がん免疫療法コラム

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Vol.164 子宮頸がんワクチンについて1

0.はじめに

癌と感染症は密接に関係しており、胃がんとピロリ菌、肝臓がんとB型及びC型肝炎ウイルスなどが知られています。そして、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)もその1つになりますが、今回は2回に分けて解説します。このような菌やウイルスによる感染が発症の原因となるがんは、感染を予防・治療することが非常に効果的ながん対策となります。

 

1.子宮頸がんとヒトパピローマウイルスについて

日本では毎年約1.1万人の女性が罹患し、約2,900人が命を落として言います。患者は20代から増え始め、30代までにがんの治療により子宮を失ってしまう人も年間に約1,000人います。子宮頸がんは40歳までの若い世代の女性でがん死亡の第2位で、ほとんどの子宮頸がんはHPVへの感染が原因とされています。

子宮頸がんはHPVが持続的に感染することで、異形成を生じた後、浸潤がんに至ることが明らかになっています。ただし、HPVに感染しても、すぐにがんになるわけではなく、いくつかの段階があります。

子宮頸がんは、早期に発見されれば、治療により比較的治癒しやすいがんとされていますが、ごく早期のものを除いて子宮の摘出が必要となることがあります。他のがんと同様、発見される時期が遅くなると治療が難しくなります。

 

2.ヒトマピローマウイルスについて

HPVは性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。

ウイルスには200種類以上のタイプ(遺伝子型)があり、その中でも少なくとも15 種類はがんを起こす高リスク型と呼ばれています。特に16型と18型が子宮頸がん全体の3分の2以上の原因となっています。

 

3.子宮頸がんワクチンについて

HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)はHPVへの感染を防ぐことで、子宮頸がんの罹患を予防する目的で接種されます。HPVワクチンは、子宮頸がんの原因の50~70%を占める2つのタイプ(HPV16型と18型)のウイルスの感染を防ぎます(一次予防)。また、子宮頸がんの予防にあたっては併せてがん検診を受診することも重要と言われています(二次予防)。

本邦では子宮頸がんの主な原因となる16型と18型を予防する2価ワクチンと、それらに加え、尖形コンジローマの原因となる6型と11型も予防する4価ワクチンがあります。

 

今回は子宮頸がん-HPVの関係性、ワクチンの有効性についての基本的な解説を行いました。次回は子宮頸がんワクチンの現状と問題点について解説します。

 

出典1:厚生労働省 令和4年4月からのHPVワクチンの接種について

出典2:日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」ヒトパピローマウイルスワクチンNo.21

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