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がんと免疫力の関係性とは?免疫力アップのためにできることや免疫療法について解説

がんの治療法として一般的に知られているのは、手術療法や化学療法、放射線療法です。

新しい治療法として注目を集めているのが免疫療法ですが、みなさんはがんと免疫力の関係性をご存じですか?今回は、がんで闘病している方や、がんの予防・がんの再発防止に取り組んでいる方向けに、免疫力アップのためにできることをまとめました。

この記事を読むと

  • がんについて
  • がんと免疫力の関係性
  • 免疫力を高める方法
  • がんの免疫療法について

知ることができます。

記事の最後には免疫療法を行う機関である、同仁がん免疫研究所について紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

そもそもがん(癌)とはどのような病気?


まずはがんという病気について紹介します。そもそもがんとは、どのような病気なのでしょうか。

がんは、体の細胞に異常が起き、がん細胞が発生することで発症します。最初はごく小さながん細胞でも、増殖を繰り返して次第に大きくなっていきます。ある程度の大きさになると、急激に増殖し、命にかかわるほどの大きさになってしまうのです。

がん細胞は、周辺の臓器を破壊したり、正常な細胞の栄養素を吸収したりするため、非常に厄介な存在です。がんの早期発見の重要性が叫ばれていますが、実は、がん細胞が検査などで見つけられる大きさになるまで、10年以上かかると言われています。

免疫力の低下ががんの発症につながる


意外と知られていない事実ですが、実は、健康な人の体内でもがん細胞は毎日発生しています。しかし、基本的には体内に存在している免疫細胞の力でがん細胞を攻撃して倒しているので、問題になることはありません。

がんに対抗できる主な免疫細胞には、T細胞とNK細胞があります。T細胞はリンパ球の一種で、血中リンパ球の60%から80%を占める細胞です。細胞表面のT細胞抗原受容体を介して、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞から、情報を受け取る役割を持ちます。免疫細胞の司令塔のような役割を担っています。NK細胞は司令を受けずに、体中をパトロールしながらさまざまながん細胞を見つけて攻撃する細胞です。自然免疫の重要な役割を担っています。

免疫力の低下や、タバコや飲酒などの生活習慣によって、がん細胞は増殖してしまいます。がん細胞が成長すると、正常な細胞のフリをするため、免疫細胞の攻撃から逃げられてしまうので厄介です。また、がん細胞が増えると免疫抑制細胞が増えてがん細胞を囲うようになるため、免疫力をさらに低下させてしまいます。免疫力が低下するとがん細胞への攻撃が抑えられ、がんの発症に繋がってしまうため、免疫力を高めることはがん予防において重要な要素です。

免疫力アップに不可欠な2つの要素


続いては、免疫力アップのために必要な要素を2つ紹介します。次章で詳しく解説します。

体温

免疫力アップのために必要な要素、1つ目は体温です。人間の体温の正常値は、成人のワキの下で測ったときに36.0~37.0度です。免疫細胞は温度が高いと活性化するという特徴があります。免疫細胞は37.0〜37.5度で最も戦闘力が高くなります。

一方で、体温が36度以下の場合は、低体温となり免疫細胞が働きにくくなってしまうので、注意が必要です。体温を正常な範囲内で高く維持することは、がん予防に効果的です。

また体温を高くするのは、夕方以降がベストです。夕方以降はがん免疫が活発化するので、効率よく免疫力をアップしましょう。

リンパ球の数

免疫力アップのために必要な要素、2つ目はリンパ球の数です。免疫細胞のひとつに、リンパ球があります。リンパ球には、前述したがんを攻撃するT細胞やNK細胞などがあります。このリンパ球が多ければ多いほど免疫力が高くなり、元気で健康になりやすいと言われています。リンパ球が少ないほど、免疫力が低下してしまいますので、注意が必要です。

リンパ球はタンパク質を多く摂ること、炎症を抑えることで増殖が可能です。炎症がある状態では、ビタミンやミネラル、EPAなどが不足してしまうので、食事からも栄養素をバランスよく摂取しましょう。

免疫力をアップさせるためにやるべきこと

がんの予防や、転移・再発を防止するためには、免疫力を高めることが重要です。では、免疫力をアップさせるために、どのようなことができるでしょうか。この記事では、すぐにでもできる免疫力を高める方法を紹介します。次項で詳しく解説します。

適度な運動をする

免疫力をアップさせるためには、適度な運動が重要です。適切な運動をして筋肉を動かすことで、体温を高めることができます。運動によってリンパの流れがよくなることで、免疫細胞をがん細胞が発生した箇所に移動させやすくする効果も期待できます。

運動は、毎日30分程度、自分が心地良いと感じる程度の強度で行うのが理想的です。血液中の免疫細胞が活性化され、免疫力が高まります。ただし過度な運動は、交感神経が優位になり、血管が収縮してしまいます。免疫力が逆に低下してしまうこともあるので、注意が必要です。

毎日入浴する

免疫力をアップさせるためには、毎日入浴することも重要です。体温を高めるために、入浴時はシャワーで済ませるのではなく、しっかり湯船につかるように心がけましょう。低めの温度で約15分程度、汗をかきすぎない程度の入浴が理想的です。汗をかき過ぎると、体温が下がりやすいので、注意してください。入浴は短時間でも良いので毎日続けることが大切です。

栄養バランスの良い食事を取る

免疫力をアップさせるためには、栄養バランスの良い食事を取ることも大切です。不足しがちな野菜や果物を積極的に食べるようにしてください。以下のような免疫力を高める栄養素を含んだ食べ物を摂取することも効果的です。

カリフラワー 100g中に81mgのビタミンCが入っています。カリフラワーに含まれるビタミンCは加熱によって失われてしまう量が少なく、ビタミンCの補給に最適な野菜だと言われています。グルコシノレートという成分は肝臓の働きを高めてくれます。
ピーマン ピーマンはがん予防効果の高い食品として知られています。赤ピーマンのビタミンCは緑色のピーマンの約2倍あります。赤ピーマンの赤い色素は、カプサイシンというカロテノイドであり、βカロテンよりも強い抗酸化作用が期待できます。
ブロッコリー スルフォラファンは、強力な抗がん作用がある物質です。ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの20倍ものスルフォラファンが含まれています。葉酸、カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、E、鉄などの栄養素が含まれています。
ニンジン カロテンが豊富に含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変化し、免疫力を高めてくれます。強い抗酸化作用でがんを予防する効果が高いとされています。にんじんの葉にもカロテン、ビタミン、カリウムなどの栄養素が含まれています。
にんにく 硫化アリルは、病気や老化を招く活性酸素の害を抑制する強力な抗酸化作用があります。にんにくのアリシンがビタミンB1と結合してアリチアミンに変化し、クエン酸回路に働きかけてがんを予防します。にんにくに含まれるミネラルのセレンは、過酸化脂質を分解する酵素です。

 

これらの野菜は、加熱して野菜の栄養分を効率よく摂取するのがおすすめです。ただし、過剰に摂取すると逆効果になることもあるため、バランスのよい食事をすることが重要です。

免疫細胞は腸に多く存在するため、調査環境を整える乳酸菌が多く含まれる飲食物を摂取するのも良いでしょう。温かい飲み物、特に糖分などが入っていない白湯を飲んで、体を温めることも意識してください。

外から体を温める

免疫力をアップさせるためには、外から体を温めることも重要です。腹巻きやカイロなどを使ったり、タイツや靴下を履いたり体を冷やさないようにすることも大切です。冬だけでなく、夏の冷房でも体を冷やしすぎないように注意しましょう。

免疫細胞の力を利用してがん治療をする免疫療法


前述した方法は、がんの予防や再発防止を目的とした内容です。がんで闘病している方が免疫力をアップするための方法として、免疫療法があります。

免疫療法とは、治療を受ける方の体内に元々ある免疫細胞の力を利用して、がんを攻撃する治療方法です。免疫療法にはさまざまな種類がありますので、次章以降で詳しく解説します。

主な免疫療法の種類


免疫療法にはさまざまな種類があります。各治療法は、それぞれ治療方法や効果が異なります。今回は、いくつかの治療方法をピックアップして概要を紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。

免疫チェックポイント阻害療法

免疫チェックポイント阻害療法は、免疫療法の一種です。免疫チェックポイント阻害療法は薬物療法にも当てはまる治療方法で、保険が適用されます。

この治療法では、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つための「免疫チェックポイント阻害薬」を使用し、がん細胞を攻撃します。免疫チェックポイント阻害薬にはさまざまな種類があり、それぞれ対応するがんが異なります。

エフェクターT細胞療法

エフェクターT細胞療法は、免疫療法の一種です。治療を受ける方の免疫細胞(T細胞)を抽出し、がん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れて増殖し、体内に戻す治療法です。がん細胞への攻撃力を高める効果が期待できます。

こちらの治療法は、保険が適用されるものもあれば(CAR-T療法)、適用されないものもあります。治療を希望する際は、医療機関に保険適応の可否をご確認ください。

NK細胞療法

NK細胞療法も免疫療法の一種として知られています。NK細胞とは、がん細胞やウイルスに感染した細胞など異常細胞を発見次第、攻撃をする免疫細胞の一つです。NK細胞療法とは、治療をする方の体内にあるNK細胞を培養、増殖・活性化させて、がんを攻撃する力を高める治療方法です。

6種複合免疫療法

6種複合免疫療法も免疫療法の一種です。6種類のそれぞれ異なる役割を持つ免疫細胞を培養、増殖させ、体内に戻す治療方法です。6種複合免疫療法で培養する、免疫細胞については以下の通りです。

NK細胞 NK細胞は、ナチュラルキラー細胞と呼ばれることもあります。

常に体内をパトロールしている細胞で、がん細胞を見つけると直ちに攻撃を開始します。

がん細胞の破壊に長けており、生まれながらのエリート細胞です。

NK細胞は抗原を持っているがん細胞も、隠しているがん細胞も見つけ出し、直接攻撃、破壊することができます。

ただし完全に見つけ出すことは不可能で、がん細胞を取り逃がしてしまうこともあります。

樹状細胞 抗原提示細胞とも呼ばれ、がんの目印を知らせる総司令塔のような役割を担っています。

体内に侵入した異物をいち早く発見し、その情報をヘルパーT細胞、キラー細胞、NKTなどの免疫細胞に伝えます。

ただし、末梢血中の樹状細胞は未熟であり、がん抗原を認識することが困難です。

樹状細胞が成熟するためには活性化したNKT細胞の存在が必要です。

ヘルパーT細胞 ヘルパーT細胞は、免疫の司令塔と言われる細胞。

樹状細胞から異物の情報を受け取ると、免疫活性化物質であるサイトカインを放出して、キラーT細胞やNK細胞などの実行部隊に攻撃の指令を出します。

キラーT細胞 キラーT細胞は、CTL細胞(細胞障害性Tリンパ球)と呼ばれることもあります。

抗原を持っているがん細胞を破壊することができます。

しかし多くの場合、がん細胞は抗原を隠しているため、すべてのがん細胞を破壊することができません。

NKT細胞 キラーT細胞とNK細胞の両方の問題を解決できる、新しいタイプのリンパ球です。

抗原を隠しているがん細胞を見つけ出し、直接攻撃することができます。

がん治療において重要な役割を担う存在で、抗がん剤や放射線で傷害を受けた細胞や組織の修復もできます。

ガンマ・デルタT細胞 γδ(ガンマ・デルタ)T細胞は強力な抗腫瘍作用を持っています。

抗原を隠しているがん細胞でも排除します。

また、感染初期の免疫反応に応え、傷害を受けた細胞や組織の修復を助ける働きがあります。

がん治療に多様性を与える存在だと言えるでしょう。

6種複合免疫療法は、がん細胞を発見、認識、攻撃するなどのさまざまな役割を持つ免疫細胞を増殖させ、効率的にがんと闘えるようにする治療法です。

免疫療法の特長


免疫療法の特長を詳しく紹介します。免疫療法には、さまざまな利点があります。

体への負担が少なく、重篤な副作用が起きにくい

免疫療法は、元々体内に備わっている免疫細胞の力を利用する治療方法のため、重篤な副作用が起きにくいとされています。基本的には体への負担が少ない治療方法のため、高齢者や体力がない人でも受けられる治療方法です。

さまざまながんに対応している

免疫療法は、一部の血液系のがん以外のがんに適応可能です。ただし免疫療法の中でも、種類によって効果が異なります。免疫療法では全身に効果が及ぶため、がんが転移していたり進行していたりしても治療を受けることができます。初期の小さいがんにも対応しています。採血と点滴ができる状態の患者さんは、免疫療法が受けられます。

他のがん治療と併用できる

免疫療法は、手術療法や放射線療法などの他のがん治療と併用できます。治療方法の組み合わせによっては、より高い効果を見込める場合もあります。

免疫療法の注意点


続いては、免疫療法を受ける際の注意点を紹介します。次項で詳しく解説します。

軽度な副作用が起きる可能性がある

免疫療法は、重篤な副作用は起きにくいものの、軽度な副作用が起きる可能性があります。主な副作用は、数日程度の発熱などの症状です。

また、免疫療法の種類によっても起こり得る副作用は変わります。基本的に免疫療法は副作用は軽度なものが多いですが、免疫チェックポイント阻害療法はさまざまな副作用が現れる可能性が否定できません。

免疫チェックポイント阻害療法の注意すべき副作用には

  • 間質性肺炎
  • 大腸炎
  • 一型糖尿病
  • 甲状腺機能障害
  • ホルモン分泌生涯
  • 肝機能障害
  • 皮膚障害

などがあります。ただし、従来型の抗がん薬の副作用と比較すると、副作用のリスクは低く安全性も高いと言えるでしょう。

効果の表れ方には個人差がある

免疫療法は、効果の表れ方には個人差があります。免疫力が著しく低下している場合には、複数回治療を受けても効果が表れないこともあります。

がんの勢いと免疫力に大きな差があると、免疫細胞を活性化したとしてもがんの勢いに勝てないことがあるので、効果の現れ方を一概に保証することはできません。

健康保険が適用されないケースが多い

免疫療法は、健康保険が適用されないケースが多い治療方法です。保険適用される免疫療法は限られており、その他の免疫療法は基本的に自費での診療となります。

 

まとめ


今回はがんと免疫力の関係性を紹介しました。

  • がんについて
  • がんと免疫力の関係性
  • 免疫力を高める方法
  • がんの免疫療法について

紹介し、がんと免疫力には深い関わりがあることが分かりました。免疫力を上げることは健康な生活を送るために欠かせないことですので、ぜひ取り入れられる部分から、始めてみてください。

同仁がん免疫研究所は、免疫療法の一つである6種複合免疫療法の治療を行っている施設です。厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。同仁がん免疫研究所の細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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