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膵臓がんにおける免疫療法の治療実績とは?リンパ節転移や血行性転移についても解説

免疫療法は、患者さま自身の免疫力を活性化させ、がん細胞に働きかける治療法であり、進行がんや転移がある場合にも一定の効果が期待されています。

それは膵臓がんにおいても同様です。

免疫療法の中でも「6種複合免疫療法」は、複数の免疫細胞を組み合わせて活用することで、治療効果を高める方法として注目されています。

今回の記事では、膵臓がんにおける免疫療法の基礎知識や具体的な治療法最新の研究動向についてわかりやすく解説します。

進行の早い膵臓がんに立ち向かうための新たな選択肢を一緒に見ていきましょう。

膵臓がんにおける免疫療法

膵臓がん 免疫療法

免疫療法は、患者さま自身の免疫力を活用した治療法です。

免疫システムを強化し、がん細胞を標的とすることで、従来の治療法とは異なるアプローチでがんの進行を抑えることが期待されます。

そして免疫療法は、膵臓がんに対しても同様で、その中でも特に注目されているのが、6種複合免疫療法です。

6種複合免疫療法

6種複合免疫療法は、複数種類の免疫細胞を同時に活性化・増殖し、がん細胞を攻撃する治療法です。

6種類の免疫細胞は以下のとおりです。

  • 樹状細胞:がん細胞を認識し、他の免疫細胞に攻撃の指令を送る。
  • NK細胞:がん細胞を直接攻撃し、破壊する役割を担う。
  • NKT細胞:NK細胞とT細胞の特性を併せ持ち、免疫環境を調整して攻撃力を高める。
  • キラーT細胞:特異的にがん細胞を攻撃・破壊する。
  • ヘルパーT細胞:免疫システム全体を調整し、他の細胞の働きをサポートする。
  • ガンマデルタT細胞:多様ながん細胞に対応し、幅広い攻撃を行う。

これらの免疫細胞が相互に作用することで、免疫システムを全体的に強化し、がんの進行を抑制します。

6種複合免疫療法は、がんの進行度や患者の体調に応じた治療計画が立てられるため、オーダーメイドの治療として注目されています。

6種複合免疫療法は患者さま自身の細胞を使用するため副作用が少なく、化学療法や放射線療法などの標準的な治療と組み合わせることで治療効果を向上させることができます。

副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。

①がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する

がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能で、一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

②副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である

患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。

そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。

また、費用は治療ごとでのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。

③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

6種複合免疫療法は、採血によって取り出した免疫細胞を培養し、活性化させた後点滴で体内に戻すという治療法です。方法は、採血と点滴だけの通院治療です。

そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

 

6種複合免疫療法・判定基準

6種複合免疫療法・進行抑制率

6種複合免疫療法・進行抑制率

A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

6種複合免疫療法・対応がん種

これが当研究所がご提供できる「可能性」です。

詳細は以下よりお問い合わせください。

その他の免疫療法

他にもさまざまな免疫療法が研究されており、膵臓がん特有の課題を克服する可能性を秘めています。

免疫細胞療法

免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫細胞を利用してがん細胞を攻撃する治療法です。

具体的には、患者さまから採取したリンパ球や単球を体外で活性化または増幅させた後、体内に戻し、がん細胞に対する攻撃力を高めます。

膵臓がんにおいては、次の2つの方法が注目されています。

  • 活性化Tリンパ球療法:患者さまから採取したリンパ球をインターロイキンなどの因子を用いて活性化させ、膵臓がん細胞を直接攻撃することを目指します。
  • 樹状細胞ワクチン療法:がん細胞由来の抗原を樹状細胞に提示させることで、がん細胞を特異的に標的とする免疫応答を誘導します。

これらの療法には、免疫系が本来持つ自然な防御機能を強化するという共通の特徴があります。

また、化学療法や放射線療法との併用により治療効果のさらなる向上が期待されています。

免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫系の攻撃を回避するメカニズムを解除し、免疫細胞によるがん細胞の攻撃を促進する治療法です。

本来、免疫チェックポイントは免疫応答を適切に制御するための仕組みですが、がん細胞はこれを利用して免疫細胞からの攻撃を回避します。

代表的な薬剤として、PD-1/PD-L1およびCTLA-4が挙げられます。

  • PD-1/PD-L1阻害剤:PD-L1という分子を発現することでがん細胞が免疫細胞の攻撃を抑制する作用を阻害し、T細胞の活性を回復させます。
  • CTLA-4阻害剤:T細胞の活性化を抑えるシグナルを遮断することで、免疫系の反応を強化します。

膵臓がんにおいて、免疫チェックポイント阻害剤の有効性は現在のところ限定的とされています。

しかし、特定の遺伝子変異(MSI-HやdMMR)を持つ患者さまでは効果が期待される場合があります。

また、これらの薬剤を化学療法や他の免疫療法と組み合わせることで、膵臓がんを克服する試みが進められています。

分子標的薬

分子標的薬は、がん細胞が持つ特定の分子やシグナル経路を狙い撃ちにする治療法です。

従来の化学療法とは異なり、正常細胞への影響を最小限に抑えながら、がん細胞を攻撃することを目的としています。

このアプローチは、膵臓がん治療における新たな選択肢として注目されています。

膵臓がんで使用される代表的な分子標的薬には以下のものがあります。

  • EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤:がん細胞の増殖を抑制し、腫瘍の進行を遅らせる効果があります。例えば、EGFR阻害剤のエルロチニブは、化学療法薬のゲムシタビンと併用することで、一部の膵臓がん患者さまに有効性が示されています。
  • 血管新生阻害剤:がん細胞が増殖するために必要な血管の形成を阻害し、腫瘍の成長を抑制します。

さらに、がん細胞特有の遺伝子変異や分子を標的とした新しい薬剤の研究も進行中です。

  • PARP阻害剤:BRCA遺伝子変異を持つ患者さまに対して効果を発揮します。
  • KRAS変異を標的とする治療薬:膵臓がんで頻繁に見られるKRAS変異を標的にした新しい治療法として期待されています。

分子標的薬は、膵臓がん治療における個別化医療を進展させる可能性を秘めており、今後も研究と臨床試験の成果が期待される分野です。

膵臓がんの免疫療法以外の治療法

膵臓がんは免疫療法以外にも多様な治療法が検討されています。

ここでは、膵臓がんの免疫療法以外の治療法について、その特徴や最新の進展を解説します。

手術療法

手術の対象となるのは、がんが膵臓内にとどまり、周囲の臓器や血管に広がっていない場合、また転移がない場合です。

膵臓がんの手術には以下の方法があります。

  • 膵頭十二指腸切除術:膵頭部に発生したがんに対して行われる手術で、膵臓の一部とともに十二指腸、胆管、胆のうなどの周囲の臓器を切除します。最も一般的な手術方法です。
  • 膵体尾部切除術:膵体部や膵尾部に発生したがんに適用されます。
  • 全膵切除術:膵臓全体を切除する手術で、特定の症例に限り行われます。

手術の効果を高めるために、術前や術後に化学療法や放射線療法を組み合わせる「集学的治療」が行われることもあります。このアプローチにより、がんの縮小や再発リスクの低下が期待されます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を破壊する治療法で、膵臓がん治療にも重要な役割を果たします。特に、手術が難しい症例や他の治療法と併用する場合に用いられることが多いです。

膵臓がんでは、体外から腫瘍に放射線を照射する外部照射法が主に使用されます。この方法は、がん細胞のDNAを損傷させることで細胞分裂を抑制し、腫瘍の縮小や進行の遅延を図ります。また、痛みや黄疸などの症状を緩和するための緩和療法としても利用されます。

近年では以下のような高度な技術が進歩しています。

  • 強度変調放射線治療(IMRT):放射線を腫瘍に正確に集中させ、周囲の正常組織への影響を最小限に抑える治療法。
  • 定位放射線治療(SBRT):少ない回数で高い線量を腫瘍に集中させる治療法で、短期間で効果を得ることを目指します。

これらの技術により、副作用を軽減しつつ治療効果を高めることが可能になっています。また、化学療法との併用による相乗効果も期待されています。

化学療法

化学療法は、抗がん剤を使用してがん細胞の増殖や分裂を抑制する治療法で、膵臓がんの主要な治療選択肢の一つです。

特に、手術が難しい進行がんや再発がんに用いられ、がんの進行を遅らせたり症状を緩和したりすることを目的としています。

膵臓がんで使用される主な抗がん剤には以下があります。

  • ゲムシタビン
  • フルオロウラシル(5-FU)

これらは単剤で使用されることもありますが、治療効果を高めるために複数の抗がん剤を組み合わせた併用療法が一般的です。

代表的な併用療法として次のようなものがあります。

  • FOLFIRINOX療法:フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン、レボホリナートカルシウムの併用。
  • ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法:高い治療効果が示されています。

化学療法の副作用には、吐き気、倦怠感、白血球減少などがありますが、支持療法の進歩により、これらの症状を軽減できるようになっています。

また、術後補助療法としても用いられ、再発リスクの低減に寄与します。

膵臓がんはリンパ節転移しやすい?

リンパ節転移

膵臓がんは進行が速く、早い段階でリンパ節や他の臓器に転移しやすい特徴を持っています。

膵臓が体内の深部に位置し、腫瘍が小さいうちは症状が現れにくいため、発見時にはリンパ節や周囲の血管に浸潤していることが多く見られます。

特に腹腔リンパ節や傍大動脈リンパ節は、転移の影響を受けやすい部位です。

リンパ節転移は治療計画や予後に大きく影響します。

転移が進んでいる場合、化学療法や放射線療法を中心とした治療が検討されます。

また、リンパ節転移はがんの進行度(ステージ)を決定する重要な要素であり、治療方針や患者さまの生活の質(QOL)にも直接関わります。

膵臓がんの血行性転移

血行性転移

膵臓がんは血行性転移を起こしやすいがんとして知られています。

血行性転移とは、がん細胞が血液の流れを通じて他の臓器へ広がる現象で、膵臓がんでは肝臓、肺、骨が主な転移先です。

特に、膵臓からの血液が直接流れ込む肝臓は、最も頻繁に転移が見られる部位です。

膵臓がんの進行が速いことや、腫瘍が大きくなるにつれて血管への浸潤が増えることが、血行性転移のリスクを高めています。

転移が進行すると治療の選択肢が限られ、患者さまの予後に大きな影響を与えます。

治療には化学療法が中心となりますが、症状の緩和や生活の質の向上を目指す緩和ケアも重要な役割を果たします。

膵臓がんの腹膜転移

膵臓がんは、腹膜転移を引き起こしやすいがんの一つです。

腹膜転移とは、がん細胞が腹腔内に広がり、腹膜や腹腔内臓器の表面に浸潤する状態を指します。

膵臓がんが進行すると、腫瘍から剥がれたがん細胞が腹腔内に拡散し、腹膜や腸管、腹壁に付着して増殖することが原因です。

腹膜転移が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 腹水の貯留:がん細胞が分泌する物質やリンパ管閉塞により発生し、呼吸困難や栄養吸収の障害を引き起こす場合があります。
  • 腸閉塞:腸管にがん細胞が付着し、消化管の通過が妨げられることで発生します。

治療の基本は化学療法による全身管理ですが、腹水の除去や栄養補助を目的とした対症療法も重要です。

膵臓がんと6種複合免疫療法

免疫療法はさまざまな治療法の中でも特に注目されている選択肢の一つです。

膵臓がんでも例外ではありません。

免疫療法は、患者自身の免疫力を活性化し、がん細胞を攻撃する治療法で、従来の治療法と組み合わせて効果を高めることができます。

特に「6種複合免疫療法」は、複数種類の免疫細胞を同時に活性化・増殖し、がん細胞を攻撃することで進行を抑え、患者の体力を維持しながら治療効果を上げる方法として注目されています。

副作用が少なく、入院の必要もないため、生活リズムを変えることなく治療することができます。

同仁がん免疫研究所では、6種複合免疫療法について専任のスタッフがわかりやすく丁寧に対応いたします。資料請求またはお電話で、まずはお気軽にご相談ください。

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