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がん悪液質とは?症状と治療法・余命についても解説
がん悪液質(Cachexia)は、がんを代表とする慢性疾患に伴って生じる筋肉量の減少や食欲不振を主な病態とする、複合的な代謝異常の症候群です。
悪液質の症状は患者さまの生活の質を大きく低下させるとともに、治療効果や余命にも影響を及ぼします。
今回の記事では、がん悪液質の症状、診断基準、治療法、そして余命との関係について詳しく解説します。
おすすめの治療法である「6種複合免疫療法」を含めた治療方法についても解説しますので、ぜひ参考にされてください。
【がんの治療の選択肢としておすすめする「6種複合免疫療法」】
副作用が少なく、他の治療と併用できる!
6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。
治療法は採血と点滴だけの通院治療です。
6種複合免疫療法をおすすめする理由
- がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
- 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
- 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる
がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。
INDEX
がん悪液質とは
がん悪液質(Cachexia)は、進行がんのがん患者さまによく見られる複合的な代謝異常の症候群で、体重の著しい減少、特に筋肉量の減少が主な特徴です。
この状態は単なる栄養不足とは異なり、がんに伴う炎症反応や代謝異常が原因です。
そのため、摂取カロリーを増やせば改善するというものではありません。
また、筋肉量の減少だけでなく、全身の倦怠感や食欲不振も悪化しやすく、患者さまの生活の質(QOL)や治療への反応にも大きな影響を与えます。
特に進行がんでは、がん細胞が放出する物質や炎症性サイトカインが全身に影響を及ぼし、症状が進行することがあります。
この状態が続くと、免疫力の低下や治療効果の減少につながる可能性があります。
しかし近年では、医療の進歩により、末期患者さまに対しても症状を緩和し、生活の質を向上させるための治療が提供されています。
がん悪液質の診断基準
がん悪液質の診断基準は、国際的に統一された指標に基づきます。
主な診断基準は次のとおりです。
体重減少
過去6か月間で体重の5%以上の減少、またはBMIが20未満の場合で体重の2%以上の減少が確認される場合。
筋肉量の減少
CTスキャンや身体測定によって、筋肉量の著しい減少が確認される場合。
炎症の兆候
C反応性タンパク質(CRP)の上昇やアルブミン値の低下など、体内の炎症反応が確認される場合。
食欲不振
患者さまが十分な食事を摂取できず、栄養状態が悪化している場合。
これらの基準は単独で診断されるものではなく、複数の要素が組み合わさることで悪液質と判定されます。
がん悪液質の3つのステージ
2011年、欧州のEuropean Palliative Care Research Collaborative(EPCRC)は、がん悪液質の定義と診断基準の合意(コンセンサス)内容を公表し、その中で、
がん悪液質をその進行状況に応じて「前悪液質(Pre-cachexia)」「悪液質(Cachexia)」「不応性悪液質(Refractory cachexia)」の3つのステージに分類しています。
これらのステージは患者さまの重症度や病態に基づいて分類され、治療や管理の指針となります。
それぞれのステージには特徴的な症状があり、対応方法も異なります。
前悪液質(Pre-cachexia)
体重減少や食欲低下が軽度(体重減少は5%未満)で、炎症の兆候や代謝異常が見られ始めます。
症状が比較的軽いため、早期に栄養管理や生活習慣の見直しを行うことで、悪液質への進行を抑えることが期待されます。
悪液質(Cachexia)
体重減少が顕著(6ヶ月以内に体重が5%以上減少)になり、特に筋肉量の減少が顕著となる段階です。
炎症性サイトカインの増加やエネルギー代謝異常が進行し、通常の栄養補給では改善が難しい場合があります。
栄養療法に加え、薬物療法やリハビリテーションなどの多角的なアプローチが求められることがあります。
不応性悪液質(Refractory cachexia)
不可逆的悪液質/難治性悪液質などとも訳され、「抗がん剤治療に抵抗性の高度、あるいは急速に進行するがんのため不可逆的な栄養障害を生じている悪液質の状態」とされています。
もう少しわかりやすくいうと、「がんが末期に進行し、悪液質に対して治療の効果が出にくくなった状態」です。
この段階では、患者さまの体力や治療耐性が著しく低下しているため、一般的には症状緩和を目的としたケアが中心となります。
がん悪液質の症状
がん悪液質は全身にさまざまな症状が現れます。
体重減少
がん悪液質では、脂肪だけでなく筋肉も著しく減少します。特に筋肉量の低下は、患者さまの自立性や日常生活の活動能力を損なう要因となり、全体的な健康状態を悪化させることがあります。
食欲不振
食欲が低下することが多く、必要な栄養を十分に摂取できない状況が生じます。これにより体重減少がさらに加速し、悪循環を引き起こします。
倦怠感や疲労感
慢性的なエネルギー不足により、強い疲労感や無力感が生じることがあります。これらの症状は患者さまの日常生活を困難にし、生活の質を著しく低下させる原因となります。
代謝異常
がんに伴う炎症反応が代謝を乱し、摂取した栄養を体が効率的に利用できなくなる場合があります。その結果、適切なカロリー摂取を行っても体重減少を防ぐことが難しくなります。
免疫力の低下
栄養不足や慢性的な炎症の影響で免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。
関連記事:「がんになると痩せてしまう理由は? 痩せると末期? 気になる余命」
がん悪液質で顔かたちが変わる?
がん悪液質が進行すると、患者さまの顔かたちに変化が現れることがあります。
これらの変化は主に体重減少と筋肉量の著しい減少によるもので、特に顔の筋肉や脂肪が失われることで目立つようになります。
頬のこけ
頬の脂肪が減少することで、骨格が浮き出たように見えることがあります。顔がやつれた印象を与え、健康的な外見から大きく変化する場合があります。
目元のくぼみ
眼窩周囲の脂肪が失われると、目がくぼんだように見えることがあります。
全体的な痩せこけた印象
全身の脂肪や筋肉の減少に伴い、顔全体がシャープになり、以前のふっくらとした健康的な顔立ちから大きな変化が生じることがあります。
最近では、外見の変化を和らげるためのリハビリテーションや心理的サポートが提供されるようになり、患者さまの自尊心を保ちながら生活の質を向上させる取り組みが進められています。
がん悪液質の検査と診断
がん悪液質の検査と診断では、患者さまの全身状態を多角的に評価することが不可欠です。悪液質の特徴である体重減少や筋肉量の低下、代謝異常を明らかにするために、さまざまな方法が活用されます。
身体測定
身長や体重、BMI(体格指数)を測定し、直近6か月間の体重減少率を確認します。また、筋肉量を測定することで、悪液質の進行状況を把握します。
血液検査
C反応性タンパク質(CRP)やアルブミン値を測定して、体内の炎症状態や栄養状態を評価します。
画像診断
CTやMRIを用いて筋肉量を詳細に評価します。特に腹部や四肢の筋肉量を測定することで、筋肉減少の程度を具体的に把握することが可能です。
食欲や生活の質の評価
患者さまの食事摂取量や食欲の状況、全体的な生活の質を問診やアンケートを通じて評価します。食欲不振や疲労感といった症状も診断の重要な参考情報となります。
がん悪液質と余命の関係
がん悪液質は患者さまの全身状態に深刻な影響を及ぼし、余命にも関わる重要な要因とされています。
悪液質が進行すると、体重や筋肉量の著しい減少だけでなく、代謝異常や免疫力の低下が全身の機能を弱らせ、治療効果を妨げる可能性があります。
そのため、悪液質が認められた場合には、適切な管理が特に重要となります。
悪液質が不応性のステージに進むと、体力の著しい低下が起こり、抗がん治療や緩和ケアの選択肢が限られる場合があります。
しかし、近年では悪液質に対する積極的な対策が進み、症状の進行を抑えながら生活の質の維持や改善を目指す取り組みが強化されています。
たとえば、栄養療法やリハビリテーション、薬物療法を組み合わせることで、治療効果を最大化し、患者さまがより良い状態を保てるよう支援するケースが増えています。
このように、医療技術の進歩により、末期がんの患者さまでも以前に比べて質の高いケアが受けられるようになってきています。
がん悪液質の治療法
がん悪液質の治療では、単に体重を増やすことを目指すのではなく、患者さまの生活の質を向上させながら、病状の進行を抑制することが重要です。
そのためには、患者さまの全体的な状態に応じた包括的なアプローチが必要です。
具体的な治療方法やそれぞれの効果については、以下で詳しく解説します。
栄養療法
栄養療法は、がん悪液質の進行を抑え、患者さまの生活の質を向上させるために欠かせない治療方法の一つです。
悪液質では、食欲が落ちたり代謝が乱れたりすることで十分な栄養を取ることが難しくなるため、患者さまそれぞれの体調や状況に合わせた栄養管理が重要です。
【高カロリー・高タンパク食】
筋肉量の減少を防ぐためには、タンパク質を多く含む食品やエネルギーがしっかり取れる食事が必要です。食事だけで補えない場合には、栄養補助食品や高カロリー飲料を取り入れることも検討されます。
【消化吸収のサポート】
もし消化がうまくいかない場合は、胃に優しい食品や、体に吸収されやすい形の栄養素を選ぶことがポイントです。食べ物を口から取るのが難しいときには、経管栄養(チューブを使った栄養補給)や点滴による栄養補給が選択肢になります。
【個別対応】
患者さまの食べ物の好みや食欲に合わせて食事の内容を調整することで、無理なく栄養を摂取できるように工夫します。また、食事の際の介助や、快適に食事ができる環境作りも大切です。
【栄養状態の定期評価】
栄養の状態は継続的にチェックし、その結果に基づいて食事プランを調整していきます。
栄養療法は単独で効果を発揮するわけではありませんが、薬物療法やリハビリテーションと一緒に行うことで、より高い効果が期待できます。
運動療法
悪液質では筋肉量が大きく減ってしまうことが多いため、適切な運動を取り入れることで筋肉の減少を抑え、体力を維持することが期待されます。
【筋力トレーニング】
軽い筋力トレーニングは、筋肉を維持し、筋力を保つのに役立ちます。特に、足やお腹まわりの筋肉を鍛える運動は、日常生活での動きやすさを助けます。無理のない範囲で始めることが大切です。
【有酸素運動】
ウォーキングやストレッチといった有酸素運動は、心臓や肺の働きを良くし、疲れにくい体づくりをサポートします。運動の強さや時間は、患者さまの体力に合わせて調整します。
【個別プログラムの作成】
医療従事者が患者さま一人ひとりの病状や体力に合った運動メニューを作成します。
【継続的なサポート】
運動は続けることで効果が現れます。医療従事者やご家族の支えがあれば、無理なく続けることができ、モチベーションを保つ助けにもなるでしょう。
患者さまの体調に合わせた運動を無理なく続けることで、体力と気力を高め、治療の効果をより引き出すことが期待できます。
関連記事:「がん患者は運動すべき?」
薬物療法
悪液質は栄養不足だけが原因ではなく、炎症や代謝異常が関わる複合的な病気です。そのため、症状に合わせた薬の使用が体調の改善につながります。
【抗炎症薬】
炎症を抑える薬として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルチコステロイドが使われることがあります。これらは、がんによる体内の炎症を抑え、体重減少や筋肉の減りを防ぐ効果が期待されています。
【食欲増進薬】
メゲストロール酢酸などの食欲を増やす薬が使用される場合があります。この薬は食欲を回復させ、栄養をしっかり摂れるようにするために役立ちます。
【筋肉を保つ薬】
筋肉量を減らさないために、アナボリックステロイドや特定の抗がん薬が使われることがあります。筋肉の分解を抑え、体力を維持するサポートをします。
【新しい治療薬】
悪液質のための新しい薬も開発されています。体のエネルギーを作る働きを助ける薬や、炎症を抑える分子標的薬などが含まれます。
薬物療法は、栄養療法や運動療法と組み合わせることで、より良い結果が期待できます。
悪液質と免疫療法
がんの治療には他にもさまざまな治療方法が存在しています。
その中の一つで最近注目されている免疫療法は、治療を受ける方の体に元々備わっている免疫細胞を利用してがんを治療する方法です。
高齢者や体の弱い方でも治療を受けることができるという特徴があります。
おすすめの免疫療法の一つに、「6種複合免疫療法」があります。
以下、詳しく解説します。
副作用が少ない6種複合免疫療法
「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。
①がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能で、一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。
また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。
②副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。
そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。
また、費用は治療ごとでのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。
③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる
6種複合免疫療法は、採血によって取り出した免疫細胞を培養し、活性化させた後点滴で体内に戻すという治療法です。方法は、採血と点滴だけの通院治療です。
そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。
6種複合免疫療法の治療効果
以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。
A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。
また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。
以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。
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