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抗がん剤の副作用で爪が痛いときはどうする? 原因や予防法、セルフケアの方法について解説

抗がん剤治療は、がんの三大療法である化学療法の一つです。治療効果も高いですが、副作用も起こるため慎重に進めていく必要があります。

今回は抗がん剤の副作用の一つである「爪の痛み」について紹介します。抗がん剤治療中のがん患者さんや、がん患者さんの親族の方に向けて情報をまとめました。

この記事を読むと

  • 日常生活への影響
  • 皮膚障害が生じる理由
  • 皮膚障害の発症時期
  • 重篤な皮膚障害の予防法

が分かります。ぜひ参考にご覧ください。

抗がん剤治療で爪が痛むのは皮膚障害が原因


まず、抗がん剤治療で爪が痛む原因を紹介します。

抗がん剤治療ではさまざまな副作用が伴うことがあります。副作用の一つとして、爪が痛くなるなどの皮膚障害が起こり得ます。抗がん剤治療による、爪に関する皮膚障害の具体的な症状と概要を見ていきましょう。

爪の痛み ズキズキとした痛み
爪の変形 爪が薄くなる、爪の表面がでこぼこになる、爪に白い横溝が現れるなど
爪の変色 褐色になったり黒ずんだりする
爪囲炎(そういえん) 爪に炎症が起こり、腫れや痛みが生じる

 

この他にも抗がん剤治療の副作用として、爪の浮き、剥離、ひび割れ、欠け、爪の下に出血や膿が生じる場合もあります。特に力をかけやすい箇所に上記のような症状が現れることが多いという特徴があります。

また、抗がん剤の種類によっては、オレンジ色に変色したり強い痛みが生じたりと特にひどい副作用が起こることもあります。

日常生活への影響

続いては、爪の痛みの日常生活への影響を見ていきましょう。爪に関する皮膚障害によって痛みが生じると、日常生活で以下のようなトラブルが生じやすいと言われています。

  • 爪の痛みや剥離により、物を掴む動作や力を加えることが困難になる
  • 爪の痛みで靴が履けない、歩けない
  • 指先の細かい作業がしづらくなる
  • ボタンをかけにくくなる
  • 字が書けない
  • スマートフォンやパソコンで字を打てない

など。

痛み以外にも爪が欠けて服にひっかかってしまうこともあり、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。

抗がん剤治療によって爪の痛みをはじめとした皮膚障害が生じる理由


次に、抗がん剤治療によって爪の痛みをはじめとした皮膚障害が生じる理由について解説します。

ただし、抗がん剤によって爪の痛みなど皮膚障害が発生する原因は十分に解明されていない部分があります。この項目では、皮膚障害の原因と考えられている内容についてを抗がん剤の種類ごとに紹介します。

殺細胞性の抗がん剤の場合

まずは殺細胞性の抗がん剤治療によって爪の痛みをはじめとした皮膚障害が生じる理由を紹介します。殺細胞性の抗がん剤は、細胞分裂が活発な細胞に作用するので、細胞分裂が活発な爪にも抗がん剤が効き副作用が起こるとされています。

その他にも日常の中で皮膚が圧迫されて、爪周辺の毛細血管が切れ抗がん剤が漏れたり、皮膚に伝った汗の中に抗がん剤が含まれていたりすることが原因とされています。

分子標的型の抗がん剤の場合

次に分子標的型の抗がん剤治療によって爪の痛みをはじめとした皮膚障害が生じる理由を紹介します。

分子標的型の抗がん剤では、薬剤が攻撃する対象が決まっています。その対象は、がん細胞だけでなく皮膚組織の中にも存在しており、皮膚の成長が阻害されたり、皮脂の分泌が阻害されて乾燥したりすることがあります。この結果、皮膚障害が起こることがあるとされています。

抗がん剤治療による皮膚障害の発症時期


続いては、抗がん剤治療による皮膚障害の発症時期を紹介します。

爪の痛みなど、抗がん剤による皮膚障害の発現時期はさまざまです。個人差がありますが、一般的には抗がん剤による治療を開始してから3週間〜27週間後に起こりやすいとされており、幅が広いという特徴があります。

また、抗がん剤の副作用で生じた皮膚障害は、抗がん剤の投与が終われば一定期間経てば治るといわれています。例えば、爪の変形や変色は手の爪であれば治療完了から半年、足の爪であれば治療完了から1年程度で治るとされています。

ただしこちらも個人差がありますので、必ずしもこの時期に完治するとは言えません。

抗がん剤治療による重篤な皮膚障害の予防法


次に、抗がん剤治療による重篤な皮膚障害の予防法を紹介します。

最新の研究では、重篤な皮膚障害を予防するために、抗がん剤の点滴投与中に冷却することが有効ということが分かってきました。抗がん剤の点滴投与中に、フローズングローブとソックスと呼ばれるもので手足を冷やし、重篤な爪の障害を予防する方法もあります。

抗がん剤治療期間中の爪のケア


では、抗がん剤治療期間中の爪のケアにはどのようなものがあるでしょうか。

治療を受ける方自身で行える、抗がん剤治療期間中の爪のケア方法を紹介します。現在爪の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

清潔にする

抗がん剤治療期間中の爪のケア1つ目は、清潔にすることです。

爪囲炎などが生じた場合は細菌感染が起こりやすいため、できるだけ毎日石鹸を使用して手洗いをし、入浴することを心掛けましょう。ただし、40度以上の熱すぎるお湯を使うのは控えることを推奨します。

爪囲炎や痛みが生じた場合、痛みで洗浄が難しくなり感染が悪化することがあります。その場合は泡石鹸を使用し、綿棒などを使用するのもよいでしょう。

また洗浄する際は、肌をこすらないようにやさしく汚れを落とすことが大切です。水分を拭き取るときも、タオルで肌をポンポンと押さえるように拭き取り、使用するタオルはナイロンタオルなど、刺激の強いものは控えてください。

入浴時に爪の状態を確認する

抗がん剤治療期間中の爪のケア2つ目は、入浴時に爪の状態を確認することです。

入浴時には、爪の状態はもちろん、他の体の皮膚の状態をチェックしましょう。定期的に悪化しているところや気になるところはないかを確認し、常に正しいケアが行える状態にしておくことが大切です。

保湿を徹底する

抗がん剤治療期間中の爪のケア3つ目は、保湿を徹底することです。

ひび割れや爪の剥離、浮きなどを予防するために、保湿を徹底してください。水仕事などする際には手袋を使用することを推奨します。手洗いや入浴をした後には、保湿剤や爪専用のオイルを塗り、爪専用のオイルを塗った後、爪の根本をやさしくマッサージするのもおすすめです。保湿剤は病院で処方されるものの他、市販でも購入可能です。毎日使用するので、使用感のよいもの、継続して使いたくなるような自分好みのものを選ぶのがポイントです。

成人の手のひら約2枚分に対しての保湿剤の適量の目安は、約0.5gです。軟膏やクリームの場合、人差し指の先から第一関節までの量です。ローションは1 円玉大を目安にしましょう。

また、軟膏やクリーム、オイルを塗布する際は、ゴシゴシと擦り込まないように注意してください。

日焼け対策をする

抗がん剤治療期間中の爪のケア4つ目は、日焼け対策をすることです。

日光などに当たりすぎると、色素沈着の症状が悪化しやすいため注意が必要です。日焼け止めの塗布、帽子をかぶる、日傘をさす、長袖、長ズボンを着用するなど、日焼け対策をすることで、悪化を防げます。

正しい方法で爪を整える

抗がん剤治療期間中の爪のケア5つ目は、正しい方法で爪を整えることです。

正しい方法で爪切りをすることも大切です。爪のケアでは、爪切りではなく爪ヤスリを使用するようにしましょう。爪ヤスリは往復させず一方向に動かし、滑らかな仕上がりにします。

爪を短くするときは、爪切りは使わずに爪用のやすりハサミタイプのニッパーを使用します。少し伸ばし一文字切りにし、角は爪ヤスリで整えます。指先よりも1〜2ミリ出ている状態が理想的な爪の長さです。

また、爪を切る際には短くなりすぎないように注意しましょう。爪がはがれそうなときには、適宜皮膚科を受診し爪の状態を相談しましょう。

マニキュアを塗る

抗がん剤治療期間中の爪のケア6つ目は、マニキュアを塗ることです。

ベースコートと呼ばれる下地を塗ってからマニキュアを塗ったり、保護・補強目的でマニキュアを塗るのも効果的です。マニキュアを塗ることで、爪の変色をカバーすることもできます。マニキュアは、好きな色で塗ってOKです。

また見た目をよりきれいに仕上げたい場合、トップコートを塗るのがよいでしょう。マニキュアを塗った後は、手洗いをして保湿をすることも忘れないでください。マニキュアを落としたいときに除光液を使う場合は、爪への刺激となるアセトンが入っていないものを選ぶことで、ダメージに配慮できます。

ただし、最近主流のジェルネイルは控えることをおすすめします。ジェルネイルでは爪の表面を削るので、爪の障害や感染症が生じやすくなってしまう恐れがあります。

手袋や靴下を着用する

抗がん剤治療期間中の爪のケア7つ目は、手袋や靴下を着用することです。

爪が弱くなっている場合、手袋や靴下を着用して爪を保護しましょう。

液体絆創膏・粘着包帯を使用する

抗がん剤治療期間中の爪のケア8つ目は、液体絆創膏・粘着包帯を使用することです。

出血や浸出液がない場合、爪を保護するために液体絆創膏・粘着包帯を使用する方法もあります。液体絆創膏・粘着包帯を使用することで、服などに爪がひっかかることがなくなります。粘着包帯は絆創膏などよりも粘着力が低いため、貼り換えが簡単で爪への負担も少ないという特徴があります。ドラッグストアや百円均一ショップでも購入可能ですので、安価で手に入ります。

また、爪囲炎の処置も可能です。

爪囲炎の処置として、スパイラルテープ法が一般的です。爪の際に肉芽が形成され、爪がくい込んでいる場合に行われます。伸縮性のあるテープを使用し、くい込みを軽減させます。スパイラルテープ法は、自己判断で実施せずに、医療機関での指示を受けて行いましょう。

爪の痛みや皮膚障害が良くならない場合


では、対処法を試しても爪の痛みや皮膚障害が良くならない場合にはどうしたら良いのでしょうか。

爪の痛みや皮膚障害が良くならない場合や日常生活に大きく支障が出る場合は、医師に相談することを推奨します。場合によっては抗がん剤の治療を一時停止することもあります。

まとめ


今回は抗がん剤治療で爪の痛みがでた場合について情報をまとめました。

  • 日常生活への影響
  • 皮膚障害が生じる理由
  • 皮膚障害の発症時期
  • 重篤な皮膚障害の予防法

について理解していただけたでしょうか。

がんの抗がん剤治療によって、爪の痛みや皮膚障害が生じている場合には、我慢せずに医療機関を受診しましょう。医師の指示に基づいて適切にケアすることで、症状を緩和できるでしょう。

今回紹介した抗がん剤治療の他にも、がん治療にはさまざまな方法があります。

がんの三大療法と言われているものは、手術療法・放射線療法・化学療法です。

手術療法は、手術によってがんを取り除く治療法です。がんの初期に根治目的として行われますが体への侵襲も大きいため、高齢者や体が弱い方にとっては負担が大きな治療です。

放射線療法は、放射線によって細胞の遺伝子に損傷を与える治療法です。手術が困難な場合にも放射線療法が選択されます。

今回紹介した抗がん剤治療も、化学療法の一つです。薬物によって、がん細胞の増殖を防いだり死滅させる効果が期待できます。見えないがん細胞にも効果があるとされており、転移のあるがんや白血病、リンパ腫の治療に選択されることが多いです。

免疫療法は、治療を受ける方の体に元々備わっている免疫細胞を利用して、がんを治療する方法です。高齢者や体の弱い方でも治療を受けることができ、副作用が少ないという特徴があります。

免疫療法の一つに、6種複合免疫療法があります。

同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。

同仁がん免疫研究所では、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。

細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法についてより詳しく知りたい方は、こちらよりご確認ください。

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