がん免疫療法コラム

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遺伝子治療とは?①

遺伝子治療とは、現代医学の最も革命的なアプローチの一つとして、様々な遺伝性疾患や難病の治療に革新的な希望をもたらす医療技術です。遺伝子治療の歴史や進歩は、科学の進歩と臨床実践の成果によって着実に進展しており、その過程には多くの挑戦と成功が絡み合っています。

この記事では、遺伝子治療の基本的な原理から、その変遷と最新の進展について詳しく解説していきます。

1.遺伝子治療とは?

遺伝子治療は、DNAやRNAの段階で治療介入を行い、細胞の遺伝情報そのものを修復・修正することで疾患の原因を根本的に取り除く治療法です。遺伝子治療の手法は大きく分けて2つあります。

一つは体外で細胞を取り出して遺伝子を修正後、再び患者さんに戻す「細胞外での遺伝子修正」、もう一つは直接患者さんの体内で遺伝子を修正する「体内遺伝子治療」です。

中でも、がん遺伝子治療の注目度は非常に高くなっています。がんは、細胞の成長や分裂の制御が狂ってしまった結果として発生します。遺伝子治療を使えば、がん細胞特有の異常な遺伝子を標的として、それを修正することでがんの進行を止めたり、がん細胞を死滅させることが可能です。

特に、従来の治療方法に抵抗性を持つがんに対しても、遺伝子治療は効果を発揮する可能性があるため、多くの研究が進められています。

しかし、遺伝子治療も無敵ではありません。効果の持続性、安全性の確保、治療費用の高さなど、多くの課題が存在します。

2.遺伝子治療の変遷

1990年にアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症という免疫不全症候群の一つを対象とした遺伝子治療が実施されました。これが遺伝子治療の幕開けとされています。この初の試みから、遺伝子治療の技術は日々進歩し、30年の間に臨床応用が可能な治療法が数多く誕生してきました。

近年の遺伝子治療の進展として特筆すべき点は、治療の標的疾患の拡大です。最初は“がん”や遺伝性疾患、代謝疾患を中心としていましたが、今や循環器疾患、神経変性疾患、感染症といった多くの疾患を対象としています。

特に注目されたのが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてのmRNAワクチンの開発でした。遺伝子治療技術を基盤としたこのワクチンは、世界的な感染拡大を受けて急速に開発され、多くの人々の命を救ってきました。

これらの経緯を見ると、遺伝子治療は今後もさらなる発展と応用の幅を広げていくことが予想されます。遺伝子治療のポテンシャルは、まだまだ計り知れません。

3.治療技術の進歩

初期の遺伝子治療は、遺伝子を補完・付加するといったものでした。しかし、この方法では異常遺伝子が体内に残存することや、治療で入れられる遺伝子の位置がランダムであるため、安全性や効果に課題が多かったのです。

ところが、近年の技術革新により、遺伝子の運搬手段としてのウイルスベクターや、核酸医薬とDSS(ドラッグデリバリーシステム)との組み合わせなど、様々なアプローチが開発されています。これらの進歩は、治療の適用範囲や効果の拡大に大きな影響を与えました。

特に画期的だったのは、遺伝子の変異を直接修正する技術、ゲノム編集法の開発です。中でも「CRISPR/Cas9法」は2020年のノーベル化学賞に輝くなど、医療界の注目を集めました。この技術により、異常遺伝子を正確に特定し、それを修正することが可能になりました。

このように、遺伝子治療は時代とともに進化し続け、未来の医療を大きく変える可能性を秘めています。

まとめ

この記事では、遺伝子治療の歴史やその可能性について解説してきました。がんの予防や治療には、様々な種類のアプローチが存在しますが、その中でも遺伝子治療は大きな期待を寄せられています。

さらに、最新のがん治療として「6種複合免疫療法」も注目されています。この方法は、複数の免疫細胞を同時に活性化させることで、がん細胞を効果的に攻撃し、体内での再発を防ぐとされています。従来の治療法と比べて副作用が少なく、高齢者など体力が弱い方でも受けられる治療法です。

このように治療の進歩は日々進行しており、私たちは常に最新の情報と技術を持って、患者さま一人ひとりの治療をサポートしています。

6種複合免疫療法に関する詳細は、こちらよりご確認ください。

出典:Journal of Clinical Experimental Medicine (IGAKU NO AYUMI) Vol.285 No.5

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