がん免疫療法コラム

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がん免疫療法の副作用は早期発見が重要!

がん免疫療法は比較的副作用が少ない

がん治療において中心的な役割をはたしている化学療法は、さまざまながん種に効果を発揮するメリットがあります。腫瘍を外科手術によって摘出した後に、肉眼では見えない、全身に飛び散ったがん細胞を攻撃するのに化学療法は効果的だといえます。しかし、化学療法は、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃するので副作用があらわれやすいデメリットがあるので注意が必要です。

 

がん免疫療法は、腫瘍細胞に存在する免疫チェックポイントに特異的に作用することから化学療法に比べて副作用が少ないことがメリットです。アメリカでおこなわれた研究では、治療の継続が不可能になるレベルでの副作用がおきる確率として化学療法では54%、がん免疫治療では10%だと報告されました。そのため、副作用によって化学療法を断念した患者さんでもがん免疫療法を選択できる可能性があります。

 

免疫機能に作用するため自己免疫反応が起きる可能性も

がん免疫療法は、免疫を抑制している機能を阻害することで、人体が本来備えているがん細胞に対する免疫力を活性化させることで抗がん作用を発揮します。しかし、患者さんの遺伝子や環境によっては、がん免疫療法特有の副作用がおきる可能性があります。

 

免疫は、体内に侵入した病原体やがん細胞など人体を危険にさらすものを攻撃することで健康を保つ働きがあります。免疫機能が正常であれば自身の細胞を攻撃することはありませんが、何らかの理由で免疫機能が暴走すると自身の細胞を攻撃して組織を壊したり、炎症をおこしたりする自己免疫疾患をおこすことがあります。

 

がん免疫療法をおこなうことで、免疫機能に関連する副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。がん免疫療法によって起こる可能性がある副作用として皮膚障害や大腸炎、甲状腺炎などがあります。また、重篤な副作用になると間質性肺炎や劇症1型糖尿病、心筋炎などさまざまあります。

 

自己免疫反応への対処法は?

以下の症状があらわれたら副作用の可能性もあるので主治医と相談してください。

・皮膚の赤みや水疱、ただれがみられる

・血尿などの尿の異常がみられる

・息苦しさがある

・頭痛や発熱、ふらつきがある

・食べ物や飲み物が飲み込みにくい

・手足に痺れがある

血液検査によっても副作用の有無が判明することもあります。また、免疫関連の副作用は、治療後すぐにあらわれるものもありますが、治療が終わって時間が経ってからあらわれるものも存在するのでわずかな体調変化にも注意が必要です。

 

副作用は早期発見が重要

がん免疫療法は、化学療法に比べると重大な副作用は少ないことが特徴です。しかし、免疫機能に作用する仕組みから免疫関連の副作用があらわれることもあります。重大な副作用になると後遺症が残る可能性もあるので、早期に副作用を発見することが重要です。わずかな体調変化でも主治医に相談することで副作用の対処もできます。

 

参考文献

がん免疫療法〜免疫チェックポイント阻害薬〜,先端医科学研究所

https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/presentation/201810-01.html

免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000842180.pdf

Nivolumab versus Docetaxel in Advanced Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1507643

免疫療法で起こる副作用とその対応と対策

https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/info/seminar/2018/20190302/20190302_4.pdf

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