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がん免疫療法コラム

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胆管がんのステージ分類とは?できる場所ごとの違いと、手術できるかどうか

「胆管がん」と診断されて、ステージの説明が分かりにくい、手術ができるのかどうかが気になる、という方は少なくありません。胆管がんは、がんができた場所によってステージの分け方も手術の方法も違うため、分かりにくく感じるのは自然なことです。

この記事では、胆管がんの場所ごとのステージ分類、手術できるかどうかの考え方や手術ができない場合の治療を、国立がん研究センターの資料をもとに整理します。ご自身の病状は、必ず主治医と一緒に確かめてください。

この記事を見て分かること

  • 胆管がんのステージ別の状態
  • 手術できるかどうかの判断基準
  • 手術ができない場合の治療法
  • 肝内胆管がんのステージ別の5年生存率

胆管がんは、できた場所で3つに分かれる

胆管は、肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ管です。胆管がんは、がんができた場所によって次の3つに分けて、それぞれのステージを決めます[1]。

  • 肝内胆管がん:肝臓の中の胆管にできたがん
  • 肝門部領域胆管がん:肝臓の出口付近(肝門部)の胆管にできたがん
  • 遠位胆管がん:膵臓に近い側の胆管にできたがん
胆管の3つの場所の模式図。胆管は肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ管で、胆管がんは、肝臓の中の肝内胆管、肝臓の出口付近の肝門部領域胆管、膵臓に近い側の遠位胆管の、どこにできたかで3つに分かれます。
胆管は、肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ管です。胆管がんは、できた場所によって肝内胆管がん・肝門部領域胆管がん・遠位胆管がんの3つに分けて、それぞれのステージを決めます。出典:国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん:胆管がん(肝内胆管がんを含む)・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん 治療」をもとに作成

胆管がん・胆のうがん・十二指腸乳頭部がんを合わせて「胆道がん」と呼びます[1]。この記事では、胆管がんの3つを取り上げます。

ステージは、がんの進行の程度を示す分類です。ステージ0からステージ4(0期〜Ⅳ期)へと数字が大きくなるほど、より進行したがんであることを示します[1]。

肝内胆管がんのステージ

肝内胆管がんでは、次の3つの条件に当てはまるかどうかと、リンパ節への転移・遠隔転移で決まります[1]。

  • ① がんの数が1個
  • ② がんの大きさが2cm以下
  • ③ がんが血管や主要な胆管に及んでいない
ステージ 主な状態
ステージ1 ①②③のすべてに当てはまり、リンパ節への転移・遠隔転移がない
ステージ2 ①②③のうち2つに当てはまり、リンパ節への転移・遠隔転移がない
ステージ3 ①②③のうち1つに当てはまり、リンパ節への転移・遠隔転移がない
ステージ4A ①②③に当てはまるものが1つもなく、リンパ節への転移・遠隔転移もない。または、リンパ節への転移があり、①②③のうち1つ以上に当てはまる
ステージ4B ①②③に当てはまるものが1つもなく、リンパ節への転移がある。または、遠隔転移がある

(この分類は、肝内胆管がんのうち「腫瘤形成型」に当てはまるもの[1])

肝門部領域胆管がんのステージ

ステージ 主な状態
ステージ0 がんが胆管の上皮の中にとどまっている
ステージ1 がんが胆管の壁までにとどまり、リンパ節への転移がない
ステージ2 がんが胆管の壁を越えている(ほかの臓器には広がっていない)、または肝臓に広がっていて、リンパ節への転移がない
ステージ3A がんが門脈または肝動脈の片側の血管に広がっていて、リンパ節への転移がない
ステージ3B がんがさらに広い範囲の血管に広がっていて、リンパ節への転移がない
ステージ3C 近くのリンパ節への転移が1〜3個ある(遠隔転移はない)
ステージ4A 近くのリンパ節への転移が4個以上ある(遠隔転移はない)
ステージ4B 遠隔転移がある

(門脈は消化管などからの血液を肝臓に運ぶ静脈、肝動脈は肝臓に血液を送る動脈[1])

遠位胆管がんのステージ

遠位胆管がんでは、がんが胆管の壁にどれだけ深く入っているか(5mm未満・5〜12mm・12mmを超える)と、リンパ節への転移の数で決まります[1]。

ステージ 主な状態
ステージ0 がんが胆管の上皮の中にとどまっている
ステージ1 がんが胆管の壁に5mm未満の深さまで入っていて、リンパ節への転移がない
ステージ2A 深さ5mm未満で、近くのリンパ節への転移が1〜3個ある。または、深さ5〜12mmで、リンパ節への転移がない
ステージ2B 深さ5〜12mmで、近くのリンパ節への転移が1〜3個ある。または、深さ12mmを超えていて、リンパ節への転移が3個以下
ステージ3A がんが腹腔動脈などの動脈には広がっておらず、近くのリンパ節への転移が4個以上ある(壁への深さは問わない)
ステージ3B がんが腹腔動脈などの動脈に広がっている(遠隔転移はない)
ステージ4 遠隔転移がある

手術できるかどうかの考え方

胆管がんで手術ができるかどうかは、次のような点から判断します[1]。

  • 手術に耐えられる体の状態であること
  • 遠隔転移がないこと
  • 肝臓の切除が必要な場合は、手術のあとに肝臓の働きが十分残ると予測できること

遠隔転移がなくても、がんの場所や周りへの広がりによっては、手術で切除するのが技術的に難しいことがあります。このような場合、手術ができるかどうかの判断が、施設ごと、医師ごとに異なることもあります[1]。

手術は、場所によって方法が違います。肝内胆管がんでは肝臓の一部を、肝門部領域胆管がんでは胆管と一緒に肝臓や胆のうなどの一部を、遠位胆管がんでは膵頭十二指腸切除(胆管、胆のう、膵臓の一部、十二指腸などの切除)を行うのが一般的です[1]。手術のあとは、再発を防ぐために S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)を使った補助化学療法を行うことが、標準治療として勧められています[1]。

手術ができない場合の治療

手術ができない場合は、薬物療法や放射線治療、化学放射線療法を検討します[1]。

薬物療法では、ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせる GC 療法や、これに免疫チェックポイント阻害薬を加える方法などが標準治療です[1]。薬物療法だけでがんを完全に治すことは難しいですが、がんの進行を抑えることや症状を和らげることが期待できます[1]。

胆管にがんができると、胆汁の流れがせき止められ、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などが出ることがあります。その場合は、たまった胆汁を流すための処置(胆道ドレナージ)を行うことがあります[1]。

肝内胆管がんのステージ別の5年生存率

国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院などで初めての治療を受けた人の生存率を、ステージ別に公表しています(院内がん登録生存率集計)[2][3]。2015年に肝内胆管がんと診断された人の5年生存率は次のとおりです。

肝内胆管がんのステージ別の5年生存率の棒グラフ。ステージ1は54.9%、ステージ2は32.0%、ステージ3は30.9%、ステージ4は5.9%です(2015年診断、実測生存率)。 肝内胆管がんのステージ別の5年生存率 2015年診断・実測生存率 0% 20% 40% 60% 80% 100% 54.9% ステージ1 (281人) 32.0% ステージ2 (293人) 30.9% ステージ3 (83人) 5.9% ステージ4 (433人) ※2015年に診断された人の実測生存率です。一人ひとりの余命を示すものではありません。
(2015年診断、肝内胆管がん、実測生存率、男女・全年齢・手術の有無を問わない全体。全体〔ステージ不明などを含む〕は19.5%・1,119人)出典:国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計」をもとに作成
ステージ 5年生存率 対象数
ステージ1 54.9% 281人
ステージ2 32.0% 293人
ステージ3 30.9% 83人
ステージ4 5.9% 433人
全体(ステージ不明などを含む) 19.5% 1,119人

(2015年診断、肝内胆管がん、実測生存率、男女・全年齢・手術の有無を問わない全体[2])

肝門部領域胆管がん・遠位胆管がんのステージ別の生存率は、この集計の閲覧システムでは公表されていません[2]。

この数字を見るときは、次の3点に気をつけてください。

  • 実測生存率は、死因に関係なく、がん以外の病気などで亡くなった人も含めて数えた値です[3]
  • 2015年に診断された人の結果です。治療の進歩などにより、近年の状況や、これから治療を受ける方には当てはまらない可能性があります[3]
  • ここでのステージは、国際分類(UICC)にもとづく値です。上の表の日本の分類とは、少し異なる部分があります[3]。対象数が少ないステージもあり、年齢や体の状態、受けた治療によっても、一人ひとりの経過は違います

主治医に確認しておきたいこと

  • がんができた場所(肝内・肝門部領域・遠位)と、正式なステージ
  • 手術ができるかどうかと、その理由(体の状態・転移・肝臓の働き・技術的な難しさ)
  • 手術の方法と切除する範囲、手術のあとの補助化学療法
  • 黄疸がある場合の胆道ドレナージの方法
  • 手術ができない場合の薬物療法の内容と、主な副作用

手術ができるかどうかの判断は、施設や医師によって異なることもあります[1]。ほかの医師の意見も聞いてから決めたいときは、セカンドオピニオンを利用できます。詳しくはセカンドオピニオンとは?、病院の選び方はがんの病院はどう選ぶ?をご覧ください。

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まとめ

胆管がんのステージは、肝内胆管・肝門部領域胆管・遠位胆管という、がんができた場所ごとに別々の分類で決まります。手術ができるかどうかは、体の状態や転移、肝臓の働きなどから判断し、その判断は施設や医師によって異なることもあります。ご自身のステージと治療の選択肢は、主治医と一緒に確かめてください。

この記事について

この記事は、株式会社同仁がん免疫研究所が、国立がん研究センターなど公的機関・学会の資料をもとに作成しています。当社は医療機関ではありません。病状や治療の判断は、必ず主治医にご相談ください。

記事内の数字は、出典に記載した時点・対象の統計です。

公開日:2026年11月5日 / 最終更新:2026年11月5日

出典

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん:胆管がん(肝内胆管がんを含む)・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん 治療」(更新・確認日 2026年8月21日。表1は日本肝癌研究会編『臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 第7版』、表2・表3は日本肝胆膵外科学会編『臨床・病理 胆道癌取扱い規約 第7版』より作成されたもの) https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」結果閲覧システム 肝内胆管がん 2015年診断・5年実測生存率(男女・全年齢・手術の有無は全体、2026年10月21日閲覧) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2015&elapsed=5&type=c06
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「院内がん登録生存率集計」トップページ(更新・確認日 2026年8月20日)と「院内がん登録生存率集計結果閲覧システムの見方」(実測生存率・総合病期の説明) https://hbcr-survival.ganjoho.jp/ ・ https://hbcr-survival.ganjoho.jp/assets/system/systemperspective.pdf

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