がん免疫療法コラム

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話題の免疫チェックポイント阻害剤、今後のトレンドを追う! Vol.3

2014年には「オプジーボ」が悪性黒色腫に対して適応を取得し、世界に先駆けて上市されました。また、翌年には「ヤーボイ」が同適応で上市されるなど、「がん免疫療法」はこれら免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と呼ばれる薬剤の開発により新たな時代に入りました。今後はこのICIが「がん免疫療法」をけん引していくものと思われますが、具体的にどのような展開が考えられるのかを見ていきたいと思います。

 

■単独使用から併用へ

現在の「がん免疫療法」はオプジーボをはじめとする「免疫チェックポイント阻害薬」を中心に治療が行われ、国内では2018年10月までに抗CTLA-4抗体(ヤーボイ)、抗PD-1抗体(オプジーボなど)および抗PD-L1抗体(イミフィンジなど)の3種類6品目が上市されています。

上市後は様々ながん腫への適応を広げるべく開発が行われていますが、これからは作用メカニズムが異なる薬剤を組み合わせることにより有効性の向上を目指す、併用療法の探索へとシフトしていくと考えられます。実際に2018年8月の時点で、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の併用療法が悪性黒色腫と腎細胞がんの適応で承認を取得しています。

 

■他の抗がん剤との併用

また、従来の抗がん剤にも免疫細胞を活性化する作用があることが明らかになってきています1)。分子標的薬(体内の特定の分子に標的を定め、がん細胞の増殖や転移を抑えようという目的で開発された薬)の中にも免疫システムに作用する薬剤があります。海外ではこれらの薬剤と免疫チェックポイント阻害薬とを組み合わせた併用療法の研究も進められています。

分子標的薬でもリンパ球の増殖を抑制しない種類では、従来の抗がん剤とは異なり、免疫システムにダメージを与えずにがん細胞の増殖にブレーキをかけます。増殖のスピードを遅らせ、そこで免疫療法による攻撃を加えることでがん細胞を退治していくことは理に適っており、両薬剤の併用を検討する価値は高いと思われます。

本年の9月11日には未治療の進行腎細胞癌を対象とした臨床試験において、アベルマブ(抗PD-L1抗体)とアキシチニブ(分子標的薬)の併用療法がスニチニブ(分子標的薬)単剤投与に対し、有意に無増悪生存期間を延長するという結果が示されました2)。また、今年の米国臨床腫瘍学会では非小細胞肺がん、卵巣がんなどに対する初期段階の試験について報告されています。

 

以上のようにICIについては進むべき道が見えてきたようです。薬剤のラインナップが増え、その組み合わせを増やすことで再発や進行度の高いがんに対する新たな治療法の確立に向けて着実に進んでいます。

参考文献

  1. がん免疫.jp, がん免疫療法, 10.他の治療法との組み合わせhttp://www.immunooncology.jp/medical/basic/combination.html
  2. アベルマブとインライタ®の併用療法による未治療の進行腎細胞がんを対象とした第Ⅲ相試験において、無増悪生存期間が有意に改善, プレスリリース2018年度, Pfizer co.jp ホーム https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2018/2018_10_01.html
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