がん患者様のためのお役立ちブログ
がんの前兆はある? がんの種類別の初期症状について解説
がんは日本人にとって身近な疾患ですが、もし自分ががんになったらと考えると恐怖を感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、がんを恐れている方に向けて
- 日本人で死亡数の多いがん
- がんの前兆となるサイン
- 種類別のがんの初期症状
を紹介します。
がんについて知識を深めることで、恐怖心も和らぐでしょう。がんの初期症状を知っておきたい方も、ぜひ参考にご覧ください。
INDEX
日本で死亡人数の多いがん
まずは、日本において死亡人数の多いがんの順位を紹介します。
1位 | 肺がん |
2位 | 大腸がん |
3位 | 胃がん |
4位 | 膵臓がん |
5位 | 肝臓がん |
(参考:がん情報サービス 最新がん統計のまとめ)
がんの前兆となるサインはある?
次に、がんの前兆となるサインについて紹介します。がんは多くの場合、最初は無症状で気付かないことがほとんどです。
そのためがんになる前兆となるようなサイン・症状はありません。一般的にはがんがある程度進行してきたところで、症状が現れてくると言われています。
また、がんの種類によっても症状は異なりますが、がんの種類を問わず以下のようなことが当てはまる場合は注意が必要です。
- 不調が続く
- 出血する
それぞれの症状について、より詳しく見ていきましょう。
不調が続く
がんの種類によっても症状は異なりますが、基本的には以下で紹介するような不調が現れやすいと言われています。もし以下に挙げるような症状があり、治りにくく悪化したり持続したりする場合は病院を受診することをおすすめします。
ただし、下記の症状はがんではない他の病気などの可能性もあります。
また、以下で紹介する症状以外にも、不調が長引いているようであれば早めに医師の診察を受ける方が良いでしょう。
発熱
がんの前兆となるサインの1つ目は、発熱です。微熱が続く、就寝中に寝汗を大量にかいたりする場合はがんの初期症状の可能性があります。
体重の減少
がんの前兆となるサインの2つ目は、体重の減少です。ダイエットや運動などをしておらず、理由なく体重が減ってしまう場合には、がんの初期症状の可能性があります。3カ月以内に元の体重から10%以上落ちている場合は要注意です。
便の変化
がんの前兆となるサインの3つ目は、便の変化です。便が黒くなったり、便が細くなったりする場合はがんの初期症状の恐れがあります。
皮膚の変化
がんの前兆となるサインの4つ目は、皮膚の変化です。
- 理由は思い当たらないけれど皮膚が黒ずむ
- まぶたが腫れる
- 爪が反ってスプーンのようになっている
など、皮膚の状態が変化した場合にはがんの初期症状の可能性があります。
咳が長引く
がんの前兆となるサインの5つ目は、咳が長引くことです。咳が長引く、血痰が出るなどあれば要注意です。
出血する
がんの前兆となるサインの6つ目は、出血です。便や尿、おりものなどに血が混じっていたり、咳をして血が出たりした場合はがんの可能性があります。
【種類別】がんの初期症状
次に、がんの種類別の初期症状を紹介します。がんの部位別に現れる特有の初期症状を知っておきましょう。
ただし紹介する症状が現れたとしても、がん以外の病気が理由の場合もあります。がんの死亡者の順位に沿って紹介していきます。
肺がん
肺がんは日本人のがんの中で、死亡率が最も高いことで知られています。早期発見が難しいという特徴もあります。
また、女性よりも男性に多く発症することが分かっていますが、近年では女性の患者さんも増えているとのこと。
肺がんの初期症状として、咳・痰があります。初期は自覚症状が少ないですが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることがあります。
- 咳や痰に血が混じる
- 息苦しさがある
- 胸の痛みがある
- 動悸や発熱がある
肺がんの症状は風邪や肺炎、気管支炎などと同じような症状のため、がんだと気付きにくい傾向にあります。
- 咳が2週間以上続く
- 血が混じる
- 発熱が5日以上続く
などの場合は病院を受診することをおすすめします。
大腸がん
大腸は、消化管の一部です。約1.5mから2mの長さの臓器で、水分を吸収して便の形を作るという役割があります。
大腸がんは、大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍のこと。進行すると、腫瘍のサイズも大きくなるため症状が起こりやすくなります。
大腸がんの初期は、自覚症状がありません。進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 貧血
- 腹痛、嘔吐
- 便秘、下痢が続く
- 便が細くなる
- 血便
- 残便感
- お腹が張る
- 体重減少
上記に挙げるような症状が続く場合は、大腸がんの可能性があります。また、大腸がんが原因でおならが出やすくなるといったことはありません。
胃がん
胃は、食道と十二指腸の間にあります。胃の主な役割は、食道から運ばれてきた食べ物を溜めたり、たんぱく質や脂肪などを消化すること。
胃がんは日本人がかかりやすいがんの一つです。がん検診を受ける人も増えているので、死亡数は減少傾向にあります。胃がんは、粘膜の細胞ががん化して発症します。がん細胞が増殖すると、大腸や膵臓、肝臓などの臓器にも広がってしまいます。
胃がんの初期症状を説明します。初期は自覚症状はありませんが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 胃やみぞおちの痛み
- 胃の不快感、違和感
- げっぷが出る
- 胸やけ
- 吐き気
- 貧血
- 食欲不振
- 体重減少
- 血便
膵臓がん
膵臓は、胃の後ろにある臓器です。膵臓の役割は、食物の消化を助ける膵液を作り分泌すること、ホルモンを作り分泌することです。
膵臓がんのほとんどは「腺がん」という組織型のがんです。膵臓がんの早期の発見は簡単ではありません。
膵臓がんの初期症状を説明します。初期は自覚症状がないのですが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 腹痛
- 食欲不振
- 腹部膨満感
- 背中や腰の痛み
- 黄疸
上記の他に急に糖尿病が発症・悪化する場合も膵臓がんである可能性があると言われています。
肝臓がん
肝臓は腹部の右上にある臓器です。早期の中で最も大きく、成人で800グラム〜1200グラムほどあります。肝臓の主な役割は、栄養分を取り込み体に必要な成分に変えたり、有害物質の解毒や排出です。
肝臓がんは2つに分けられます。
肝臓にできた原発性肝がんと、別の臓器から転移した転移性肝がんです。さらに原発性肝がんには、肝細胞がんと管細胞がんなどがあります。日本では、原発性肝がん全体の90%を占めています。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、初期には自覚症状はほとんどありません。がんが進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 腹部のしこり
- 圧迫感
- 痛み
さらにがんが進行すると以下に挙げる症状が出る可能性があります。
- むくみ
- 黄疸
- 腹水(お腹に水が溜まって膨れる)
- 肝性脳症
- 出血
慢性的な肝炎が肝硬変になり、肝臓がんを合併することが多い傾向にあります。ですので、肝炎の段階でしっかりと医師の診察を受けることが大切です。
慢性肝炎の症状としては、体のだるさや疲れやすさ、食欲不振などが挙げられます。
胆のうがん
胆のうとは、肝臓でつくられる胆汁が十二指腸にでていくまでの道のこと。肝外胆管は、十二指腸乳頭部に繋がっています。
胆のうの役割は、胆汁をひとまず蓄え、濃縮すること。食事をすると収縮し、胆汁を排出します。胆汁は、食べ物の消化を助ける役割を持っています。胆のう、または胆のう管にできた悪性腫瘍のことを胆のうがんと呼びます。膵液と胆汁の逆流が起こることで、胆道にさまざまな影響を引き起こすことが知られており、胆のうがんの原因にもなります。胆のうがんの初期では無症状であることが多く、腹部超音波検査で発見されることもあります。
胆のうがんは進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 腹痛
- 嘔吐
- 食欲低下
- 体重減少
- 倦怠感
- 黄疸
- かゆみ
- 白い便
- 発熱
この他に、みぞおちや右側腹部に痛みが出るケースもあります。
乳がん
乳がんは乳腺の組織にできるがんのことです。乳がんは女性の9人に1人が発症するというデータもあります。30代から40代に多く発症することが知られています。
乳がんの初期症状としては、以下のものが知られています。
- しこり
- えくぼのような凹凸
- ただれ
- 乳房の形の変化(左右非対称に)
- 乳頭から分泌物
乳がんを早期に発見するために、月に1回程度自分でしこりのチェックをするのが良いでしょう。しこりのチェックの方法は、指のはらで乳腺を押さえて、胸壁との間でしこりを見つけること。横になってチェックすると分かりやすいでしょう。
前立腺がん
前立腺は、男性にのみある臓器です。前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液を作る臓器です。
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失うことで発症します。多くの場合比較的ゆっくり進行することが知られており、早期に発見すれば治癒することが可能です。前立腺がんはリンパ節や骨に転移することが多いことが知られています。
前立腺がんの初期症状を説明します。初期は自覚症状がありませんが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 尿が出にくい
- 排尿の回数が多い
- 残尿感
- 排尿をする際に痛みがある
- 下腹部の不快感
がんがさらに進行すると、以下の症状が出てくる場合があります。
- 血尿
- 腰痛
食道がん
食道は、咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器。食道の役割は、食物を胃に送ることです。食物は重力で流れるだけでなく、食道の筋肉が動くことによって胃に送り込まれます。胃に送りこむだけでなく、胃から食物が逆流してこない構造になっています。また、食道には消化機能はありません。
食道がんは、粘膜の表面から発生します。がんは食道のどこにでもできる可能性がありますが、食道の中央付近からできることが多い傾向にあります。
食道がんに初期は自覚症状がありませんが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。飲食時の胸の違和感はよくある症状で、ものを飲み込んだときに胸の奥がチクリと痛む、熱いものを飲んだ際にしみる感じがあるなどの異変があります。
その他の症状は以下の通りです。
- 体重減少
- 胸や背中の痛み
- 声のかすれ
- 咳
さらに進行すると、以下の症状が出てくる場合もあります。
- 飲食物がつかえる
- 水分を飲めなくなる
- 唾液を飲み込めなくなる
白血病(血液がん)
白血病はいわゆる血液のがんです。血液がんと呼ばれることもあります。白血病は、白血球系細胞が無限に増加してしまう病気です。白血病は急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病の4種類に分けられます。
白血病(血液がん)の初期症状を説明します。白血病の初期は自覚症状がないのですが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 倦怠感
- 動悸、息切れ
- 貧血
- 発熱
- 腰痛、関節痛
- 吐き気
- 頭痛
- 出血しやすい(鼻血や歯ぐきからの出血など)
子宮頸がん
子宮頸は、子宮下部の管状の部分のこと。子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めるがんです。発症のピークは、30歳代後半だと言われています。日本の子宮頸がんの、患者数も死亡率も増加傾向にあります。
子宮頸がんの初期症状を説明します。初期は自覚症状がないのですが、進行するにつれて以下に挙げる症状が出てくることが知られています。
- 不正出血
- 性行為の後の出血
- 下腹部の痛み
- 血尿・血便
- 下肢のむくみ
この他にもおりものの異常も自覚症状としてあります。おりものがにおいを伴う場合や、茶色や膿のようなおりもの、大量の水っぽいおりものなどが見られる場合もあるそうです。
がんは早期発見・早期治療が重要
これまで種類別のがんの自覚症状を紹介しましたが、がんの初期は自覚症状がないケースが多いことが分かります。がんは自分では早期に気付きにくいため、定期検診を受けることが重要です。1年1回あるいは2~3年に1回の検診をしていれば、手遅れになる可能性が低くなります。
がん検診には以下の2種類があります。1つ目は、対策型検診です。
対策型検診は、各市区町村が実施するがん検診です。胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5種類が対象で低コストで検診を受けられるという特徴があります。対策型検診は、医学的に有効性が確立された検査方法で実施されます。
2つ目は、任意型検診です。
各自が任意で受けるがん検診で、医療機関などが提供する検診です。公的な予防対策ではないため、全額自己負担になる場合も。検診方法は多岐にわたります。その中には医学的に有効性の確立していない検査方法が含まれる場合もあります。
まとめ
今回は、がんの前兆について情報をまとめました。がんを早期に発見するためには、自覚症状に気付くことも大切ですが、定期的に検診を受けることが重要です。
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