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がん免疫療法コラム

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免疫療法の抵抗(効きにくさ)を突破する新戦略―免疫回避・TME・新規標的で何が変わる?

がん細胞が起こす免疫回避の基本設計

免疫チェックポイント阻害薬などの免疫療法は、がん治療を大きく前進させました。一方で「最初から効かない(一次抵抗)」や「途中で効かなくなる(二次抵抗)」ががん免疫療法の効果を妨げることが問題視されています。Nature(世界最高峰の総合科学雑誌)におけるレビューでは、がんが免疫の目を逃れる仕組み(免疫回避)を、腫瘍そのものの変化だけでなく、腫瘍微小環境(TME)や代謝、遺伝・エピゲノムまでを網羅し、治療戦略をまとめています。

まず、免疫ががんを攻撃するには、がん細胞の目印(抗原)が提示され、T細胞がそれを認識できる必要があります。ところが腫瘍は、抗原提示を減少させたり、免疫に見つかりにくい細胞だけが生き残ったり(免疫編集)することで、攻撃対象から外れていきます。さらに、T細胞の働きを鈍らせる仕組みも重なり、結果として「免疫があってもがんを倒せない状態」が作られます。

複数のチェックポイントが免疫回避に関わっている

腫瘍はPD-1/PD-L1やCTLA-4などの“免疫のブレーキ”を利用し、T細胞を疲弊させて働けなくします。レビューでは、これら主要経路に加え、TGF-β、NF-κB、cGAS–STINGといったシグナルも免疫逃避に深く関与することが報告されています。たとえば、NF-κBがPD-L1発現を後押しして免疫抑制を強めたり、cGAS–STINGが本来の免疫活性化とは逆に腫瘍側に利用されるケースも議論されています。

低酸素・代謝・免疫抑制細胞が免疫回避に関連する

抵抗性の本丸は、腫瘍の周囲(TME)にあります。腫瘍はTGF-β、IL-10、VEGFなどを分泌して免疫を抑え、制御性T細胞(Treg)やMDSCなどの抑制系細胞を呼び込みます。さらに低酸素や代謝の偏り、間質(ECM)による物理的バリアも、免疫細胞の浸潤や働きを妨げます。薬自体の効果が弱いのではなく、体内の環境が薬を効かなくしていると言えます。

がん免疫療法の新しいアプローチの考え方

レビューが強調するのは、単一の免疫療法に頼らず、免疫回避の“重ねがけ”をほどく多面的戦略です。具体例として、複数チェックポイント阻害の併用、腫瘍溶解ウイルス(腫瘍を壊し抗原提示を増やす)、二重特異性抗体(がん細胞と免疫細胞を“つなぐ”)、ナノテクノロジーを含むドラッグデリバリーなどが挙げられています。加えて、患者ごとの違いを前提に、「どの回避機構が優位か」を見極めて治療を組み立てる「個別化」が重要です。

参考URL

Immune evasion in cancer: mechanisms and cutting-edge therapeutic approaches

https://www.nature.com/articles/s41392-025-02280-1?utm_source=chatgpt.com

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