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陽子線治療の副作用とは?がん種別副作用や重粒子線との違いについて解説
陽子線治療は、X線とは異なる「陽子」という粒子を使い、がんのある深さにだけエネルギーを集中させる放射線治療です。
周りの正常な組織への影響を抑えながら、腫瘍を狙ってダメージを与えられるのが特徴です。
日本でも専門施設で導入が進み、前立腺がん・肝臓がん・脳腫瘍・小児がんなどで治療が行われています。
体への負担をできるだけ少なく、確かな効果を目指す新しい選択肢として注目されています。
【がんの治療の選択肢としておすすめしたい「6種複合免疫療法」】
副作用が少なく、他の治療と併用できる!
6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。
治療法は採血と点滴だけの通院治療です。
6種複合免疫療法をおすすめする理由
- がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
- 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
- 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる
がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。
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INDEX
陽子線治療とは

陽子線治療は、がんに対して放射線を照射する治療の一種です。
通常の放射線治療で使用されるX線とは異なり、陽子(水素の原子核)を高速でがんに照射することで、がん細胞を狙い撃ちします。
放射線治療の中でも、体への負担が少なく、がんのある部位に照射を集中できることが特徴です。
そのため、正常な組織をできるだけ守りながら、がんを治療したい場合に適した選択肢として注目されています。
日本でも大学病院や専門施設で導入が進み、肝臓がん、前立腺がん、脳腫瘍、小児がんなど一部のがんで治療が行われています。
副作用が少ないと言われる理由
陽子線治療が「副作用が少ない」と言われる理由は、照射する放射線の性質にあります。
X線は体に入ると入口から出口まで通過し、周囲の正常な細胞にも放射線を与えてしまうという性質があります。
一方で、陽子線は体内の特定の深さでエネルギーを集中させることができ、その位置で最大限の効果を発揮しほとんどのエネルギーを失って止まります。
この「ブラッグピーク(Bragg peak)」と呼ばれる特性によって、皮膚や筋肉などの手前の組織への影響が少なく、がんの周囲や奥にある重要臓器を守りながら照射できるというメリットがあります。
その結果、痛みや倦怠感、皮膚炎、食欲不振などの副作用が抑えられる場合が多く、高齢者や合併症のある方にも適した治療法として検討されることがあります。
重粒子線やX線との違い
陽子線治療は、同じ放射線治療でも「重粒子線」や「X線」とは性質や仕組みが異なります。
以下の表は、それぞれの特徴を比較したものです。
| 治療法 | 放射線の種類 | 特徴 |
| X線治療 | 電磁波 | 広範囲に放射線が届くため、がん以外の組織にも影響しやすい。 |
| 陽子線治療 | 水素などの軽い原子核 | がんの深さに合わせてエネルギーを集中できる(ブラッグピーク)。 |
| 重粒子線治療 | 炭素などの重い原子核 | 陽子線よりも破壊力が強く、治療回数を少なくできる場合がある。 |
陽子線と重粒子線はどちらも「粒子線治療」に分類されますが、陽子線はより体への負担が少なく、幅広いがんへの応用が可能です。
一方で重粒子線はエネルギーが強く、限られた施設で実施される先進的治療とされています。
陽子線治療の副作用

陽子線治療の副作用には、治療中や治療直後に出る「急性期の副作用」と、治療後しばらくして現れる「晩期の副作用」があります。
多くの場合は一時的ですが、まれに長期にわたることもあります。
よくある副作用
陽子線治療でみられる一般的な副作用と、その対応方法は以下の通りです。
| 副作用の種類 | 主な原因 | 対応 |
| 治療期間中や終了直後の倦怠感(だるさ) | 体力の消耗や睡眠リズムの乱れが関係する。 | 十分な休息とバランスの取れた食事で改善する。多くは数週間で回復する。 |
| 照射部位の皮膚の一時的な炎症・軽い日焼けのような状態 | 比較的正常な組織へは影響が少ないが、ゼロではないため。 | 保湿ケアや刺激を避けることで軽快。強い炎症時は医師から外用薬を処方してもらう。 |
| 食欲不振・吐き気 | 胸や腹部への照射でまれに出る。 | 食事を少量ずつ分け、消化の良いものを摂取。症状が強い場合は制吐剤を使用。 |
| 一時的な痛み・違和感 | 照射部位の炎症や神経への刺激が関係する。 | 一過性のことが多く、鎮痛薬で対応可能。 |
これらの副作用は多くの場合、軽度で一時的にとどまり、治療終了後数日〜数週間で回復します。
照射部位ごとの影響
治療部位によって副作用のあらわれ方が少し異なります。
| 照射部位 | 主な症状 | 対応 |
| 乳房(乳がん) | 照射部の皮膚の赤み・乾燥・軽い腫れ。胸の張り感や違和感。 | 皮膚をこすらず、やさしく洗う。保湿を心がける。衣服の擦れに注意。 |
| 肺・縦隔(胸部) | 咳、息苦しさ、軽い放射線性肺炎。 | 症状が続く場合は早めに報告。軽度であれば自然回復することが多い。 |
| 肝臓・腹部 | 倦怠感、食欲不振、軽い肝機能値の上昇。 | 定期的な血液検査で経過を確認。体調に合わせて栄養補給を行う。 |
| 骨や脊椎周囲 | 照射部位の痛みやこわばり。 | 過度な温熱刺激を避け、負担の少ない姿勢を保つ。医師の指導に従う。 |
陽子線は正常な臓器への影響が最小限に抑えられるため、心臓や肺などの重要臓器が近い部位でも比較的安全に治療を行うことが可能です。
陽子線治療実績が多いがん種と副作用

治療効果と副作用のバランスがとれ、陽子線治療の実績が多いのが「前立腺がん」と「肝臓がん」です。
どちらも重要な臓器に近く、従来の放射線治療では副作用のリスクが問題となってきましたが、陽子線治療では正常組織への影響を抑えながら、高精度にがんを狙うことができる点が大きな特徴です。
前立腺がん
前立腺がんは、陽子線治療が特に多く行われている代表的ながん種の一つです。
治療期間はおおむね2か月(週5回・計30〜40回程度)で、進行度やリスク分類に応じてホルモン療法を併用することもあります。
肝臓がん
肝臓は再発しやすく、胃や腸、腎臓などの臓器に囲まれているため、従来の放射線治療では正常な肝組織を傷つけるリスクが高い部位です。
一方、陽子線治療では肝臓内の腫瘍にのみ放射線を集中できるため、肝機能を保ちながら治療が行うことが可能です。
また、大血管の近くや再発部位など手術が難しい部位でも適応されることがあり、切除後や肝動脈化学塞栓療法(TACE)後の再発予防にも用いられることがあります。治療回数は10〜20回程度と比較的少なく、短期間で終了できる点も特徴です。
その他がん種別の陽子線治療効果と副作用

ここでは、近年の臨床研究や一部医療機関で実施されている主要ながん種ごとの陽子線治療の特徴について解説します。
膵臓がん
膵臓がんは、胃や十二指腸、大血管などの重要な臓器に囲まれているため、手術や従来の放射線治療が難しいがんの一つです。
2020年代以降、切除不能な局所進行膵がんに対して化学療法を併用した陽子線治療が日本で一部保険適用となり、標準治療の候補として位置づけられつつあります。ただし、すべての膵臓がんに適用されるわけではなく、一部は研究段階または先進医療として扱われています。
局所進行例では、がんの進行を一時的に抑える効果が報告されており、一部では化学療法(抗がん剤)との併用で生存期間が延びたとする臨床報告もあります。
肺がん
肺がんは呼吸に伴って臓器自体が大きく動くため、照射精度の維持が難しいという課題があります。陽子線治療は、この呼吸による動きを考慮しながら、腫瘍の位置に合わせて高精度に照射できる点が高く評価されています。
特に、手術が難しい高齢者や合併症を抱える早期肺がんの患者さまでは、高い局所制御率が得られたとする報告があります。一方、進行肺がんの場合は、抗がん剤や免疫療法などの全身治療と併用する補助的治療として行われることが一般的です。
乳がん
従来のX線治療では心臓や肺への影響が課題でしたが、陽子線治療ではこれらの臓器への照射を最小限に抑えられる点が大きな利点です。
特に左乳房のがんでは、心臓への放射線被ばくを大幅に減らせることが報告されています。現在は一部の医療機関で臨床研究として実施されていますが、標準治療としてはまだ確立されていません。
大腸がん
大腸がん(特に直腸がん)は、膀胱や小腸などの臓器が近接しているため、通常の放射線治療では副作用が出やすい部位です。現時点で陽子線治療は主要な治療法として確立しておらず、臨床研究の段階にあります。
切除が難しい再発例や骨盤内再発の症例では、疼痛の緩和や腫瘍の縮小を目的として実施されることがあります。一方、放射線に抵抗性を示すがんでは、重粒子線治療のほうが効果的とされる場合もあります。
陽子線治療前に確認したい保険適用

陽子線治療は、他の治療法に比べて設備やコストが高く、すべてのがんに保険が適用されるわけではありません。治療を検討する際は、「どのがんが保険適用になっているか」「自由診療の場合の費用はいくらか」など、事前に確認しておくことが大切です。
公的保険が適用される条件
2025年現在、陽子線治療は特定のがんに限って公的医療保険の対象となっています。保険適用の可否は、がんの種類・進行度・治療目的(根治・再発抑制など)によって決まります。
主な保険適用例は以下の通りです。
| がん種 | 保険適用の対象 |
| 小児がん | すべての小児がん(15歳未満) |
| 前立腺がん | 限局性(周囲に転移がない) |
| 頭頸部がん(再発除く) | 手術困難・放射線感受性があるもの |
| 骨・軟部腫瘍 | 手術が難しい部位に発生した場合 |
これらのがんについては、通常の医療費負担(3割など)で陽子線治療を受けることができます。ただし、医療機関によっては症例ごとに審査・適応判定が必要な場合もあります。
自由診療の場合の費用目安と注意点
公的保険が適用されないがん種では、自由診療(全額自己負担)として陽子線治療を受けることになります。費用は医療機関や治療回数によって異なりますが、おおむね以下のような目安です。
| 項目 | おおよその費用目安(税込) |
| 陽子線治療(全体) | 約250万〜350万円前後 |
| 重粒子線治療(比較) | 約300万〜400万円前後 |
| 初診・検査・シミュレーション費用 | 数万〜10万円程度 |
費用は高額ですが、医療費控除の対象となるほか、以下のような支援制度を活用できる場合があります。
- 先進医療特約(民間保険)
- 高額療養費制度
- 医療費控除
医療機関ごとに治療方針や費用体系が異なるため、複数の医療機関で説明を受け、比較検討することが望ましいです。また保険適用外であっても、症例登録制度(臨床研究)に参加できる場合があるため、主治医に確認しましょう。
陽子線治療と免疫療法
がん治療はこれまで「手術」「抗がん剤」「放射線治療」の3つが中心でしたが、近年では「免疫療法」と「陽子線治療」という体への負担を抑えた新しい選択肢が注目されています。
どちらも「がんを狙い撃つ」「体の回復力を活かす」という共通点があり、近年はこれらを併用する治療にも期待が高まっています。
| 陽子線治療 | 免疫療法 | |
| 治療の仕組み | 陽子線(放射線)をがんに集中照射し、がん細胞のDNAを破壊する。 | 免疫細胞の働きを強化し、体の中からがんを攻撃する。 |
| 治療の目的 | 局所的にがんを小さくする・取り除く。 | 体全体の免疫バランスを整え、再発や転移を防ぐ。 |
| 対象 | 限られた範囲に存在するがん(局所治療)。 | 全身的な広がりをもつがんにも対応。 |
| 特徴 | 副作用が比較的少なく、臓器を温存しながら治療できる。 | 薬や細胞を使って「自分の免疫力」を高める。 |
つまり、陽子線治療は「現在そこにあるがん」を正確に照射して治療する方法であり、一方の免疫療法は「体全体の防御力」を高めることで再発や転移を防ぐ方法と言えます。
6種複合免疫療法
6種複合免疫療法は、単一の細胞だけでなく、役割の異なる6種類の免疫細胞を組み合わせて活性化させる多角的な免疫療法です。
T細胞だけでなく、NK細胞や樹状細胞など、がんを攻撃するさまざまな細胞を同時に強化し、がんに対する総合的な免疫反応を高めます。
使用される免疫細胞は以下の通りです。
| 細胞の種類 | 主な働き |
| NK細胞 | がんを見つけ次第、退治する |
| 樹状細胞 | 敵(がん)の情報を入手し、攻撃目標を伝達 |
| キラーT細胞 | 指令に忠実に働く |
| NKT細胞 | 自らも闘う、がん治療の究極の助っ人 |
| γδT細胞 | 抗腫瘍作用でがんを退治する |
| ヘルパーT細胞 | 免疫の司令塔となる |
このように、複数の免疫細胞で全体を底上げするアプローチは、単一の細胞(T細胞のみ)を増やす療法と比べ、がんの多様な性質に対応できる可能性があります。
副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。
①副作用が少なく、体への負担が小さい
患者さま自身の免疫細胞を利用するため、抗がん剤のような強い副作用はほとんどありません。他の治療で継続が難しいと判断された場合でも、治療を続けられる可能性があります。
②がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応
外科手術・化学療法・放射線治療と組み合わせることができ、一部の血液がん(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/悪性リンパ腫)を除き、ほぼすべてのがんに適応可能です。
さらに、手術後に残ったがん細胞の抑制や、再発・転移の予防にも効果が期待できます。
③入院の必要なし。採血と点滴だけの通院治療
入院を必要とせず、採血と点滴で進められるため、患者さまの生活リズムを大きく変えることなく治療を受けられます。
6種複合免疫療法の治療効果
以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。



A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。
また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。
以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

詳細は以下よりお問い合わせください。
FAQ

ここでは、陽子線治療について、患者さまやご家族からよく寄せられる質問にお答えします。
Q:重粒子線治療と迷っています。どちらがおすすめですか?
どちらも「体への負担を減らしながら、がんを正確に治療できる」先進的な放射線治療です。ただし、がんの種類・位置・目的によって向いている治療が異なります。
| 陽子線治療 | 重粒子線治療 | |
| 放射線の種類 | 水素などの原子核(軽い粒子) | 炭素などの原子核(重い粒子) |
| 特徴 | 周囲の正常組織への影響を抑えやすく、幅広いがんに対応。 | 陽子線よりも破壊力が強く、照射回数を減らせる場合がある。 |
| 体への負担 | 身体的負担・副作用が少なく、高齢者や合併症がある方でも選択しやすい。 | 効果が高い反面、照射範囲の設定にはより慎重さが求められる。 |
| 実施施設数(2025年現在) | 国内で20施設以上 | 10施設前後 |
| 主な適応例 | 前立腺がん、小児がん、頭頸部がんなど | 骨・軟部腫瘍、局所進行がん、放射線抵抗性のがんなど |
陽子線治療は、「臓器を守りながらがんを治療したい」方に適しており、重粒子線治療は、「がん細胞をより強力に攻撃したい」場合に有効とされています。
最終的な判断は、放射線治療専門医が画像や病状をもとに総合的に判定します。迷った場合は、両方の施設で説明(セカンドオピニオン)を受けて比較するのが良いでしょう。
Q:陽子線治療はすべてのがんに適用できますか?
すべてのがんに適用できるわけではありません。
陽子線治療は、がんの部位や広がり、臓器の動きによって効果や安全性が変わるため、適応が限られています。
主に陽子線治療が行われているがんは以下の通りです。
- 小児がん
- 前立腺がん
- 頭頸部がん(眼・鼻・咽頭など)
- 肝臓がん
- 肺がん(早期・限局性)
- 一部の再発がん(再照射が可能な場合) など
また、以下のがん種は現在臨床研究段階です。
- 乳がん
- 膵臓がん
- 大腸がん・直腸がん
- 婦人科がん など
これらは、十分な治療データが蓄積されていないため、臨床試験や自由診療として行われることが多いのが現状です。また、全身に転移がある場合や、がんが広範囲に及ぶ場合は、抗がん剤や免疫療法などの全身治療が優先されることがあります。
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