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がん(癌)の5大治療法とは? それぞれの治療方法やメリット、デメリットについて解説

がん(癌)の5大治療法とは、「手術療法」「放射線療法」「薬物療法」「免疫療法」「光免疫療法」のことを指します。従来では、がんの3大治療法として、手術療法、放射線療法、薬物療法が主に使用されてきましたが、近年では免疫療法と光免疫療法も研究が進み、その効果やメリットに注目が集まっています。

本記事では、がんの5大治療法について、それぞれメリットやデメリットを踏まえながら解説します。

癌(がん)の5大治療法とは?


がんの治療法は主に5つあり、手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法、光免疫療法です。手術療法、放射線療法、薬物療法は、がん治療の3大治療法(または標準療法)とも呼ばれ、既に一般的に行われている治療法であり、健康保険も適用されます。

その一方で、免疫療法や光免疫療法は比較的新しいがんの治療法で、近年研究が進んでいます。特に免疫療法は効果が認められるようになり、現在では上記治療法に加え、がん治療の4大治療法ともされています。さらに新たな治療法として、光を利用した光免疫療法も注目されており、その進化が期待されています。

各治療法はそれぞれ特性があり、適応がん種や病状、患者さんの全体的な健康状態などにより最適な治療法が選択されます。それぞれの治療法の詳細については、以下で解説していきます。

手術療法


手術療法は、がん治療の3大治療法の一つで、がん細胞をメスで直接切り取る方法です。手術療法は局所的なもので、特定の部位にあるがん細胞を直接取り除くことを目指します。このため、がんの位置や大きさ、また患者さんの健康状態によっては適用できないケースもあります。

手術によるがんの除去は、がん細胞だけを切り取るだけでなく、がんが周辺の健全な組織に転移している可能性も考慮に入れ、その周辺の組織も含めて切除することが一般的です。これは、見えない微小ながん細胞の拡散を防ぐための重要なステップです。

しかし、その一方で手術は身体的負担が大きい治療法でもあります。全身麻酔を必要とし、手術後の回復には時間が必要となります。また、手術が可能ながん種や病期も限られているので、患者さんの全体的な状況を考慮し、医師と十分に話し合った上で選択する必要があります。

手術療法のメリット

手術療法は、適切な状態で行われた場合、がん細胞を直接的に根治する可能性を持つ治療法です。具体的には、がんが他の組織や器官に転移していない状態で、すべてのがん細胞を完全に切除することができれば、この手法は最も直接的かつ効果的な治療となります。この点が手術療法の最大の特長であり、魅力ともいえます。

さらに、他の3大治療法である放射線療法や薬物療法(抗がん剤治療)に比べて、手術療法の副作用は相対的に少ないといえます。これは、治療が特定の部位に限定され、全身に影響を及ぼすことが少ないためです。ただし、手術自体のリスクや身体への負担、回復期間が必要となることも考慮に入れなければなりません。

手術療法のデメリット

手術療法は効果的な治療法ではありますが、その一方でさまざまな制限や問題が存在します。まず、体にメスを入れること自体が大きな負担となり、傷口の治癒や体力の回復には時間が必要となります。また、切除する部位によっては、機能的な影響を受ける可能性があります。例えば、消化器系の一部を取り除くと食事の摂取や消化に影響を及ぼす場合があります。

さらに、手術は全身麻酔で行われるため、全身麻酔に耐えうる体力と健康状態が必要です。一部の高齢者や持病を抱える人々には、負担が大きすぎるため適用できない場合があります。

また、手術療法の大きなデメリットは、微小ながん細胞や手術できない部位に存在するがん細胞を取り除くことが難しいという点です。これは、がんが手術できない箇所に広がっていたり、微細な転移があった場合に問題となります。

さらに、手術後の合併症も無視できないリスクとなります。これには感染症や術後出血、麻酔による影響、深部静脈血栓などが含まれます。手術後のリスクは手術前に患者さんと医師が十分に話し合い、理解し合うことが重要です。

最後に、手術療法は入院が必要となります。これは患者さんの生活や仕事への影響を及ぼし、また医療費用も増大させます。これら全てのデメリットを考慮に入れた上で、手術療法の適用を検討することが大切です。

放射線療法


放射線療法は、がんの3大治療法の一つで、その目的はがん細胞とその周辺を対象に放射線を照射し、がん細胞のDNAにダメージを与えて破壊することです。手術療法と同様に局所療法の一種で、特定の部位だけを治療する手法であり、体全体に影響を及ぼすものではありません。

放射線療法の特徴的な点は、細胞分裂が活発な細胞に対する効果が大きいということです。がん細胞は正常な細胞と比べて分裂が活発であるため、放射線により特に大きなダメージを受けやすく、これにより正常細胞への影響を最小限に抑えつつ、がん細胞を殺傷することが可能となります。

また、放射線療法には二つの主要な目的があります。一つは根治を目指す治療で、これはがん細胞を完全に破壊し、がんを治すことを目的とします。もう一つは症状緩和を目指す治療で、これはがん細胞を減少させて症状を軽減し、患者さんの生活の質を改善することを目指します。治療目的は、患者さんの健康状態やがんの種類、進行状況によって異なります。

放射線療法のメリット

放射線療法は、手術療法と比較すると、体に対する負担が大幅に軽減されます。治療は身体を切開することなく行われるため、一般的に体へのストレスが少ないです。このため、高齢者や手術に向かない状態の患者さん(合併症のリスクが高い人など)でも放射線療法を選択することが可能です。

放射線療法は、体の機能や形態を維持しながら治療を行うことができます。外科手術のように、臓器を摘出したり、体の機能を失ったりするリスクが低いため、生活の質を維持することが可能です。

さらに、他のがん治療と併用しない場合、放射線療法は通常、通院して治療を受けることができます。これは、患者さんの日常生活を大きく妨げることなく治療を続けられる大きなメリットとなります。

また、放射線療法のもう一つの強みは、手術が困難な部位に対しても照射が可能である点です。これにより、治療の選択肢が広がり、患者さんにとって最善の治療を選択する可能性が高まります。

放射線療法のデメリット

放射線療法は非侵襲的な治療法でありながら、一部のデメリットに注意が必要です。その一つが治療期間に関するもので、通常、一定の期間にわたって連日治療を受け続けなければなりません。患者さん自身の生活スケジュールや体調に影響を及ぼす可能性があるため、計画的な治療スケジュールが求められます。

また、放射線療法には、一時的な副作用が伴うことも知られています。これには、疲労感、皮膚の赤みや炎症、口や喉の乾燥(頸部・胸部照射)、脱毛(頭部照射)などが含まれます。ただし、副作用は多くの場合、治療終了後に自然と改善します。

放射線療法の後には、放射線肺炎、放射線直腸炎、放射線膀胱炎など慢性的な後遺症が残る可能性もあります。症状が強い場合は、薬剤による治療が必要になることもあるでしょう。

さらに、治療の内容や患者さんの健康状態によっては、治療期間中に入院が必要になることもあります。これは患者さんやその家族にとっては大きな負担となる可能性があるため、治療前に十分な説明と共に検討することが重要です。

薬物療法


薬物療法はがん治療の3大治療法の一つで、飲み薬や注射薬、点滴を使って全身的にがん細胞を攻撃し、増殖を抑制します。全身治療であるため、特定の部位だけでなく体全体に存在するがん細胞にアプローチ可能で、局所治療だけでは手が届かない微細な転移にも対応します。薬物療法にはさまざまな種類があり、それぞれが異なる効果と目的を持っています。主な治療法は、化学療法(抗がん剤治療)、内分泌療法(ホルモン療法)、分子標的療法です。

化学療法(抗がん剤治療)は、細胞分裂が活発ながん細胞を破壊するための薬を使用します。

内分泌療法(ホルモン療法)は、ホルモン感受性のがん(乳がんや前立腺がんなど)に対して効果的で、ホルモンの働きを抑制またはブロックすることでがん細胞の成長を抑制します。

分子標的療法は、がん細胞の特定の分子やタンパク質を標的にする新しいタイプの治療で、正常な細胞に対する影響を抑えつつ、特定のがん細胞の成長や生存を阻害します。

薬物療法は、手術療法や放射線療法と併用することもあり、より治療効果を高めることが可能です。

薬物療法のメリット

薬物療法は全身治療という特性から、特定の部位だけでなく体全体を対象とすることができます。そのため、広範囲に転移したがん細胞も治療の対象となり、複数の部位に分散しているがん細胞を一度に攻撃することが可能です。

さらに、この全身治療という特性は、がんの再発や転移予防にも重要な役割を果たします。例えば、手術などで主ながん細胞を取り除いた後、残存する微小ながん細胞が再び増殖し、再発や転移を引き起こすことがあります。しかし、薬物療法により全身に行き渡った薬がこれらの微小ながん細胞を探し出し、攻撃・抑制することで、再発や転移のリスクを低減することが期待できます。

薬物療法のデメリット

薬物療法は有効ながん治療の一つですが、それぞれの薬剤は正常な細胞にも影響を与える可能性があり、これが強い副作用を引き起こす原因となります。また、薬剤ごとに副作用やリスクは異なります。

化学療法は、がん細胞を直接攻撃するための薬剤で、その主な副作用としては、吐き気、脱毛、疲労感、口内炎などです。また、白血球数の低下による感染症のリスク増加も問題となることがあります。

内分泌療法は、特定のホルモンの作用を阻害することでがん細胞の増殖を抑制します。副作用は、ホットフラッシュ(ほてり)、骨粗鬆症、血栓、関節痛などが報告されています。

分子標的療法は、特定の分子や経路を標的とし、がん細胞の生存や増殖に影響を与えます。皮膚の乾燥やかゆみ、下痢、高血圧などの副作用が見られることがあります。

薬物療法は一度だけでなく、複数回治療を受けることが一般的です。そのため、副作用による体への負担が大きくなり、また精神的にも負担がかかることが多いです。副作用を軽減するためのサポートや心理的なサポートも重要な要素となります。

そして、薬物療法を受ける際には、入院が必要になるケースもあります。特に副作用の管理や複数の治療法を併用する場合などには、入院による管理が求められることがあります。

免疫療法


免疫療法は、近年の医療技術の進歩により急速に発展してきた、新しいがんの治療法です。従来の3大治療法に次ぐ第4のがん治療法とも称され、この治療法の特徴は自身の免疫力を利用してがんと闘う点にあります。免疫療法は他の治療法とも併用することが可能で、より高い治療効果を期待することができます。

免疫療法は大きく2つの種類に分けられます。まず一つ目は「免疫チェックポイント阻害薬」による治療法です。免疫チェックポイントとは、免疫反応を調節する「ブレーキ」のような役割を果たす分子のことを指します。がん細胞はこのブレーキを悪用して免疫反応を抑え、逃れることができます。そこで、この免疫チェックポイントを阻害する薬を用いて、がん細胞に対する免疫反応を活性化するのがこの治療法です。

二つ目は「免疫細胞療法」です。この治療法は、患者さん自身の免疫細胞を取り出し、がん細胞を攻撃する能力を強化または増殖した後、体内に戻すというものです。特にCAR-T細胞療法などと呼ばれる、遺伝子組換え技術を用いた治療法が注目されています。

免疫療法のメリット

免疫療法の特徴の一つとして、治療によって正常な細胞へのダメージが少ないことが挙げられます。他の治療法に比べて、この特性は免疫療法がもつ大きなメリットとなっています。また、治療法によるものの、一般的には免疫療法の副作用は比較的軽度なものが多く、患者さんの生活の質(QOL)を維持する上でも優れた治療法といえます。

免疫療法の一部は短時間で終わり、多くの場合は入院せずに治療を受けることが可能です。体への負担が少ないため、患者さんの体力や年齢に関係なく広く適用可能であり、体力のない方や高齢者でも受けやすい治療法です。

さらに、免疫療法はがんの種類や部位、進行度に関わらず、多種多様ながんに対応することが可能です。免疫療法が自己の免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃するというメカニズムによるものです。

全身治療である免疫療法は、がんの再発や転移予防にも非常に効果的です。免疫システムが全身を巡りながらがん細胞を探し出し攻撃するため、体のどこにあってもがん細胞を発見し排除することができるからです。これらの特性により、免疫療法は非常に有望ながん治療法として注目されています。

免疫療法のデメリット

免疫療法は、その種類が多岐に渡り、治療効果には個人差があることが特徴的です。それぞれの人がもつ免疫システムの状態や、がんの種類・進行度により、最適な治療法は異なります。これにより、適切な免疫療法を見極めることが困難な場合もあります。

したがって、免疫療法を検討する際には、その効果だけでなく、リスクや注意点についても十分に医師と話し合うことが重要です。具体的には、自身の体調やがんの状況に合わせて、最善の治療方針を共に考えることが求められます。

また、免疫療法の中には、特定の副作用をもたらすものも存在します。例えば、免疫チェックポイント阻害薬は、一部の患者さんに発熱や疲労感、皮膚の赤みやかゆみなどを引き起こす可能性があるとされています。

さらに注意点として、免疫療法の一部はまだ新しい治療法であり、全ての療法が健康保険の適用を受けられるわけではありません。そのため、経済的な負担を考慮することも、治療選択の重要な一部となります。新たながん治療法である免疫療法ですが、そのメリットとリスクを理解し、適切に活用することが求められます。

光免疫療法


光免疫療法は、近年注目を集めている新たながん治療法で、一部では「第5のがん治療」とも呼ばれています。この治療法は、特性を持つ薬をがん細胞に付着させ、その薬が反応する近赤外線と呼ばれる特殊なレーザー光を照射することで、特定のがん細胞を選択的に攻撃します。この選択性により、健康な細胞への影響を最小限に抑えつつ、効果的にがん細胞を殺すことができます。

また、光免疫療法は他の治療法と併用が可能であるため、標準治療に加えて追加の治療として利用することが可能です。多角的ながん治療が可能となり、患者さんの症状や状況により柔軟に治療方針を立てることができます。

なお、日本においては「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対する治療として保険診療が受けられるとされています。

光免疫療法のメリット

光免疫療法は、その特性から「局所治療と全身治療の効果を兼ね備えたがん治療法」と表現されることもあります。光免疫療法の最大の特徴は、がん細胞のみを選択的に破壊できる点にあります。正常な細胞には影響を及ぼさず、体への負担を最小限に抑えつつ、効果的にがん細胞を攻撃します。

さらに光免疫療法の興味深い点は、治療によって破壊されたがん細胞の周囲に存在する免疫細胞が、がん細胞の抗原情報を全身の免疫細胞に伝達することです。これにより、照射部位から離れた転移したがん細胞に対しても、体内の免疫システムが反応し、攻撃を行うことが期待されます。

そして、光免疫療法では重篤な副作用のリスクが低いといわれています。副作用の一部として、出血、舌や喉の腫れ、痛み、アレルギー反応、光線過敏症や皮膚障害などがありますが、慎重な管理と適切なケアで対処することができることが多いです。

光免疫療法のデメリット

光免疫療法は、一部の例外を除き、日本では自費診療となります。具体的には、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対する治療については、保険適用の範囲内で行われますが、それ以外のケースでは自己負担となります。

また、治療の実施にはいくつかの制限が存在します。特に重要なのが、「光の届かない部位には治療ができない」という点です。治療は近赤外線レーザーによる光照射が必要であるため、照射可能な範囲に限りがあります。

治療後には行動が一定期間制限されます。投与された薬剤は体内に一定期間留まるため、直射日光や強い光を避けなければなりません。このため、日常生活に一部制限が出ることもあります。また、治療によっては入院が必要となるケースもあります。

がんの状態や本人の希望を考慮して治療方法を検討しましょう


がんの治療法は非常に多様で、それぞれに特徴とメリット、デメリットがあり、対応可能ながんの種類も異なります。手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法、そして光免疫療法など、それぞれが異なるアプローチでがん細胞を攻撃し、体内から排除しようと試みます。

また、これらの治療法は独立して行われるだけでなく、多くの場合、他の治療法と併用することが可能です。そしてその併用が、がんの制御においてさらなる効果を引き出すこともあります。

しかし、最適な治療法は患者さん一人ひとりのがんの状態や体調、そしてその人の希望により大きく変わります。治療の選択は非常に重要で、その判断には専門家との密な相談が必要となります。担当医とともに、全体の治療計画を立てる際には、患者さん自身の希望や生活状況も含めた多角的な視点から考慮することが大切です。

まとめ


本記事では、手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法、光免疫療法といった主要ながん治療法について解説しました。それぞれに特徴とメリット、リスクがあり、どの治療法が適しているかは患者さんのがんの状態や体調、そしてその人の希望によります。そしてこれらの治療法は、しっかりとした組み合わせにより、効果を最大限に引き出すことが可能です。

同仁がん免疫研究所では、免疫療法の一つとして「6種複合免疫療法」を提供しています。6種複合免疫療法は、多角的なアプローチにより、がん細胞を攻撃し、患者さんの生活の質の改善を目指しています。

当研究所では、最先端の医療技術を用いて、個々の患者さんの体質やがんの状態に合わせた免疫療法のご提案が可能です。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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