がん患者様のためのお役立ちブログ
第4のがん治療・免疫療法で期待できる効果とは? 免疫療法の2つの仕組みや治療を検討する際の注意点についても解説
みなさんは、第4のがんの治療法である「免疫療法」についてご存じですか?免疫療法は比較的新しい治療法で、従来の治療法とは異なるメリットがあると注目を集めています。
今回は、がんで闘病している人やがんを予防・再発防止したい人に向けて、免疫療法で期待できる効果についてまとめました。
この記事を読むと
- 免疫療法について
- 免疫療法のメリット・デメリット
- 免疫療法の注意点
について知ることができます。ぜひ参考にご覧ください。
【がんの治療の選択肢としておすすめする「6種複合免疫療法」】
副作用が少なく、他の治療と併用できる!
6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。
治療法は採血と点滴だけの通院治療です。
6種複合免疫療法をおすすめする理由
- がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
- 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
- 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる
がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。
INDEX
免疫の力を利用してがんを治療する免疫療法とは?
がんの治療法としてよく知られているのは、手術療法、放射線療法、化学療法の3つです。これらは、がんの3大治療法と呼ばれています。それぞれの特徴を紹介します。
手術療法は、がんを切除によって取り除く治療法です。がんの転移や浸潤がない場合に検討される治療法で、がんの初期に根治目的として行われることが多いです。手術ができない場合や、手術による侵襲が大きい場合には、この他の治療法が適応されます。
放射線療法は、放射線をがんに放射することで、細胞の遺伝子に損傷を与える治療法です。細菌では、正常細胞へのダメージが少ない放射線療法が研究されています。放射線療法は通院で受けられることもあり、比較的負担の少ない治療法です。手術が困難な場合の治療や、手術後の補助的な治療として選択されることが多いです。また、化学療法と併用して行われることもあります。
薬物療法は化学療法剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などの薬物を利用した治療方法です。薬物によって、がん細胞の増殖を防いだり死滅させる効果が期待できます。見えないがん細胞にも効果があるとされており、転移のあるがんや白血病、リンパ腫の治療に選択されることが多いです。手術療法の前後に、術後の再発予防目的としても使用されます。
これらの治療法の他に、第4の治療方法として免疫療法があります。免疫療法は、近年研究が進められており注目を集めています。
免疫療法とは、治療を受ける方の体に元々備わっている免疫細胞を利用して、がんを治療する方法です。人間の体にはさまざまな免疫細胞があります。代表的な免疫細胞について概要を解説します。
顆粒球・・・白血球の一部。自然免疫細胞であり、活性化するとウイルスなどを撃退する。 | 好中球 | 病原体を貪食する殺菌性顆粒球。好中球はサイトカインを産生でき、他の免疫細胞を炎症部位へ動員することによって免疫を調整する役割を持つ。 |
好酸球 | 寄生虫による感染症やアレルギー性疾患に対して宿主反応を起こす。サイトカインを放出して、免疫反応を調整する役割を持つ。 | |
好塩基球 | 寄生虫に対するアレルギー、宿主反応において役割を果たす。サイトカインを産生する。循環する白血球。 | |
リンパ球・・・白血球の一部。免疫に関わる細胞。 | T細胞 | リンパ球のうち60から80%を占める。樹状細胞から抗原の情報を受け取り、キラーT細胞に指示を出したり、B細胞やマクロファージを活性化させる役割を持つ。 |
B細胞 | 白血球のおよそ20から40%を占める。侵入した異物が危険であるかを判断し、ウイルスを排除する働きを持つ。B細胞は成熟すると、形質細胞に変化する。 | |
NK細胞 | ナチュラルキラー細胞と呼ばれる。リンパ球の10から30%を占める。全身を循環する。がん細胞を発見し次第ただちに攻撃するという特徴がある。 | |
単球・・・サイズの大きな免疫細胞。アメーバ状の外観が特徴。獲得免疫の活性化に影響を与える。
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樹状細胞 | 体内あるいは体の表面で異物を発見すると、自分の中に取り込み特徴を覚える。特徴をリンパ球に教え込み、リンパ球に攻撃の指示を出す。 |
マクロファージ | 体内に侵入した細菌などの異物を食べる。食べた細菌を消化・殺菌する。また、樹状細胞同様に取り込んだ異物の情報をリンパ球に教え込み、リンパ球に攻撃の指示を出す。 |
各免疫細胞の詳細については「こちら」よりご確認ください。
免疫療法で期待できる効果
続いては、免疫療法のメリットについて説明します。次章で免疫療法で期待できる効果について詳しく紹介します。
3大治療法で対応できないがんへの効果
手術療法や放射線療法は、全身に転移したがんには対応できません。ですが、免疫療法は一部のがんを除き基本的にほとんどのがんに適応している治療法です。3大治療の効果が出にくくなったケースに対しても、効果を期待できる場合があります。また、がん細胞の発生箇所や進行度に関係なく治療を受けられるのも特徴の一つです。
抗がん剤治療は免疫療法と同様に全身治療ですが、免疫療法は体への負担が少なく、重篤な副作用が起きにくいというメリットがあります。体力が少ない方や、高齢者の方にも治療が可能です。
3大治療法との併用によるより高い治療効果
免疫療法は、手術療法や放射線療法、薬物療法(抗がん剤治療)といった従来のがん治療の方法との併用が可能です。複数の治療方法を組み合わせることで、より高い効果を期待できます。
再発・転移予防効果
免疫療法は、がんの治療後に体内に残った小さいがん細胞にも攻撃ができます。がんの再発予防にも効果的です。
また、免疫療法は全身に効果が及ぶため転移したがんに対しても有効です。手術療法や放射線療法などで対応できないがんに対しても効果を期待できます。
免疫療法の2つの仕組み
がんの免疫療法には2つのタイプがあり、それぞれ治療方法も異なります。がんの免疫療法は以下の2つに分けられます。
- 免疫(免疫細胞の攻撃)にブレーキがかかることを防ぐ治療方法
- 免疫力(免疫細胞が攻撃する力)を高める効果がある治療方法
健康な場合、免疫が攻撃する力と攻撃を抑制する力のバランスが取れているため、病気にはなりにくい状況です。しかし、このバランスが崩れると、がんが進行したり他の疾患になったりするケースが生じてしまいます。免疫療法は、免疫力のバランスを保つため、そしてがんと闘う力を強めるために行われる治療方法です。上記2つの治療方法について、次章でより詳しく解説します。
免疫にブレーキがかかることを防ぐ
免疫にブレーキがかかることを防ぐ治療法として、主に「免疫チェックポイント阻害薬」を使った免疫チェックポイント阻害療法があります。
免疫チェックポイント阻害療法
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞ががん細胞を攻撃する力を保つための薬です。そもそもT細胞とは、抗原(異物)から体を守るために司令塔の役割を担う免疫細胞です。
ですが、がん細胞自体も異物を攻撃しないよう命令を出すことができます。すると、T細胞にブレーキが掛かり、がん細胞が排除されなくなってしまうのです。
免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用し、免疫にブレーキがかかることを防ぐ薬です。免疫チェックポイント阻害薬を使用すると、さまざまな副作用が起こる可能性があるため注意が必要です。
主な副作用は疲労、そう痒症、発疹、悪心、食欲減退などです。副作用の出現には、個人差があります。また、免疫チェックポイント阻害薬にはさまざまな種類があり、それぞれ対応するがんが異なります。
免疫力を高める効果がある免疫療法
免疫(免疫細胞が攻撃する力)を強める効果がある治療方法として、主に免疫細胞療法といわれるものがあります。免疫細胞療法には多くの種類があるため、次章で主な治療法について解説します。
NK細胞療法
NK細胞は、がん細胞を発見すると真っ先に単独で攻撃する能力を持っています。NK細胞療法ではこの仕組みを利用して、自身の免疫細胞を用いてがん細胞にアプローチします。NK細胞療法では、自身の血液から採取したNK細胞を培養・活性化させます。特殊なNK細胞培養培地を用いることで、効率的に高い細胞殺傷能力を持ったNK細胞の培養が可能です。
特長としては、副作用の心配が少ないこと、侵襲の少ない治療法であること、再発や転移防止に有効であることが挙げられます。ただし、ごくまれに副作用が起こることがありますので、注意が必要です。発熱や発疹、倦怠感などが見られることがあります。
一般的にはこれらの症状も数日程度で治まることがほとんどですので、安心して治療を受けられます。抗がん剤治療のように、吐き気や食欲不振などの副作用に悩まされることはありません。
樹状細胞ワクチン療法
樹状細胞は、がんの目印を最初に確認し、その特徴を免疫細胞であるリンパ球に伝える役割を担っています。樹状細胞ワクチン療法では、樹状細胞のもととなる単球を培養・活性化させることで、がん細胞にアプローチします。特長としては、副作用が少ないこと、転移しているがんにも効果が期待できること、樹状細胞が長期間体の中を循環することなどが挙げられます。
ただし、樹状細胞ワクチン療法もごくまれに副作用が出現します。一過性の発熱や注射部位の発赤などが見られることがあります。
アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)
アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)では、リンパ球を分離して、T細胞の表面にあるCD3という分子を刺激して、T細胞を活性化させます。その上で、インターロイキン2でリンパ球を増殖させ、患者さんの体内に戻すという治療方法です。
安全性が高く、ほぼすべてのがんに適応できるという特徴があります。ただし、どんな症状にも必ず効果が出るとは限りません。効果には個人差があります。
ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)
ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)は、T細胞の中に数%あるガンマ・デルタT細胞という免疫細胞を使用する治療法です。ガンマ・デルタT細胞はがん細胞に対して、とても高い殺傷能力を持っています。ガンマ・デルタT細胞だけを、選択的に活性化させる比較的新しい治療方法として注目を集めています。
ガンマ・デルタT細胞療法も、体外でガンマ・デルタT細胞を培養・活性化させて、体内に戻す治療法ですので、副作用が少なく安全性が高いと言われています。ただし、まれに発熱などの副作用が出現することがあります。
6種複合免疫療法
6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻す療法です。がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。手術や抗がん剤治療、放射線治療が難しい転移・再発したがんに対しても効果が表れるケースもあります。
6種複合免疫療法を開発した倉持恒雄さんは、1970年代より米国、カナダの医科大学で免疫学を学び、以来40年以上にわたって研究を重ねたそうです。倉持恒雄さんは、約6,000人以上のがん患者様の細胞を培養し、がん治療に貢献してきました。
6種複合免疫療法は、患者さんへの侵襲が少なく副作用も少ない治療法です。放射線治療や抗がん剤治療との併用や、温熱療法や漢方、鍼治療、ビタミン療法などとの併用も問題ありません。
また、通院で治療を行えるため、QOLを維持できるというメリットがあります。ごくまれに軽度の副作用が出現する場合もあるため、注意が必要です。具体的に発熱、注射部位の発赤・発疹・搔痒感などです。症状は数日で治まることが多く、重篤な副作用は起きにくいと言われています。
免疫療法の治療を検討する際の注意点
続いては、免疫療法のデメリットについて紹介します。次章で免疫療法の治療を検討する際の注意点について細かく解説します。
軽度な副作用が起きる可能性がある
免疫療法は、重篤な副作用は起きにくいものの、ごくまれに軽度な副作用が起こる場合があります。副作用は、数日程度の発熱や悪寒など。免疫療法の種類によっても起こり得る副作用は変わりますので、注意が必要です。
効果の表れ方には個人差がある
免疫療法の効果の表れ方には個人差があります。免疫力が著しく低下している場合は、複数回治療を受けても効果が表れないこともありますので、ご注意ください。これは、がんの勢いと免疫力に大きな力の差があると免疫細胞を活性化したとしても、その力関係を修復できないケースがあるためです。
効果の表れ方には個人差があることを踏まえて治療を検討することが大切です。
健康保険が適用されないケースが多い
免疫療法は、健康保険が適用されないケースが多い治療法です。健康保険が適用される免疫療法は限られています。
その他の免疫療法は基本的に自費での診療となり、高額になりやすいので確認が必要です。治療費用に関しては、事前に各治療機関に問い合わせて確認することを推奨します。
ただし確定申告による医療費控除の対象となりますので、領収証は確定申告時まで大切に保管してください。
まとめ
今回は、
- 免疫療法について
- 免疫療法のメリット・デメリット
- 免疫療法の注意点
ついて紹介しました。
患者さん一人一人、抱えている疾患や様態は異なります。治療を受ける際は、免疫細胞の効果やメリット・デメリットを踏まえて検討することを推奨します。
同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。
同仁がん免疫研究所では、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。
6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。
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