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がんで腹水がたまってしまったときの余命は? 腹水の治療法や同時に検討したいがん治療

がんになると体に様々な症状が現れます。症状はがんの種類や病状によって異なり、腹水が溜まってしまうケースもあります。

今回は、がん患者さんとその親族の方々に向けて、がんで腹水がたまってしまったときの余命について解説します。

腹水の治療法や同時に検討したいがん治療についても情報をまとめましたので、ぜひ参考にご覧ください。

腹水とは?


まずは腹水の概要を紹介します。

腹水とは、腹腔とよばれるお腹にある隙間に体液がたまってしまった状態のことです。

腹腔とは、横隔膜の下方の腹部の内臓がおさまっている場所です。通常でも腹腔には20〜50ml程度の体液が入っているが、なんらかの原因でより体液がたまってしまうことで、腹水が生じます。

腹水には大きく分けてお腹の炎症が原因のものと、肝硬変や腎不全などの病気により血管内の浸透圧の低下が原因のものの2つがあります。がんによる腹水は、お腹の炎症が原因だと言われています。

がんによって腹水がたまる原因

では、がんによって腹水がたまってしまう原因は何なのでしょうか。

腹腔内にがんが広がってしまうと炎症が起こり、滲出液(しんしゅつえき)と呼ばれる液体が腹腔内にあふれだし蓄積されていきます。この結果、腹水がたまってしまうと言われています。

がんで腹水がたまったときの余命は?


次に、がんで腹水がたまったときの余命について紹介します。

腹水はがんの末期に現れることの多い症状です。そのため、腹水が溜まってしまうと余命は短いと診断されるケースが多いです。具体的な余命については個人差があり、年単位で残っているケースもあればあと数日というケースもあります。中にはがんの治療も中止され、緩和ケアに移行する場合もあります。

ただし、腹水の治療をすることで余命が長くなったり、元気になって日常生活に復帰できたりするケースもあるため、一概には言えません。

腹水になりやすいがんの種類


続いては、腹水になりやすい主ながんの種類を紹介します。以下のがんは、腹水になりやすいと言われています。

  • 卵巣がん
  • 大腸がん
  • 胃がん
  • 膵臓がん
  • 子宮体がん
  • 乳がん

 

腹水の症状


次に、腹水の症状を解説します。

腹水は少量であれば、自覚症状がありません。中程度の腹水がたまると、自覚症状が出てきます。自覚症状について、概要を紹介します。

体型変化・体重増加 腹水が多く溜まった場合、お腹が大きく膨らんで体型が変化してしまうことがあります。溜まった腹水の影響で体重が増加することもあります。
腹部膨満感 腹部膨満感は、さまざまな症状として現れます。「お腹が張っている感じがする」「ゴロゴロと音がする」「胃やお腹が重苦しい」「便が出そうだが出ない」「げっぷやが出る」「ガスが溜まっているような感じがする」などの症状です。また、へそが扁平になったり飛び出したりすることもあります。
息切れ 腹水による肺への圧迫により、息切れが生じることもあります。
食欲低下・吐き気 腹部膨満の不快感や苦痛、胃腸や肺への圧迫などの影響で、食欲が低下することがあります。また、吐き気を覚えたりする患者さんもいます。
便秘 大腸の蠕動運動の低下、腹水の影響による腹圧のかけにくさによって、便が出にくくなることもあります。
むくみ 心臓へ血液が戻りにくくなるため、足がむくむといった症状が現れることもあります。
体動困難 お腹の膨満や肺への圧迫などから、体を動かすことが困難になることもあります。横になって寝ることさえ難しくなることもあります。
活動意欲の低下 息切れや体動困難などの様々な症状によって活動意欲が低下することもあります。徐々に日常生活動作が困難になるケースも見られます。

 

がん治療による体液バランスの乱れや合併症・副作用などで腹部膨満感が増してしまうこともあるため、注意が必要です。

たまった腹水は抜けば良い?


お腹にたまった腹水は抜けばよいのでは?と考える人もいるが、腹水には栄養が含まれているため、一気に抜くと栄養状態も悪化し体が弱ってしまうこともあります。

さらに腹水がたまって悪循環になるケースもあるので、抜けば解決するという簡単な問題ではありません。他にも血圧が一気に下がってしまいショック状態を起こす場合もあり、適切な治療を受ける必要があります。

腹水の治療法


続いては、腹水を治療する方法について紹介します。

  • 利尿剤
  • 腹腔穿刺ドレナージ
  • 腹腔静脈シャント
  • CART
  • 輸液量の調整
  • 抗がん剤治療
  • 食事療法、水分制限

といった7つの治療法について、次章以降で解説します。

利尿剤

腹水の治療法1つ目は、利尿剤の使用です。

悪性腹水で腹部膨満を自覚し始めた患者さんに対し、症状を緩和するため利尿薬を投与するケースがあります。主に使われる利尿薬はスピロノラクトンとフロセミドです。

さらに、下肢の電解質異常や心不全化傾向がある場合には、トリバプタンを用いることもあります。

利尿薬のメリットは、腹水の改善が見込めることです。多くの臨床現場で用いられているため、安心感もあるでしょう。

利尿剤のデメリットは、電解質異常や血圧低下を招くリスクがあることです。

腹腔穿刺ドレナージ

腹水の治療法2つ目は、腹腔穿刺ドレナージです。

腹腔穿刺ドレナージとは、腹腔内に針を刺して腹水を体外へ排出させる治療法です。腹水が速やかに排出される効果が期待できます。腹水による腹部膨満や苦痛、息苦しさなどの症状も速やかに改善されるため、患者さんにとっても嬉しい治療法だと言えます。

腹腔穿刺ドレナージのメリットは、低い治療コストで腹水の改善が見込めることです。患者さんの拘束時間が短いこともメリットだと言えるでしょう。

腹腔穿刺ドレナージのデメリットは、針を刺すなどの手技にともなう苦痛があることです。また、腹腔穿刺ドレナージを頻繁に行うことで、患者さんの全身状態が悪化することもあり、かえって腹水貯留を加速させる恐れがあります。腹腔穿刺ドレナージの治療は、慎重に検討する必要があります。

腹腔静脈シャント

腹水の治療法3つ目は、腹腔静脈シャントです。

腹腔静脈シャントは、腹水の溜まった腹腔と鎖骨付近にある静脈をカテーテルでつなぐ治療法です。腹水を静脈へ直接つなぐ道を造設し、腹水を血管内に流入させることで、腹部膨満や呼吸困難、体動制限などの様々な症状の緩和を目指します。

腹腔静脈シャントのメリットは、腹水の改善が見込めることです。

腹腔静脈シャントのデメリットは、エビデンスが不足しており効果や安全性が確立されていないことです。

CART

腹水の治療法4つ目は、CARTです。

CARTは、1981年に保険適用されました。患者の体内から採取した腹水を専用フィルターにかける治療法です。専用フィルターで細胞や細菌を除去し、蛋白を回収して凝縮します。その後、患者さんの静脈から体内へと戻すことで効果を発揮すると言われています。

CARTのメリットは、保険適用の治療法で腹水の改善が見込めることです。

CARTのデメリットは、CARTはがん性腹水に適さないとの見解があること。CARTの効果に関する明確なエビデンスがないことです。

輸液量の調整

腹水の治療法5つ目は、輸液量の調整です。

悪性腹水のある患者さんへの輸液量に対する明確な指標はありません。

ですので、輸液量の調整には全身状態や苦痛症状などを評価した総合的な判断が必要です。「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン」によれば,予後1~2カ月の腹水を有する終末期がん患者さんでは、腹水への非侵襲的な対応として輸液量の調整は有効な可能性があるとされています。多量の輸液が腹水貯留を増悪させる可能性があると考えられていますので、医療者は安易な輸液の増量は行わないようにする必要があります。

輸液量の調整のメリットは、腹水の改善が見込めることです。

輸液量の調整のデメリットは、脱水の可能性があることです。

抗がん剤治療

腹水の治療法6つ目は、抗がん剤治療です。

抗がん薬を中心とした化学療法が、悪性腹水の改善に効果を発揮することがあります。

抗がん剤治療のメリットは、腹水の改善が見込めることです。

抗がん剤治療のデメリットは、副作用が生じることです。

食事療法・水分制限

腹水の治療法7つ目は、食事療法・水分制限です。

腹水の予防的な意味合いで、塩分制限や飲水制限が行われることがあります。塩分制限は、5〜7g /日以下程度で行われます。

食事療法・水分制限のメリットは、腹水の予防ができる可能性があることです。食事療法・水分制限のデメリットは、患者さんの生活の質を落とすことにもつながることや、明確なエビデンスがないことです。

腹水の治療と同時に検討したい免疫細胞療法


続いては、腹水の治療と同時に検討したいがんに対する治療法・免疫細胞療法について紹介します。

腹水になった場合、末期がんの可能性が高いと言われています。末期がんの場合、手術や放射線療法、場合によっては抗がん剤治療などを受けられないケースがあります。

その際に検討したいがん治療の一つが、免疫細胞療法です。

免疫療法とは免疫の力を利用した治療法で、免疫によりがんを攻撃します。ほとんどのがんに適用でき末期がんでも治療を受けられます。

手術や抗がん剤・放射線治療が難しい転移・再発したがんも対象で、副作用のリスクが低いという特徴があります。

免疫療法には、腹部膨満感を増加させるといった副作用がなく、腹水治療との併用も可能です。

入院しなくてもよいのがメリットの一つですが、即効性はなく効果には個人差があるため注意が必要です。

まとめ


今回は、がんで腹水がたまってしまったときの余命について解説しました。

腹水がたまってしまったときの余命は、明確に何年というエビデンスはありませんが、がんの末期で現れることが多いため長くはないでしょう。

ただし、症状は人それぞれですので一概には言えません。腹水の治療法には、以下の7つの方法があります。

  • 利尿剤
  • 腹腔穿刺ドレナージ
  • 腹腔静脈シャント
  • CART
  • 輸液量の調整
  • 抗がん剤治療
  • 食事療法、水分制限

しかし、これらの治療法の中にはエビデンスが無いものもあるため、注意が必要です。

これらの治療法と同時に検討したいがん治療として、免疫細胞療法があります。同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。

当施設は厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設で、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法についてより詳しく知りたい方は、こちらよりご確認ください。

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