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がん免疫療法コラム

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免疫チェックポイント阻害薬の“投与タイミング”が有効性に影響?――臨床試験データから考える

同じ薬でも「打つ時間」で効果が変わる可能性

がん免疫療法は、患者自身の免疫を活性化してがんを攻撃させる治療です。
近年、その効果に影響する要因として「体内時計(サーカディアンリズム)」が注目されています。

私たちの免疫は24時間のリズムで変化しており、
・T細胞の活性
・サイトカイン分泌
・炎症反応の強さ
などは時間帯によって異なります。

免疫療法は「いつ投与するか」で効き方が変わる可能性があると考えられています。実際、過去の研究では朝〜昼に投与された患者のほうが生存期間が長いという報告が複数存在します。これは免疫が活発な時間帯に治療が重なることで、抗腫瘍効果が強まると考えられています。

小細胞肺がんで検証された最新臨床データ

2019年〜2023年にアメリカで行われた臨床研究では、進展型小細胞肺がんに対する免疫化学療法において投与時間と予後の関係が解析されました。他のがん種では、朝に投与することで予後の改善が報告されていますが、過去に予後不良ながんである進展型小細胞肺がんに対して検証は行われていませんでした。

解析の結果、15時以前に治療を受けた患者群の方が無増悪生存期間・全生存期間ともに良好という傾向が確認されました。つまり、同じ抗がん剤+免疫療法でも「午後遅く」より「午前〜早い午後」の方が効果が高い可能性が示唆されています。

小細胞肺がんは予後改善が難しいがん種として知られており、薬剤を変えずに成績を改善できる可能性がある点は非常に重要です。

なぜ時間で効果が変わるのか

免疫細胞は1日中同じ働きをしているわけではありません。
体内時計により以下が周期的に変化します。

・抗原提示能力
・T細胞増殖
・炎症シグナル
・腫瘍微小環境

特に午前から午後の早い時間帯は、免疫細胞が活発に働いていると考えられています。免疫チェックポイント阻害薬は「免疫のブレーキを外す薬」です。つまり、免疫が活発な時間帯に投与するとブレーキを外した瞬間にアクセルが踏まれるという状態になりやすいと考えられます。逆に夜間や夕方では免疫反応が弱く、同じ薬でも効果が出にくい可能性があります。

今すぐ診療は変わるのか?臨床応用の現実

全てのがん治療を午前中にした方がいいのかは、現時点ではまだ推奨にまでは至っていません。理由としては、患者背景の影響を排除する、研究の質と数が十分ではないことがあげられます

ただし、薬剤を増やさず副作用も増やさず治療効果を改善できる可能性があるため、非常に実用性の高い研究分野です。今後、「患者の生活リズムに合わせた個別化免疫療法」が標準になる可能性もあります。

参考URL

Overall survival according to time-of-day of immunochemotherapy for extensive-stage small cell lung cancer

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41355404/

概日リズム睡眠・覚醒障害

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-006

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