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乳がんの手術費用について解説:施術別の費用の目安を紹介

がんと診断されると、通院費や手術費用、薬代など、さまざまなお金が必要となります。

今回は、乳がんの手術費用について解説します。施術別の費用の目安を紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、高額療養費制度についても紹介していますので、活用を検討しましょう。

乳がんとは?


まず、乳がんとはどのようながんのことか概要を解説します。

乳がんとは、乳腺の組織にできるがんです。乳管から発生することが多いですが、一部は小葉や乳腺以外の乳房の組織から発生することもあります。

乳がんというと女性が罹患するイメージがありますが、女性も男性もどちらにも発症することがある疾患です。乳がんは、女性の罹患率1位、女性の死亡数5位のがんです。

(出典:がん情報サービス 最新がん統計

乳がんの手術にかかる費用


続いては、乳がんの手術にかかる費用を紹介します。手術費用はさまざまな要件によって決まります。

  • 施設
  • 手術の種類
  • 検査の内容
  • 入院期間

などによっても左右されますので、一概には言えません。これらと併せて病理検査をすることもあり、その場合は費用がさらに上がります。

乳がんの治療に必要な病理検査であるセンチネルリンパ節生検は、乳房内から乳がん細胞が最初にたどりつくリンパ節を摘出し、転移の有無を顕微鏡で調べる検査です。

腋窩リンパ節郭清は、乳がんが転移する頻度が最も高いリンパ節を腋窩の脂肪と一緒に切除する検査です。各手術ごとの詳細については、次章で詳しく紹介します。

乳房部分切除術

乳房部分切除術の概要を解説します。

乳房部分切除術は、腫瘍とその周囲の正常な乳腺を切除する手術です。乳房を温存できますが、切除範囲が大きいほど乳房の変形は大きくなります。再発予防のために、手術後の放射線照射が必要です。

手術費のみの費用目安は、30万〜40万円前後です。

乳房全切除術

次に、乳房全切除術の概要を解説します。

乳房全切除術とは、乳頭乳輪を含めて全乳房を切除する手術です。部分切除後の大きな変形が予想される場合、術後の放射線照射を避けたい場合の選択肢となります。乳頭乳輪や元の皮膚を残し、乳腺のみを切除する「乳頭乳輪温存乳房切除術(にゅうとうおんぞんにゅうぼうせつじょじゅつ)」というものもあります。乳頭乳輪温存乳房切除術では、優れた整容性が期待できます。

ですが、皮膚や乳頭乳輪に近い位置にがんがある場合は適さないため、注意が必要です。手術費のみの費用目安は、20万〜50万円前後です。

乳房再建

乳房再建の概要を解説します。

乳房再建とは、乳房切除により失った乳房を再び作る手術です。エキスパンダー・インプラント法、広背筋皮弁法(LD)、遊離腹部皮弁法(DIEP)といった種類があります。それぞれの費用目安は、インプラントでは、10〜30万円前後、その他自家組織による再建では、30〜60万円前後です。

その他の治療にかかる費用


乳がんの治療には手術以外の手段もあります。薬物療法、放射線療法、免疫療法について解説します。

薬物療法

乳がんの薬物療法で使われる薬には、主にホルモン療法薬、分子標的薬、細胞障害性抗がん薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあります。

それぞれについて概要を表形式で説明します。

ホルモン療法薬 ホルモン療法には、ホルモンの分泌や働きを阻害する効果があります。ホルモン受容体が陽性の乳がんであれば効果が期待できます。LH-RHアゴニスト製剤、アロマターゼ阻害薬、抗エストロゲン薬などがあります。閉経前と閉経後では、体内でエストロゲンが作られる経路が異なるので、それに合わせて薬剤を用います。閉経前は、LH-RHアゴニスト製剤や抗エストロゲン薬、閉経後は、アロマターゼ阻害薬や抗エストロゲン薬を使います。
分子標的薬 分子標的薬は、がんの増殖に関わるタンパク質や、栄養を運ぶ血管、タンパク質などを標的にしてがんを攻撃する薬です。一部の乳がんでは、HER2が乳がんの細胞の増殖に関連しているので、病理検査でHER2陽性であれば、HER2を標的とする分子標的薬を使って治療します。乳がんの一部は遺伝性で、BRCA1、BRCA2などの原因遺伝子が知られています。HER2陰性で、BRCA1またはBRCA2遺伝子変異があり、手術後再発のリスクが高いとされる場合や手術ができない場合、再発したがんである場合には、分子標的薬を使うケースもあります。
細胞障害性抗がん薬 細胞障害性抗がん薬は、細胞の増殖の仕組みに着目した薬剤です。細胞の増殖の仕組みの一部を邪魔することでがん細胞を攻撃します。がん以外の正常に増殖している細胞も影響を受けてしまうため、注意が必要です。サブタイプ分類がトリプルネガティブ乳がんである場合には、細胞障害性抗がん薬を用います。他の薬や放射線治療とともに使うこともあります。
免疫チェックポイント阻害薬 免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。トリプルネガティブ乳がんの場合に使用するケースがあります。免疫チェックポイント阻害薬を分子標的薬の1つとして分類されることもあります。

費用は使用する薬により大きく異なります。治療を6カ月行ったとして費用は、20〜25万円前後です。分子標的治療を行った場合には、追加で60万円前後必要になります。

放射線療法

手術療法や薬物療法と併せて放射線療法が行われることもあります。1日1回、週5回で約4〜6週間かけて照射するのが一般的です。費用はケースにより大きく異なり、乳房部分切除後の16回の照射の場合、全体で15万円前後です。

免疫療法

免疫療法・免疫細胞療法の概要や特徴を紹介します。

免疫療法・免疫細胞療法は、がんの種類やステージを問わず受けられ、末期がんであっても受けられます。他の治療法と組み合わせて利用することも可能で、再発・転移予防にも効果的です。

重篤な副作用は少ないと言われていますが、稀に軽い発熱、発疹などが出る可能性があります。免疫細胞療法と一口にいっても、さまざまな治療法があります。いくつかの免疫療法をピックアップし、概要を紹介します。

アルファ・ベータT細胞療法 アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)では、リンパ球を分離して、T細胞の表面にある分子を刺激しT細胞を活性化させます。インターロイキン2でリンパ球を増殖させ、患者さんの体内に戻すという治療方法です。アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)は、安全性が高くほぼすべてのがんに適応できるというメリットがあります。
ガンマ・デルタT細胞療法 ガンマ・デルタT細胞療法とは、ガンマ・デルタ型のT細胞受容体を持つT細胞を活性化したものを利用する治療法です。ガンマ・デルタT細胞は、より的確にがん細胞を見つけて攻撃する効果があります。
NK細胞療法 NK細胞療法は、がん細胞を見つけ次第、攻撃する特性を持ったNK細胞を増殖・活性化させる治療法です。拒絶反応やアレルギー反応など重篤な副作用が起きる可能性が低いのが特徴です。また、がん細胞を破壊する能力の高いNK細胞を使用するため、比較的短期間で効果が出やすいと言われています。
6種複合免疫療法 6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて、がんと闘う力を強くして体内へ戻す療法です。がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。

免疫療法・免疫細胞療法の費用は保険適用にならず、ケースによっても大きく異なります。一例として6種複合免疫療法の目安を提示します。

CSC:合計で196万3,500円

BASIC:合計で166万6,500円

総医療費の目安(5年間)


続いては、総医療費の目安を紹介します。

がんの治療は複数の方法を組み合わせるケースも多く、トータルの費用で考える必要があります。目安として、5年間の医療費(保険適用前)の平均値を紹介します。

  • 初期治療群(リンパ節郭清なし):107万7千円
  • 初期治療群(リンパ節郭清あり):134万4千円
  • 初期治療群(リンパ節郭清なし):365万1千円

制度の利用によって負担を軽減できる場合も


保険適用の治療については、高額療養費制度が利用できる場合があります。

高額療養費制度は、同一月(1日~末日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合、払い戻しを受けられる制度です。自己負担限度額は年齢や収入によって異なります。

その他にも、医療費控除などの制度をうまく使うことで費用を抑えられるケースがあります。

まとめ


今回は、乳がんの手術費用について解説しました。

がんの治療は複数の方法を組み合わせるケースも多いので、総額いくらかかるのかを検討する必要があります。高額療養費制度が利用できる場合もありますので、活用しましょう。

福岡同仁クリニックは、がん免疫療法専門の再生医療クリニックとして、6種複合免疫療法を提供しています。これまで多くの患者さんのがん治療を行い、患者さん一人ひとりに合わせた治療法をご提案しています。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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