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目にできるがんにはどのようなものがある? 治療法についても解説

がんは、体のさまざまな場所に発生します。

部位によって治療法も異なりますので、まずは疾患についてよく理解することが重要です。

今回は、目にできるがんについて解説します。目にできるがんについて調べている方向けに、治療法を解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

目にできるがん:眼腫瘍とは?


まずは、目にできるがん「眼腫瘍」について紹介します。

眼部は、眼球と眼付属器(眼瞼、結膜、眼窩、涙腺)に分けられます。目の周辺にできるがんは目腫瘍と総称され、診断される人が少ないがんである希少がんに分類されます。

診断では主に、眼底検査や超音波、CT、MRIが用いられます。眼球内腫瘍、眼付属器の腫瘍、視神経腫瘍など、発生する位置によっても症状や治療方法が異なります。

乳幼児・小児にみられる眼腫瘍も存在する


眼腫瘍には、網膜芽細胞腫と横紋筋肉腫があります。がんは通常高齢になるほど発症率が上がりますが、目腫瘍の場合、子どもが発症するものもあります。

95%が5歳までに診断され、早期治療によって治癒が目指せることが多いと言われています。全国登録の結果では、治療後の5年生存率は90%を超えています。子どもは自分で症状を訴えることができないため、身近な人が定期的にチェックし、気になる場合は眼科を受診しましょう。

がんに関して問い合わせることが可能ながん相談支援センターは、全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されています。情報が欲しいときや、病院が見つからない場合などに相談できます。

眼腫瘍の原因


目腫瘍の原因はさまざまです。網膜芽細胞腫など、特定の遺伝子(RB1遺伝子)の異常と関連しているものもあります。

眼腫瘍の症状


眼腫瘍の主な症状を紹介します。

  • 瞼の腫れ
  • 眼球突出
  • 眼の痛みや違和感
  • 視力低下
  • 歪み
  • 視野異常
  • ほくろやイボ

など。

次に、乳幼児・小児にみられる症状を紹介します。

  • 白色の瞳孔
  • 視力障害
  • 斜視
  • 瞼の腫れ

など。

ものもらいとの違い


ものもらいは細菌の感染症なので、基本的には眼腫瘍の心配はありません。眼腫瘍とものもらいでは、似ている症状が現れるため、誤診されるケースがあります。

ただし、ものもらいだと思っていたものが急に大きくなったり、再発を繰り返したりする場合は眼腫瘍を疑うことを推奨します。

眼腫瘍の種類と主な治療法


続いては、眼腫瘍の種類と主な治療法を紹介します。今回は、眼瞼腫瘍、結膜腫瘍、眼窩腫瘍について解説します。

眼瞼腫瘍

眼瞼腫瘍は、瞼にできるがんです。眼に発生するがんで最も多いと言われています。

眼瞼腫瘍の詳細について説明します。眼瞼腫瘍の一つである基底細胞がんは、表側の皮膚から発生するがんです。ほくろに似ているため、初期は見分けがつきません。

眼瞼腫瘍が転移するケースは極めて珍しいのですが、転移した場合にはがんが浸潤し頭蓋や鼻まで広がってしまいます。出血や呼吸困難等で死亡につながることもあるため、注意が必要です。

脂腺がんは、脂眼瞼にある油の分泌腺から発生するがんです。特にものもらいと似ていますが、他の眼瞼がんよりも悪性度が高く、下顎リンパ節や前リンパ節に転移することが知られています。

次に、治療について解説します。眼瞼腫瘍では、多くの場合、3〜5mmの安全域を設けた眼瞼の切除を行います。

また病状により、以下の治療を行うこともあります。

  • 術中冷凍凝固術
  • 術前後の抗がん剤点眼
  • 放射線治療
  • 全身化学療法

結膜腫瘍

結膜腫瘍は、結膜にできるがんです。

結膜腫瘍の詳細について解説します。結膜腫瘍の一つである扁平上皮がんは、裏側の瞼結膜から発生するがんです。黒目と白目の境界からはじまり、角膜の表面に半透明の膜が広がります。白目の一部分が充血し続け、徐々に盛り上がることが知られています。

悪性黒色腫(メラノーマ)は、瞼の裏にピンク色のできものができることが知られています。先天的なケースでは、年齢が上がるにつれて色が濃くなります。

また、広い範囲や多数の場所で発生します。

次に結膜腫瘍の治療について解説します。

結膜腫瘍の治療では、手術で切除し結膜や羊膜を移植するのが一般的。広範囲に広がる場合には、手術が困難になります。抗がん剤の点眼や結膜下注射も検討されます。

また、悪性黒色腫ではインターフェロン注射を併用します。

眼窩腫瘍

眼窩内にできるがんのことを眼窩腫瘍と言います。眼窩腫瘍の詳細について解説します。眼窩腫瘍の一つである涙腺がんは、悪性度が高いことが知られています。腫瘍を全摘出するには高度な技術が求められます。眼球に生じる血管新生緑内障などが後遺症として残ることがあるため、注意が必要です。

悪性リンパ腫では、血液の腫瘍が眼の奥でしこりとなります。免疫抑制剤(メトトレキサート)の硝子体内への注射を行うケースもあります。

次に、眼窩腫瘍の治療について解説します。

眼窩壁の骨切りを上壁や下壁に拡大し、腫瘍を摘出します。眼窩先端部の腫瘍は脳神経外科と連携して行います。

また、鼻腔の腫瘍は耳鼻咽喉科と連携して行います。

乳幼児・小児にみられる横紋筋肉腫

乳幼児・小児にみられる横紋筋肉腫は、軟部組織や結合組織等から生じる悪性腫瘍の一つです。自分の意思で体を動かすときに使う筋肉(骨格筋)になるはずだった未熟な細胞が変化してできるがんと考えられています。子どもに発症することが知られており、診断される人の約70%が10歳未満、5%が1歳未満です。思春期の若者や成人にも発生することもあります。

横紋筋肉腫の治療について解説します。治療前にステージ分類を行った上で、腫瘍切除または生検を実施します。

その後、リスク分類を行い化学療法や追加手術を検討します。化学療法の標準的治療としては、ビンクリスチン、アクチノマイシンD、シクロフォスファミドの3剤併用治療を繰り返す方法(VAC療法)が知られています。

眼内腫瘍

眼内腫瘍は、虹彩や毛様体ブドウ膜にできるがんです。脈絡膜悪性黒色腫では、色素沈着し暗褐色への変化〜完全なメラニン欠乏が起こります。初期段階では無症状であるとされているため、発見が困難です。

眼内腫瘍の治療について解説します。腫瘍の大きさや位置、転移の状態に応じて、眼球摘出やサイバーナイフを用いた放射線療法、全身化学療法などを行います。

また、がん治療には免疫療法が用いられるケースもあります。

免疫細胞療法は、手術・放射線治療・薬物療法と組み合わせることで、 相乗効果が期待できる治療法です。免疫細胞療法にはさまざまな種類があり、樹状細胞ワクチン療法、エフェクターT細胞療法、アルファ・ベータT細胞療法、NK細胞療法、6種複合免疫療法などがあります。

樹状細胞ワクチン療法 樹状細胞は、がんを攻撃する働きを持つ免疫細胞に異物を認識させ、異物を攻撃させることができます。この特徴を活かし、樹状細胞を使って、リンパ球にがんの特徴を覚えこませ、樹状細胞から指令を受けた免疫細胞でがんを攻撃させるという治療法です。
エフェクターT細胞療法 エフェクターT細胞療法は、がん細胞への攻撃力を強めるために患者さんのT細胞を体の外に取り出して行います。取り出したT細胞にがん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れ、増殖させ再び体の中に戻します。
アルファ・ベータT細胞療法 アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)では、リンパ球を分離して、T細胞の表面にある分子を刺激しT細胞を活性化させます。インターロイキン2でリンパ球を増殖させ、患者さんの体内に戻すという治療方法です。アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)は、安全性が高くほぼすべてのがんに適応できるというメリットがあります。
NK細胞療法 NK細胞は、がんの殺し屋と呼ばれており、リンパ球のおよそ10〜30%を占めます。このナチュラルキラー細胞であるNK細胞を活用した治療法が、NK細胞療法です。自然免疫と呼ばれるNK細胞が、全身をくまなくパトロールします。パトロールを通してがん細胞や悪性化しそうな異常細胞を見つけると、他の細胞の指示を受けることなく、独自で攻撃を開始します。特殊なNK細胞培養培地を用いることで、効率的に高い細胞殺傷能力を持ったNK細胞の培養が可能です。
6種複合免疫療法 6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて、がんと闘う力を強くして体内へ戻す療法です。がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。

乳幼児・小児にみられる網膜芽細胞腫

網膜芽細胞腫は、約1/16,000の発生頻度の小児にみられる眼球中の網膜に生じる悪性腫瘍です。網膜芽細胞腫の治療では、腫瘍が大きい場合や眼内に散布している場合は眼球摘出を行います。眼球保存を行う場合、視神経浸潤や脈絡膜浸潤があった場合は化学療法と経瞳孔温熱療法(赤外線レーザー治療)を行います。

まとめ


今回は、目にできるがんについて解説しました。

目にできるがんには、眼球内腫瘍、眼付属器の腫瘍、視神経腫瘍などがあります。目にできたがんの治療法は、部位によってさまざまです。眼瞼腫瘍では、術中冷凍凝固術・術前後の抗がん剤点眼・放射線治療・全身化学療法などを検討します。結膜腫瘍では、手術で切除して結膜や羊膜を移植したり、抗がん剤の点眼や結膜下注射、悪性黒色腫ではインターフェロン注射を併用します。眼窩腫瘍では、脳神経外科や耳鼻咽喉科と連携して、眼窩壁の骨切りを上壁や下壁に拡大し、腫瘍を摘出します。

同仁がん免疫研究所では、6種複合免疫療法の治療を行っています。

厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。

同仁がん免疫研究所の細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法に関する詳細は、こちらよりご確認ください。

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