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卵巣がんで余命宣告を受けたら? 直面する課題と検討できる治療法・ケアについて解説

がんになることは、身体的にも精神的にも大きなダメージを受けます。「病気であることを受け入れられない」という方も少なくありません。

今回は、卵巣がんで余命宣告を受けた場合の対処法を紹介します。卵巣がん患者さんや親族の方に向けて、卵巣がんで余命宣告を受けた場合に直面する課題と検討できる治療法・ケアについて解説します。

ぜひ参考にご覧ください。

卵巣がんは早期発見が難しいがん


卵巣がんは、初期症状が表れにくく早期発見が難しいがんとされています。

卵巣がんとは、卵巣に発生する悪性腫瘍のことです。悪性と良性の中間的な性質をもつ「境界悪性腫瘍」も存在します。罹患率は40代から増加し、50代と60代が特に多いです。

また、卵巣がんは、大きく以下の種類に分けられます。

上皮性腫瘍 上皮に生じるがん。
胚細胞腫瘍 卵子のもとになる胚細胞に生じるがん。
性索間質性腫瘍 性ホルモンをつくる性索細胞に生じるがん。

※「卵巣 が ん 進行 スピード」への内部リンクを設置し、卵巣がんの種類や性質についての詳細を知りたい方についてはそちらに誘導させてください”

卵巣がんの症状

次に、卵巣がんの症状を紹介します。以下のような症状がある場合は、早めに病院を受診することを推奨します。

  • 頻尿や便秘
  • 不正出血
  • おりものの量の増加
  • 下腹部にしこりのような違和感
  • 腹部膨満感
  • 足のむくみ

など。

卵巣がんさらに進行すると腹水によって、おなかが大きく前に突き出てくることもあります。

卵巣がんのステージ別の5年生存率


次に、卵巣がんのステージ別の5年生存率(ネット・サバイバル)を紹介します。

がん治療における5年生存率とは「手術5年後に生存しているかどうか」の指標であり、完治しているかどうかを評価する指標ではありません。卵巣がんの5年生存率(ネット・サバイバル)は以下の通りです。

病気 対象数 集計対象

施設数

平均年齢 実測生存率 ネット・サバイバル
全体 10,021 372 58.0歳 63.1% 64.5%
Ⅰ期 4,686 372 54.2歳 88.7% 90.6%
Ⅱ期 905 302 58.2歳 74.9% 76.6%
Ⅲ期 2,860 356 60.0歳 45.1% 46.2%
Ⅳ期 1,270 369 64.0歳 27.1% 27.8%

(参考:がん情報サービス 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム

※「卵巣 が ん 進行 スピード」への内部リンクを設置し、卵巣がんのステージの詳細についてはそちらに誘導させる”

余命宣告を受けたときに直面する課題


続いては、余命宣告を受けたときに直面する課題について解説します。

卵巣がんは早期の発見が難しく、発覚したときにはステージが進んでおり医師から余命宣告を受けるケースもあります。余命宣告を受けた場合、以下のような課題に直面することが多いでしょう。余命宣告直後は、ショックや不安、悲しみ、いらだちなどさまざまなストレスを受けます。

また、気力がなくなり思考力が低下したり眠れなくなったりする場合もあります。余命宣告を受けて2〜3週間後には、少しずつ具体的なことを考えられたり気持ちが落ち着いてきたりします。

余命宣告を受けたときの対処法では、患者さんの家族や親しい方からの精神的なサポートが非常に大切になります。患者さんの家族や親しい方は、患者の方に常に寄り添う姿勢を取ることが大切です。親しい方の他に、医師や家族、友人の他にも、臨床心理士、ソーシャルワーカーなどに相談するのもよいでしょう。

なお、余命宣告は完全に正確ではないことを知っておくことも重要です。告げられた余命ぴったりに亡くなる方はいません。

余命宣告はあくまでも推測であり、余命より長く生きる方もいれば、余命より早めに亡くなってしまう方もいます。

卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法


次に、卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法を紹介します。

ステージが進行して余命宣告を受けたとしても、治療法はあります。自身の希望やがんのステージや状況、体調などに応じて治療法を医師と検討していくことが大切です。

手術療法

卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法1つ目は、手術療法です。

初回腫瘍減量手術・進行期決定手術によってステージが分かり、体内に残ったがんの直径が1cm以上だった場合には、薬物療法による治療を受けながら「中間腫瘍減量手術」を受けるケースがあります。

また全身状態などにより、初回腫瘍減量手術・進行期決定手術が十分に行えないと判断された場合、薬物療法の後に中間腫瘍減量手術を行うこともあります。

手術療法の主な合併症

手術療法で起こり得る主な合併症を紹介します。

腸閉塞やリンパ嚢胞、リンパ浮腫などの合併症が起こることがあります。また、卵巣欠落症状と呼ばれる更年期のような症状が起こるケースもあります。

薬物療法

卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法2つ目は、薬物療法です。基本的に進行した卵巣がんは薬物療法を受けるケースが多いです。薬物療法には、主に以下の3つの治療法があります。

術後薬物療法 術後薬物療法は、手術の効果を高めることを目的として検討されます。卵巣がんでは、微小管阻害薬と白金製剤を使うことが多いです。微小管阻害薬と白金製剤は、細胞の増殖の仕組みに着目した治療薬です。仕組みの一部を邪魔することでがん細胞を攻撃する細胞障害性抗がん薬です。手術進行期がⅢ期・Ⅳ期の場合には、分子標的薬も使うことがあります。分子標的薬は、がんを攻撃する免疫に関わるタンパク質などを標的にしてがんを攻撃する薬です。
術前薬物療法 初回腫瘍減量手術・進行期決定手術でがんを取りきることが難しいと予測される場合には、術前薬物療法が検討されます。術前に薬物療法を行い、がんを小さくしてから完全に取りきることを目指します。使用する薬の種類は術後薬物療法と同様に検討します。
維持療法 維持療法は、生存期間を長くすることを目的とした治療です。薬物療法を行うことがあります。手術によって寛解した場合にも分子標的薬による治療を続けることを検討します。術後薬物療法で、TC療法にベバシズマブを追加した治療を行います。

薬物療法の主な副作用

細胞障害性抗がん薬の主な副作用は以下の通りです。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 白血球減少
  • 血小板減少、
  • 貧血
  • 口内炎、
  • 脱毛
  • 末梢神経障害

など。

分子標的薬の主な副作用は以下の通りです。

  • 出血
  • 高血圧
  • タンパク尿
  • 手足のしびれ
  • 筋肉の痛み
  • 疲労、倦怠感
  • 食欲不
  • 吐き気
  • 口内炎
  • 脱毛

など。

その他に検討できる卵巣がんの治療法・ケア


手術療法や薬物療法以外にも、余命宣告を受けた後でも検討できる卵巣がんの治療法や痛みの緩和方法があります。余命宣告はあくまで標準治療の結果を基にした推測値であることが多く、その他の治療によって余命の考え方が変わる可能性があります。

医師が余命宣告を行うことは、「治療を投げ出してしまう」という意図ではありません。余命宣告されるタイミングは標準治療でがんを治療できなかった時が最も多く、医療者は今後の生活の計画を立てる手助けを行います。

免疫療法

卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法3つ目は、免疫療法です。

免疫療法とは、免疫の力を利用した治療法です。免疫療法には、主に免疫チェックポイント阻害薬による治療法と免疫細胞療法の2つがあります。免疫チェックポイント阻害薬による治療法と免疫細胞療法について、次章以降で詳しく解説します。

免疫チェックポイント阻害薬による治療法

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つための薬剤です。免疫チェックポイント阻害薬を活用することで、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぐことができます。卵巣がんの治療法として、免疫チェックポイント阻害薬「抗PD-1抗体(ニボルマブ)」などの研究開発が行われています。

免疫細胞療法

免疫細胞療法では、免疫細胞を増やし活性化させることにより、がんに攻撃を仕掛けていきます。がんの種類やステージを問わず受けられ、末期がんであっても受けられます。他の治療法と組み合わせて治療ができ、再発・転移予防にもなります。重篤な副作用は少ないですが、軽い発熱、発疹などが出る可能性はあります。

免疫細胞療法と一口にいっても、さまざまな治療法があります。今回は、いくつかの免疫細胞療法をピックアップして概要を紹介します。

樹状細胞ワクチン療法 樹状細胞ワクチンは、樹状細胞の力を利用してがん細胞を狙って攻撃する免疫細胞であるキラーT細胞を増殖させる治療方法として知られています。キラーT細胞を増殖させることで、体内でがん細胞を狙い撃ちして、効率よく治療を進められます。
NK細胞療法 免疫細胞のNK細胞には、がん細胞を直接攻撃し破壊するという能力があります。がん細胞は、免疫の度重なる攻撃を避け増殖した細胞であり、免疫に対して強い抵抗力を持っているため

通常の免疫の力では対抗することができませんが、免疫細胞を人為的に増強することで免疫に対抗することが可能になります。

6種複合免疫療法 6種複合免疫療法は、体の中にある免疫細胞を一度体外へ取り出して、活性・増殖させて体内へ戻して行います。それぞれ役割が異なる6種類の免疫細胞を1つのチームとして考えることで、より高い効果が期待できます。

緩和ケア・支持療法

卵巣がんで余命宣告を受けた場合の治療法4つ目は、緩和ケア・支持療法です。

緩和ケアとは、患者の方の体のつらさや精神的なつらさをやわらげるためのケアのことです。がんと診察されたタイミングから、いつでも受けられます。通院や入院、在宅療養などさまざまな方法で受けられますので、柔軟に取り入れることができます。

がんになると、患者さんはもちろん家族も大きなショックを受けます。家族も緩和ケアを受けられますので、ぜひ医療者に相談してみてください。支持療法とは、がんそのものによる症状やがんの治療に伴う合併症や副作用などの症状を軽減するための予防やケアのことです。

まとめ


今回は、卵巣がんで余命宣告を受けた際の対処法について解説しました。

卵巣がんで余命宣告を受けた場合に直面する課題は、精神的な不安定さです。検討できる治療法やケアの中に、精神的な辛さを緩和できる方法もありますので、ぜひ衣装者に相談しながら取り入れてみてはいかがでしょうか。

同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。
同仁がん免疫研究所では、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。
細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法に関する詳細は、こちらよりご確認ください。

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