療」(更新・確認日 2025年6月19日。表1「乳がんのステージ(病期)」は日本乳癌学会編『臨床・病理 乳癌取扱い規約 第18版』より一部改変して転載されたもの) https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん 治療」(更新・確認日 2023年3月29日) https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん 治療」(更新・確認日 2026年3月19日) https://ganjoho.jp/public/cancer/pancreas/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「前立腺がん 治療」(更新・確認日 2024年7月30日) https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計」トップページ(更新・確認日 2026年8月20日)と「院内がん登録生存率集計結果閲覧システムの見方」(実測生存率・総合病期の説明) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/ ・ https://hbcr-survival.ganjoho.jp/assets/system/systemperspective.pdf