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食事ががん患者に与える影響は? がんの治療中に意識したい食事のポイントや食事療法の効果について解説
みなさんもご存知の通り、病気と食事には密接な関係があります。がんも同様に食事によって治療効果を左右する場合があるため、食事内容には注意が必要です。
今回は、食事ががん患者さんに与える影響について調査しました。
がんの治療中に意識したい食事のポイントや食事療法の効果について解説しています。がんを患っている方やその家族の方に向けて情報をまとめましたので、ぜひ参考にご覧ください。
INDEX
食事ががん患者に与える影響
まずは食事ががん患者さんに与える影響を紹介します。
みなさんも知っているかと思いますが、食事は身体機能の維持や空腹感の充足などに欠かせないものです。
さらにがん患者さんにとっての食事は、治療により障害を受けた組織の再生、生理機能の維持・増進、食べられることによる精神的な安心感、治療への意欲を向上させることなどにもつながります。
一方で誤嚥や感染のリスクの他に、食欲不振や吐き気がある中で精神的ストレスを感じることもあるため注意が必要です。がん治療中は栄養の摂取が特に重要なので、なるべくストレスを感じずに食事をすることが大切なポイントです。
【手術療法】がんの治療中に意識したい食事のポイント
続いては、手術療法によるがんの治療中に意識したい、食事のポイントを部位別に紹介していきます。
どのような部位の手術をしたとしても、以下のポイントは押さえておきましょう。
- よく噛む
- ゆっくり食べる
- 体調に応じて食べる量を調整する
- 消化の良い食品を食べる
- 香辛料や濃い味付けの食べ物は控える
- 食後すぐは運動したり横になったりしないようにする
次章以降では、手術した部位別に意識したい食事のポイントを紹介します。
頭頸部手術後の食事のポイント
まずは、頭頸部手術後の食事のポイントを見ていきましょう。
頭頸部手術後に飲み込みが困難になると、飲み物や食べ物が食道ではなく気管に入ってしまい、肺炎につながる恐れがあります。
嚥下が困難な場合には医師や看護師、言語聴覚士、管理栄養士などが、患者の方の咀嚼力や嚥下機能の状態を確認した上で、問題なく摂取できる食事を提供します。
胃・食道手術後の食事のポイント
次に、胃・食道手術後の食事のポイントを紹介します。胃の手術後は、胃の機能が落ちることが知られています。胃の手術後の食事のポイントを3つに分けて解説します。
ポイント1つ目は、食べ物を細かくすることです。食べ物を細かくして摂取して、一口ずつ良く噛んで食べることを意識しましょう。
ポイント2つ目は、食事の時間です。一回の食事は、30分以上時間をかけて食べることが大切です。また、逆流を防ぐために食べてすぐに横にならないようにしましょう。1日の食事を5〜6回に分けることをおすすめします。
ただし、体重が減らなくなったら1日3回食に戻しても良いでしょう。
ポイント3つ目は、好きなものを食べることです。術後は一時的に食欲が落ちることがあります。
ですので、食欲がないときは無理に食べずに「食べたい」と思うものを食べましょう。また、胃を手術したあとに食べてはいけないものはありませんが、硬いものや消化しづらいものは量を控えめにしてください。ただし寿司やお刺し身は鮮度の良いものを食べ、食中毒などのリスクを避けましょう。
手術直後は控えるべき食べ物は、以下の通りです。
- きのこ
- こんにゃく
- 海藻
- ごぼう
- たけのこ
- 山菜
- 揚げ物
- ジャンクフード
- いか
- たこ
- 中華麺
- 香辛料
- 炭酸飲料
- カフェイン
- アルコール
- 餅
早期ダンピング症候群は、甘いものを食べた後に発症しやすいと言われています。まんじゅうやケーキ等の甘い物は、食べてはいけないわけではありませんが、食べ過ぎないよう注意しましょう。
またおすすめの食べ物は、以下の通りです。
- 白身魚
- ささみ
- 豆腐
- 鶏卵
- ごはん
- うどん
- そうめん
- 食パン
- じゃがいも
- 里芋
- 長芋
- はんぺん
- かまぼこ
食道の手術では食道を切除して、胃を食道の代わりにするケースが多いことが知られています。
手術後は胃の機能が落ちるため、胃の手術後と同様の意識をすることが大切です。
膵臓手術後の食事のポイント
続いては膵臓手術後の食事のポイントを紹介します。膵臓の手術後は消化吸収機能が低下しやすいため、注意が必要です。
また胃や腸も部分的に切除した場合は、胃や腸に負担をかけない食べ方が大切です。
大腸手術後の食事のポイント
次に、大腸手術後の食事のポイントを紹介します。
大腸の手術後は腸の動きが弱まり、腸閉塞が起こりやすいと言われています。なるべく食物繊維の少ない食事を摂って、こまめな水分補給を心がけることが大切です。
大腸の手術後の食事では、以下のポイントを意識しましょう。
- よく噛む
- ゆっくり食べる
- 食物繊維の多いものは控える
- 下痢のときは水分を摂取する
- 便補のときは水分を摂取する
- 便補のときは適度に運動する
また、大腸の手術直後は控えるべき食べ物は以下の通りです。
- きのこ
- こんにゃく
- 海藻
- ごぼう
- たけのこ
- 山菜
大腸の手術直後におすすめの食べ物は以下の通りです。
- おかゆ
- うどん
- 食パン
- じゃがいも
- 長芋
- 里芋
- ささみ
- 赤身
- レバー
- はんぺん
- 白身魚
- 鶏卵
- 牛乳
- ヨーグルト
- かぼちゃ
- かぶ
- キャベツ
- 大根
- バナナ
- 桃
【ケース別】がんの治療中に意識したい食事のポイント
続いては、ケース別のがんの治療中に意識したい食事のポイントを解説します。
がんの治療前や、治療中に食欲がないときや吐き気があるときなど、ケース別に意識したいポイントを紹介しますので参考にご覧ください。
がん治療前の食事のポイント
がんの治療前には、治療に向けて体力や免疫力をつけるような食事をすることが大切です。
主食・主菜・副菜を揃え、さらにタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、炭水化物などバランスよく摂取できるようにしましょう。
食欲がないときの食事のポイント
がん治療中に食欲がないときの食事のポイントを紹介します。治療の副作用や後遺症だけでなく、不安や落ち込みなど、心の状態によっても食欲の低下は引き起こされます。
食欲不振がある場合には、以下のポイントをお試しください。
- 量を控えめにする
- 数回に分けて食べる
- 消化に良いものを食べる
- さっぱりとしたものを食べる
- 口当たりの良いものを食べる
- くさみを消す
- 冷まして食べる
- 食べやすいものを準備しておく
- こまめに水分摂取する
- 主食を変える
- 盛り付けを変える
吐き気があるときの食事のポイント
がんの治療の副作用によって吐き気が引き起こされるケースがあります。がんが消化器や脳に影響を与えてしまい、吐き気や嘔吐の原因となることが知られています。
吐き気を抑える薬を使うこともありますが、食事で対策を取ることも大切ですので、がん治療中に吐き気があるときの食事のポイントを紹介します。吐き気・嘔吐があるときには、以下のポイントをお試しください。
- 部屋の空気を入れ替える
- 口腔内を清潔に保つ
- 少量ずつ食べる
- 数回に分けて食べる
- 自分にあった味付けにする
- 自分にあった温度にする
- ゆったりとした服装にする
体重減少が気になるときの食事のポイント
次に、がん治療中に体重減少が気になるときの食事のポイントを紹介します。
がん治療中に体重減少が気になる場合には、食べられるものを食べられるときに摂取するようにしましょう。また、一度に全量食べるのではなく、間食を取り入れるなど工夫しましょう。少量でもカロリーの高い食品を摂取したり、油や糖分を食事に取り入れたりするのもおすすめです。
味覚やにおいの変化があるときの食事のポイント
薬物療法や放射線治療が原因となり、味覚やにおいの変化が生じることもあります。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味などの味覚の変化によって食欲や食事の量が減り、栄養が不足してしまう可能性もあるため、注意や対策が必要です。今回はがん治療中に味覚やにおいの変化があるときの食事のポイントを6つ紹介します。
1つ目は、食事の前に味覚を刺激することです。レモン水や炭酸水を飲んで味覚を刺激すると良いでしょう。苦味を感じる場合には、飴やキャラメルで口直しするのもおすすめです。
2つ目は、なんでも甘く感じてしまう場合の対処法です。なんでも甘く感じてしまう場合には、砂糖・味醂を極力使用せず、塩や醤油、味噌で味をつけるのがおすすめです。
3つ目は、なんでも苦く感じてしまう場合の対処法です。なんでも苦く感じてしまう場合には、だしやスープの旨味を活かした料理をおすすめします。食べ物を汁と一緒に摂取することで、苦味を感じづらいでしょう。
4つ目は、味が濃く・薄く感じる場合の対処法です。味が濃く感じる場合には、薄味にしたりだしの味で調理します。逆に、味が薄く感じる場合には、濃いめの料理を取り入れたり、温度を人肌程度の冷まして摂取しましょう。
5つ目は、亜鉛を豊富に含む食品を摂取することです。
- 肉類
- 魚類
- 卵類
- 豆類
- 穀物
- ココア
- チョコレート
- 抹茶
- チーズ
- カシューナッツ
などを積極的に取り入れましょう。
6つ目は、口腔内を清潔に保つことです。
口腔内の乾燥や汚れによって、味を感じづらくなるケースもあります。うがいやブラッシングを欠かさずに行いましょう。
噛みにくい・飲み込みにくいときの食事のポイント
次に、がん治療中に噛みにくい・飲み込みにくいときの食事のポイントを紹介します。
がん治療中に噛みにくい・飲み込みにくいと感じた際には、以下のポイントをお試しください。
- やわらかくした料理を摂取する
- よく煮た料理を摂取する
- 食事にとろみをつける
- 固形の食べ物はペースト状にする
- 口内炎によって食べにくい場合は酸味や辛みを控えた料理にする
- 人肌まで冷ます
- 場合によっては栄養補助食品を利用する
がんに効果のある食事療法はある?
これまでさまざまな食事の摂取方法を紹介しましたが、がんに効果のある食事療法はあるのでしょうか。食事は体力や免疫力を付けるためにも非常に重要なものです。
しかし、がんと診断された後に食生活を変えたからといって、がんが治るという科学的根拠はありません。ここからは「がんの治療に効果がある」と噂されやすい食事療法について詳しく紹介していきます。
サプリメント
「がんの治療に効果がある」と噂されやすい食事療法1つ目は、サプリメントです。結論から申しますと、がんを治療できるサプリメントはありません。
がんに影響があるとされて研究されている植物由来の化学物質はあるが、それらを全て含んだサプリメントは存在しません。サプリメントはあくまでも、普段の食事を補助するものとして摂取することをおすすめします。またサプリメントによっては薬剤の効果を弱める作用があるものもあるので、サプリメントを摂取する前には必ず医師に相談しましょう。
糖質制限
「がんの治療に効果がある」と噂されやすい食事療法2つ目は、糖質制限です。結論から申しますと、糖質制限でがんを治療できるという根拠はありません。人によっては糖質制限をすることで体調が悪くなるケースもあるため、がんの治療中に過度な糖質制限をするのは控えるのが良いでしょう。
マクロビオティック
「がんの治療に効果がある」と噂されやすい食事療法3つ目は、マクロビオティックです。マクロビオティックとは、穀物・野菜・海藻などを中心とする日本の伝統食を大切にする思想のこと。季節・体調に合わせた食事と考え方で、健康を守る目的があります。
また、健全で平和的に過ごすことができるというのもマクロビオティックの考え方です。ヘルシーかつ理想的な食生活ですが、マクロビオティックががんに有効だという根拠はありません。マクロビオティックによってビタミンやカルシウムなどが不足してしまう恐れがあるため、取り入れる際は注意しましょう。
まとめ
今回は食事ががん患者さんに与える影響について紹介しました。
がんの治療中に意識したい食事のポイントや食事療法の効果について理解を深めていただけたでしょうか。今回紹介した通り、がん治療中に食欲不振や嘔気・嘔吐がある場合には、無理をせず自分のペースを大切に食事をしましょう。
よく噛む、ゆっくり食べる、体調に応じて食べる量を調整することは、どんなケースでも大切なポイントですので、覚えておいてください。また、がん治療に有効だとされる食事方法の中には、治療に影響を及ぼす可能性があるものもあります。
新しい食事方法を取り入れる際には、医師に相談の上慎重に進めていきましょう。免疫力を高める選択肢の一つとして6種複合免疫療法があります。
同仁がん免疫研究所は、6種複合免疫療法を行っている専門施設です。当研究所は、厚生労働省から認可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。
6種複合免疫療法についてより詳しく知りたい方は、こちらよりご確認ください。
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