がん免疫療法コラム

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白血病について(1) Vol.80

(白血病の平均死亡率比マップ(2007-2009)(左:男子,右:女子))

白血病は血液のがんです。名前を知らない人はいないと思いますが、意外によくわかっていない方も多いのではないでしょうか? 今回は白血病について解説します。

 

白血病とは?

白血病とは血液のがんですが、もちろん、血液そのものががん化するわけではありません。血液を構成する細胞(造血細胞)ががん化した病気です。

白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)の4つに分けられると説明している記事もあります。たしかに、急性vs慢性、骨髄性vsリンパ性で捉えるとわかりやすいとは言えます。

ただ、白血病の分類にはFAB分類とWHO分類があり、最近では、WHO分類が主とされています。現在では、単純にAML、ALL、CML、CLLに4分されるわけではないので注意が必要です。

なお、慢性白血病は急性白血病が慢性化してなるわけではありません。急性白血病は、未分化な芽球細胞が増殖している状態です。慢性白血病は白血病細胞が分化能を備えている状態です。

また、日本では白血病の急性:慢性の比が約4:1です。欧米では慢性リンパ性白血病が多いのに対して日本では慢性リンパ性白血病はかなり稀ながんです。

 

白血病は何が問題なのか?

白血病では、白血球が増えるイメージがあると思われます。そうすると、何が問題なのかという疑問も生じるのではないでしょうか?以下では主として急性白血病の症状に即して白血病の問題を挙げます。

ひとつには骨髄中の白血病細胞が不死化するという問題があります。正常な細胞では起こるアポトーシスが、がん細胞では起こりません。また、白血病細胞は幼若な血液細胞(芽球)に似ていますが、成熟しません。

こうした白血病細胞が骨髄中に溢れる結果、正常な造血作用が阻害されてしまいます。このため、白血病では、正常な血液細胞が減少してしまうわけです。

正常な白血球が減ってしまう結果、感染症に罹りやすくなり、赤血球が減ってしまう結果倦怠感などが、さらに血小板が減ってしまう結果、出血しやすくなる症状がよく見られます。出血しやすくなる症状としては、歯肉出血、鼻出血、皮下出血などがあります。

白血病細胞は血液中に流出し、さまざまな臓器に浸潤してさらにさまざまな症状を引き起こします。

 

まとめ

前半では、白血病の分類や症状について述べました。後半では白血病の原因や治療法について述べたいと思います。

 

参考文献

  • 押味和夫 監修『WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学』中外医学社、2009年
  • 直江 知樹、他 編『WHO血液腫瘍分類』医薬ジャーナル社、2010年
  • 宮内 潤、泉二 登志子 編『骨髄疾患診断アトラス : 血球形態と骨髄病理』中外医学社、2010年
  • 最新がん統計:[国立がん研究センター がん登録・統計](更新・確認日:2020年07月06日)https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
  • 日本における全がんと白血病による死亡の歴史的・地域的状況    東京都健康安全研究センター年報,64巻,219-225 (2013) http://www.tokyo-eiken.go.jp/sage/sage2012/ (冒頭の白血病分布図もこの文献によるもの)
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