がん免疫療法コラム
がん免疫療法中の感染症予防と抗菌薬の使い方

がん免疫療法と感染症
免疫チェックポイント阻害薬(免疫療法)は、抗がん剤のような強い骨髄抑制が起こりにくい治療です。骨髄抑制が起きると貧血や免疫細胞の減少によって感染リスクもますので、感染症対策が必要になります。
がん免疫療法で直接感染リスクが上昇するわけではありませんが、体力低下、併用治療、持病などで感染症に弱くなることはあります。特に副作用(irAE)でステロイドや免疫を抑える薬を使うと、感染症リスクが上昇する可能性があるので注意が必要です。
がん免疫療法において感染症の早期発見が重要
手洗い、口腔ケア、睡眠、混雑回避など基本を続けつつ、前兆を見逃さないことが大切です。38℃前後の発熱、強い悪寒、息苦しさ、ぐったりして動けない、意識がぼんやりする、下痢や腹痛が続く—こうした症状があれば、自己判断で様子を見過ぎず主治医へ連絡してください。症状が軽いからと自己判断で放置すると重症化する可能性もあります。ワクチン(季節性インフルエンザ、COVID-19、肺炎球菌など)は治療計画や体調に合わせて相談して進めます。
がん免疫療法と抗生剤の影響
抗生剤は細菌感染が疑われるときに非常に重要や薬です。一方で近年、腸内細菌(お腹の中の“常在菌”)が免疫療法の効き方に関わる可能性が注目されています。複数研究をまとめた報告では、免疫療法の開始前後に抗菌薬を使った人で、治療効果や経過が不利になりやすいことが示唆されています。
特に開始の直前〜直後(数週間〜1、2か月)に使った場合に、その関連が強い可能性も指摘されています。ただし、因果関係が確定したわけではなく、重い感染症がある人ほど抗菌薬が必要という事情も混ざり得ます。また、抗生剤の乱用によって耐性菌のリスクも上昇するので、抗生剤の使用は必要最小限に抑えることも重要です。
自己判断をせずにすぐに相談を
細菌感染に対して高い効果を示す抗生剤ですが、がん免疫療法を受けている患者は服用に注意が必要です。がん免疫療法は、腸内細菌のバランスが崩れると効果が不安定になることが報告されています。抗生剤は、病原性のある細菌だけではなく、町内に存在する善玉菌や常在菌もまとめて叩いてしまう可能性もあります。また、抗生剤の漫然仕様によって抗生剤が効かない耐性菌が生じるリスクもあるので注意が必要です。
風邪かなと思ったらすぐに医師に相談することが大切です。受診時は「いつから・どんな症状か」「免疫療法の開始時期」「ステロイドなど併用薬」を伝えると正確な診断を受けられます。
参考文献
Influence of Microbiome and Antibiotics on the Efficacy of Immune Checkpoint Inhibitors
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8425062/?utm_source=chatgpt.com
Influence of Microbiome and Antibiotics on the Efficacy of Immune Checkpoint Inhibitors
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8425062/?utm_source=chatgpt.com