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がん免疫療法コラム

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免疫関連有害事象(irAE)は治療効果のサイン?

免疫療法で起こるirAEとは

免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対する免疫の働きを高める治療です。これまで免疫にかかっていたブレーキを外すことで、体の中の免疫細胞ががんを攻撃しやすくなります。その一方で、活性化した免疫が正常な臓器まで攻撃してしまう免疫関連有害事象(irAE)が起こることもあります。

irAEは、皮膚の発疹やかゆみ、下痢、肝機能異常、間質性肺炎、甲状腺機能異常など、さまざまな形で現れます。一般的な抗がん剤の副作用とは異なり、「免疫が強く働いた結果として起こる副作用」である点が特徴です。そのため以前から、「irAEが出る患者さんは、免疫がしっかり反応している分、治療効果も高いのではないか」という見方がされてきました。

irAEがある患者は治療成績がよい傾向

実際、この点を検証した研究では、irAEの発現と治療成績の関連が繰り返し報告されています。参考文献として挙げられたシステマティックレビューやメタアナリシスでは、irAEを経験した患者のほうが、経験しなかった患者さんに比べて、無増悪生存期間や全生存期間が良好である傾向が示されました。

つまり全体として見ると、irAEは「治療が効いている患者さんで起こりやすい現象」と考えられます。特に、皮膚障害や内分泌障害のような比較的コントロールしやすいirAEでは、良好な治療反応と関連するという報告が多く見られます。臨床現場でも、発疹や甲状腺機能異常が出た患者さんが、その後に比較的長く治療効果を維持するケースが報告されています。

ただし「副作用が出れば効いている」とは言い切れない

irAEが出たからといって、必ずしも治療が成功しているとは限りません。特に問題となるのは、重症のirAEです。高グレードの肺障害や大腸炎、重い肝障害、神経障害などは、治療の中断やステロイド治療を要することがあり、患者さんにとって大きな負担になります。メタアナリシスでも、Grade 3以上の重いirAEについては、必ずしも予後改善と明確に結びついていないことが示されています。

さらに、がん種や使用している薬剤によっても結果は一様ではありません。PD-1/PD-L1阻害薬では関連が比較的見えやすい一方で、CTLA-4阻害薬では同じようには語れない場合もあります。したがって、「irAE=効いている証拠」と単純化してしまうのは危険です。

大切なのは我慢しないこと

患者さんにとって重要なのは、「副作用が出るほど効いている」と自己判断して症状を我慢しないことです。irAEは早く気づいて早く対応するほど、重症化を防ぎやすい副作用です。発疹、下痢、咳、息苦しさ、強いだるさなどがあれば、我慢せず医療者に伝えることが大切です。

現時点で言えるのは、irAEは治療効果と関連する可能性が示唆されているものの、それ自体が治療成功のサインではないということです。とくに軽度の皮膚障害や内分泌障害は前向きな指標として捉えられることがありますが、重症例では安全な管理が何より優先されます。免疫療法では、「効いているかどうか」と「副作用にどう向き合うか」を切り分けず、両方を丁寧に見ていく姿勢が欠かせません。

参考URL

​​Are immune-related adverse events associated with the efficacy of immune checkpoint inhibitors in patients with cancer? A systematic review and meta-analysis

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7169020/?utm_source=chatgpt.com

 

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