がん免疫療法コラム

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Vol.111 治療効果と利便性の向上につながる改良型核酸医薬(1): 化学修飾

核酸医薬品はがん免疫ワクチンとして開発中

DNAやRNAを代表とする核酸は、生き物が生きていく上で重要な役割を持つ物質です。

そして、2000年頃から核酸を医薬品として治療に用いるようになり、日本でも核酸医薬品は承認されています。また、がんワクチン療法を目的とした核酸医薬品が現在臨床試験を実施中であり、今後はがん免疫療法でも核酸医薬品を用いる日が来ると期待されています。

しかしながら、核酸そのものを体内へ直接投与してもすぐに分解されてしまうため、十分な効果が得られません。そのため、核酸医薬品として利用される核酸は安全性が担保された上で、より分解を受けにくいように改良されています。今回はいくつかある核酸の改良方法の中で最も一般的な「化学修飾」について紹介します。

化学修飾とは?

核酸医薬品は「核酸が十~数十塩基連結したオリゴ核酸で構成され、遺伝子発現を介さず直接生体に作用するもので、化学合成により製造される医薬品」を指します。また、現在承認されているほとんどの核酸医薬品は何らかの化学修飾がなされています。

主に化学修飾される部位は、核酸医薬品の最小構成単位である核酸の糖もしくはリン酸部分です。また、化学修飾には、1つの置換基が修飾を受ける場合と2つの置換基を架橋させる場合があり、いずれも核酸医薬品を体内で分解されにくくします。

例えば、糖部の2’位に「F」、「O-Methyl」、「O-Methoxyethyl」を修飾する方法は良く用いられます。架橋型修飾は糖部の2’位と4’位を繋ぐ方法で、2ʼ,4ʼ-BNA(2ʼ,4ʼ-Bridged Nucleic

Aci)別名を LNA(Locked Nucleic Acid)と呼びます。これらの修飾を施すことで、オリゴ核酸を分解するヌクレアーゼと呼ばれるタンパク質に認識・分解されにくい構造となります。そして、これらの化学修飾技術が現在治療に用いられている核酸医薬品に適用されています。

核酸医薬品の価値を最大化するための化学修飾技術は現在も盛んに研究が行われているため、今後もさらなる改良を施した核酸医薬品が誕生するかもしれません。

 

[参考資料]

Advances in oligonucleotide drug delivery

Pharmacokinetics and Proceedings in Clinical Application of Nucleic Acid Therapeutics

核酸医薬品の開発動向と 規制整備の現状

総 説 mRNA 医薬開発の世界的動向

 

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