がん免疫療法コラム

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Vol.125 抗体医薬品はなぜ高いのか?

抗体医薬品が高価な理由

抗体医薬品が世界で初めて承認されてから30年ほどしか経っていませんが、現在の医薬品売上上位の半数以上が抗体医薬品で占められているほど抗体医薬品は治療で使用されています。一方で、抗体医薬品を代表とするバイオ医薬品は以前から使われている低分子医薬品と比べて薬価が高いことが課題となっています。

薬価を算定する方法はいくつかあり、医薬品ごとに最も適切な算定方法が適用されます。そして、現在の抗体医薬品のように全く新しい医薬品に対して適用される「原価計算方式」が適用された場合はその医薬品の原料や製造にかかる費用が薬価の算定にかかわっており、特に製造にかかる費用が抗体医薬品の高い薬価に影響を与えていると言われています。

抗体の製造コストが高い理由

以前紹介したように、一般的な抗体医薬品の作製には動物や細胞を使用します。従来の低分子医薬品を製造するときに動物を用いることはないため、抗体医薬品を製造しようとするときには製造設備を新たに整える必要があり、製造コストがかかります。また、動物や細胞を使用して作製した抗体の品質を担保する体制を整えるためにさらなる費用が必要です。これら抗体医薬品の製造にかかるコストが薬価に直結しています。

抗体などのバイオ医薬品の製造には特に特許が絡んでいることが多いため、特許回避もしくは特許使用といったように特許も製造コストに関係しているかもしれません。

抗体医薬品の薬の価格は高いまま?

抗体医薬品に限らず、医薬品開発にかかる時間や費用を削減するための研究が様々な分野で進められており、これは間接的に薬の価格(薬価)の削減に繋がることが期待できます。

抗体医薬品の場合は、薬価削減に繋がる取り組みとして抗体をより効率的に作製する方法の開発が盛んに行われれています。具体的には、動物を使用せずに酵母や大腸菌を使う方法や細胞を使わずに試験管の中で抗体を作製する方法です。これらの技術が商用生産へ適用可能となれば製造にかかる費用の削減が期待できるため、この研究分野のさらなる発展が望まれています。

 

[参考資料]

抗体医薬の創薬から承認まで

抗体医薬の現状と課題

PURE ribosome display and its application in antibody technology

 

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