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メラノーマとは? ほくろとの見分け方やメラノーマの種類、治療方法などについて解説
みなさんは「メラノーマ」についてご存知ですか?メラノーマとは、悪性黒色腫のことです。がんの一種であり、ほくろと見間違われることも多くあります。今回は、そんなメラノーマについて紹介します。
メラノーマを患っている方やその家族の方に向けて情報をまとめましたので、ぜひ参考にご覧ください。
INDEX
メラノーマ(悪性黒色腫)とは?
メラノーマは、悪性黒色腫のことでがんの一種です。皮膚のメラニン色素を作るメラノサイトという色素細胞ががん化した悪性腫瘍のことを言います。日本人では10 万人あたり1〜2人程度で発症する、希少がんと言われています。
日本人で発症しやすいのは足の裏で、その他にも顔や体幹にできることもあります。メラノーマは進行スピードが早く、手術などで除去しても早い時期に再発・転移する可能性があるがんです。そのため、早期発見・早期治療が重要です。
ほくろとの見分け方
続いては、メラノーマとほくろとの見分け方を紹介します。
メラノーマは一見ほくろのように見えます。ただほくろは良性腫瘍ですが、メラノーマは悪性腫瘍なので見極めが大切です。
メラノーマの見分け方は以下の通りです。
- 非対称で不規則な形
- 病変境界の不明瞭さ
- 色調に濃淡差がある
- ほくろよりもやや大きい(6mm以上など)
- 表面が隆起している
- 色調が混在している
- 急にほくろができた、数ヶ月で急に大きくなってきた
これらの特徴がある場合には、早期に医療機関を受診しましょう。
粘膜・眼部に発生することも
メラノーマは足の裏だけでなく、まれに粘膜・眼部に発生することもあります。皮膚だけに限って発生するわけではありませんので、注意が必要です。
メラノーマは、鼻腔・副鼻腔などの頭頸部粘膜や食道・直腸などの消化管粘膜、尿道・膣などの尿路生殖器、眼瞼結膜、脈絡膜などにも生じる可能性があります。
メラノーマの発症年齢の目安
次に、メラノーマの発症年齢の目安を紹介します。
メラノーマは30〜50歳代と60〜70歳代で発症するケースが多いと言われています。他の皮膚がんは高齢者の発症が多い傾向にありますが、メラノーマは比較的若い年代の人でもなりやすいという特徴があります。若いからと言って油断せずに、異変を感じたら早期に医療機関を受診しましょう。
メラノーマの種類
続いては、メラノーマの種類を紹介します。
メラノーマの形は、できやすい部位によって大きく4つに分けられます。それぞれのメラノーマについて治療法には大きな差はありません。4つの特徴を見ていきましょう。
結節型
メラノーマの種類1つ目は、結節型です。
結節型のメラノーマは、固く盛り上がった塊が大きくなっていくタイプです。40〜50歳代の発症が多いと言われており、全身のどこにでも発症するという特徴があります。
表在拡大型
メラノーマの種類2つ目は、表在拡大型です。表在拡大型のメラノーマは、平たく広がったタイプです。さまざまな年代でどこにでも発症するという特徴があります。
悪性黒子型
メラノーマの種類の3つ目は、悪性黒子型です。悪性黒子型のメラノーマは、不規則な形で徐々に拡大していくタイプです。中央が膨らんでくるという特徴があり、高齢の方の顔に発症するケースが多いと言われています。
末端黒子型
メラノーマの種類4つ目は、末端黒子型です。
末端黒子型のメラノーマは、シミの中央に盛り上がった塊ができるタイプです。足の裏や手足の爪に発症します。また、40〜50歳代で発症することが多いと言われています。
メラノーマのステージ分類
続いては、メラノーマのステージ分類を紹介します。メラノーマは厚さ、潰瘍の有無、リンパ節や他の臓器への転移などによってステージ(進行度)が分けられます。各ステージについて紹介します。
ⅠA期 | 腫瘍の厚さが0.8mm未満で潰瘍なし |
ⅠB期 | 腫瘍の厚さが0.8mm未満で潰瘍あり・潰瘍にありなし問わず腫瘍の厚さが0.8mm以上1mm以下・がんの厚さが1mmを超え2mm以下で潰瘍なし |
ⅡA期 | 腫瘍の厚さが1mmを超え2mm以下で潰瘍あり・腫瘍の厚さが2mmを超え4mm以下で潰瘍なし |
ⅡB期 | がんの厚さが2mmを超え4mm以下で潰瘍あり・がんの厚さが4mmを超えていて潰瘍なし |
ⅡC期 | がんの厚さが4mmを超えていて潰瘍あり |
Ⅲ期 | 腫瘍の厚さに関わらずリンパ節や周囲の皮膚・皮下への転移がある |
Ⅳ期 | 腫瘍の厚さに関わらず他の臓器に転移がある |
メラノーマの治療方法
次に、メラノーマの治療方法について解説します。
手術療法で病変を除去するのが一般的
メラノーマの治療方法は、主に手術療法で病変を取り切ることが一般的です。手術療法では、病変から5mmから2cm離して切除します。また、リンパ節転移への転移があった場合には、リンパ節郭清を行います。
免疫チェックポイント阻害薬を使用することも
メラノーマの治療方法として、免疫チェックポイント阻害薬を使用することもあります。メラノーマの手術が難しい場合や、再発予防をする場合には、免疫チェックポイント阻害薬を使用するケースもあるとのこと。その他の分子標的薬(BRAF阻害薬)を使用する場合もあります。
免疫チェックポイント阻害薬とは、免疫細胞であるT細胞ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぐ効果があります。免疫チェックポイント阻害薬は、保険診療で受けられる治療法です。日本において現在、メラノーマに対する適応がある免疫チェックポイント阻害薬は以下のとおりです。
- 抗PD-1抗体
- 抗CTLA-4抗体
※こちらの情報が2023年10月時点の情報です。
放射線療法を組み合わせることでより高い効果を目指せる
従来、メラノーマは放射線治療が効きにくいとされていましたが、近年では免疫チェックポイント阻害薬と併用することでより高い効果を目指せるとされています。また、メラノーマが脳や骨に転移している場合は、放射線治療を受けることもあるそうです。
免疫細胞療法によって進行を抑えられたケースも
メラノーマの治療方法として、免疫細胞療法を組み合わせた治療を受けることによってメラノーマの進行を抑えられたケースもあるそうです。
免疫細胞療法は、患者の方の免疫細胞を採血で体外に取り出し、培養によってがんへの攻撃力を高めて体内に戻す治療法です。免疫細胞療法は、がんの種類やステージを問わず行えるという特徴があります。他のがんの治療法と併用することで相乗効果を得られます。ただし、一部のエフェクターT細胞療法以外は自由診療として行われることを認識しておくことが大切です。
主な免疫細胞療法について次章以降で紹介します。
樹状細胞ワクチン療法
主な免疫細胞療法として、樹状細胞ワクチン療法が知られています。
樹状細胞は、がんの目印を最初に確認して特徴を免疫細胞であるリンパ球に伝える役割を担っています。樹状細胞ワクチン療法では、樹状細胞のもととなる単球を培養・活性化させることで、がん細胞にアプローチします。樹状細胞ワクチン療法は、副作用が少なく転移しているがんにも効果が期待できます。
また、樹状細胞が長期間体の中を循環することも特徴の一つです。ただし、樹状細胞ワクチン療法もごくまれに副作用として一過性の発熱や注射部位の発赤などが見られることもあるので、注意が必要です。
エフェクターT細胞療法
エフェクターT細胞療法は、治療を受ける方の免疫細胞を抽出し、がん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れて増殖し、体内に戻す治療法です。がん細胞への攻撃力を高める効果が期待できます。
CAR-T療法は、白血球の一種であるT細胞を改変して投与する治療法です。自己免疫システムを利用してがんを攻撃する効果が期待できるそうです。
NK細胞療法
NK細胞は、ナチュラルキラー細胞と呼ばれることもあります。常に体内をパトロールしている細胞で、がん細胞やウイルスに感染した細胞を発見すると攻撃を開始します。
NK細胞療法では、自身の血液から採取したNK細胞を培養・活性化させます。副作用の心配が少ないことや侵襲の少ない治療法であることが知られています。再発や転移防止に有効ですが、ごくまれに副作用が起こることがあります。発熱や発疹、倦怠感などの副作用に注意が必要です。
アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)
アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)では、リンパ球を分離して、T細胞の表面にある分子を刺激しT細胞を活性化させます。インターロイキン2でリンパ球を増殖させ、患者さんの体内に戻すという治療方法です。アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)は、安全性が高くほぼすべてのがんに適応できるというメリットがあります。
ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)
ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)は、T細胞の中にあるガンマ・デルタT細胞という免疫細胞を使用する治療法です。ガンマ・デルタT細胞だけを、選択的に活性化させる新しい治療方法として注目を集めています。副作用が少なく安全性が高いという特徴があります。
6種複合免疫療法
6種複合免疫療法は、免疫細胞を取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻す療法です。それぞれ異なる役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、効果的にがん細胞と闘ってくれます。放射線治療が難しい転移・再発したがんに対しても効果が表れるケースもあります。
6種複合免疫療法は、患者さんへの侵襲・副作用も少ない治療法ですのでお年寄りでも安全に治療を受けられます。抗がん剤治療との併用や、温熱療法や漢方療法などとの併用も可能です。
まとめ
今回はメラノーマについて情報をまとめました。ほくろとの見分け方やメラノーマの種類、治療方法などについてご理解いただけたでしょうか。
メラノーマは形状もさまざまですので、発見が難しい場合もあります。
ですが、進行の早い疾患ですので異変を感じたら早期に医療機関を受診しましょう。早期に治療を開始することで、より治療効果を高められる場合がありますよ。
同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。
同仁がん免疫研究所では、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。
細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。
6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。
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