がん免疫療法コラム

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がん性疼痛を抑制する漢方薬

がんには痛みが伴う

がんには痛みが伴うことが多く、日常生活にも大きく影響することがあるので早めに痛みに対処することが大切です。
がんが骨に転移したり、神経に浸潤することで痛みが起きることがあり、通常の鎮痛薬では痛みが抑えられないこともあります。
そのため、がん性疼痛に対して、通常の鎮痛薬の投与と並行して医療用麻薬が使用されます。
また、長期間のベット上での生活は、筋肉痛を起こすこともあるので、身体を少しでも動かすことを意識することも重要です。

がんの痛みは治療に影響する

がんの痛みによって、うまく眠れなかったり、食欲が落ちたりして体力を消耗することもあります。
がん治療は長期間続くこともあり、体力と気力が必要ですが、がんによる痛みは治療の継続するモチベーション低下にもつながります。
また、痛みが続くことで、日常生活も楽しめなくなるので、QOLの観点からも痛みのコントロールは重要です。

がんの痛みに漢方薬が使われることも

漢方薬には、がんを直接的に治療する効果はありません。
しかし、近年では、がん治療に伴うさまざまな症状を軽減するために漢方薬が利用されるようになりました。
がんによる痛みは、体が冷えることで痛みが悪化することから、身体を温める効果が期待できる補中益気湯や十全大補湯などの漢方薬があり、それらに附子という生薬を加えたものが使われます。
附子には、鎮痛、抗炎症作用があり、マクロファージなどの免疫系を活性化させる働きも報告されている生薬です。
身体を温めて、体力を補う補中益気湯や十全大補湯に附子を加えることで、心身衰弱状態を改善するとされています。
通常の鎮痛薬と医療用麻薬と併用して漢方薬を併用することも可能であり、漢方薬ががん治療を支える場面も増えてきています。

がん免疫療法と漢方薬を組み合わせることもできる

がんの痛みに対して使われる漢方薬として、補中益気湯や十全大補湯に附子という生薬を加えたものが使われることがあります。
これらの、漢方薬と生薬には免疫を活性化させる働きが報告されており、がん免疫療法の抗腫瘍効果を高めるかもしれません。
マウスを用いた調査では、漢方薬を使用することでがん免疫療法の効果が上昇していることが報告されています。
がん免疫療法と漢方薬を組み合わせることで、治療効果を高めたり、がんに伴うつらい症状を軽減したりすることもあるので、今後の研究の進展が望まれています。

参考URL
癌性疼痛に対する漢方療法,順天堂医学38(1) P.15~20(1992)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/38/1/38_15/_pdf
免疫チェックポイント時代における漢方とがん免疫,日東医誌 Kanpo Med Vol.70 No.2 162-166,2019
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/70/2/70_162/_pdf

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