がん免疫療法コラム

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食道癌と免疫療法に関する最新の知見

免疫療法は癌薬物治療に大きな変革をもたらせました。中でも免疫チェックポイント阻害薬はその優れた抗腫瘍作用から種々の悪性腫瘍の治療に使用されるようになりました。食道癌においても例外ではなく、免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ(オプジーボ)とペムブロリズマブ(キイトルーダ)がそれぞれ承認を取得し、食道癌治療に新たな選択肢ができました。

2021年1月現在では出版されている新しい食道癌ガイドラインは2017年度のものになりますが、それ以降に出てきた最新の知見・ビデンスについては日本食道学会ガイドライン委員会による速報コメントという形で発表されています。

 

食道癌に対する化学療法のレジメンについて

切除不能進行・再発食道癌に対しては全身化学療法が標準的に用いられており、一次治療としてはシスプラチン+5-FU併用療法が推奨されていました。(※一次治療とは初めに用いる抗癌剤のことです。初回治療やファーストラインともいいます。)また、切除不能進行・再発食道癌に対する一次治療(シスプラチン+5-FU併用療法)に不応の場合、二次治療としてパクリタキセル療法、ドセタキセル療法が推奨されていました。

 

食道癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の有効性

食道癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の使用が最初に承認されたのは比較的最近で、

2020年2月にニボルマブが二次治療以降での仕様で承認を取得し、3月にはガイドライン委員会の速報コメントが発表されました。ATTRACTION-1およびATTRACTION-3と呼ばれる臨床試験において二次化学療法の標準治療であるパクリタキセルあるいはドセタキセル単独療法に対してニボルマブ群は全生存期間における優位性が検証されました。なお、二次治療ではペムブロリズマブも使用できますが、PD-L1の発現率が高いCPS10以上という条件があります。

さらに切除不能進行・再発食道癌の一次治療においても免疫チェックポイント阻害剤の上乗せ効果が示されました。KEYNOTE-590試験においてシスプラチン+5-FU+ペムブロリズマブ療法はシスプラチン+5-FU療法よりも全生存期間、無増悪生存期間、奏効割合を改善することが示され、現在では一次治療としてこのペムブロリズマブ+シスプラチン+5-FU 療法を行うことが強く推奨されています。

また、術後補助化学療法(術後再発を防止するために手術後に行う化学療法)でも免疫チェックポイント阻害剤の有効性が示されています(CheckMate 577試験)。術前化学放射線療法および手術を行い病理学的完全奏効が得られなかった場合は術後ニボルマブ療法が強く推奨されています。

以上、最近の治療戦略の変遷に関して述べてきました。このように食道癌に対する抗癌剤治療に関して免疫チェックポイント阻害剤の果たす役割が大きくなってきており、まさに日常診療のやり方を変えてしまうプラクティスチェンジであると言えるかもしれません。

出典:日本食道学会編.食道癌診療ガイドライン2017年版、金原出版、2017年
出典:Lancet Oncol. 2019 Nov;20(11):1506-1517
出典:Lancet. 2021 Aug; 398:759-771
出典:N Eng J Med. 2021 Apr;384(13):1191-1203

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