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腎臓がんにおける免疫療法の治療実績とは? 腎細胞がんからの転移についても解説

腎臓がんに対する免疫療法は、進行がんやリンパ節転移、骨転移がある場合にも一定の効果が期待されています。

免疫療法は患者さま自身の免疫力を活性化させ、がん細胞に働きかける治療法であり、従来の治療が難しい転移がんにも新たな選択肢を提供する可能性があります。

中でも「6種複合免疫療法」は、複数の免疫細胞を組み合わせて活用することで、患者さまの体力を維持しながら治療効果を高める方法として注目されています。

この治療法は、ほとんどのがん腫に対応しているうえ、転移のある進行がんにも対応できる点が特徴です。

今回の記事では、腎臓がんにおける免疫療法やその他の治療法、リンパ節転移や骨転移について、詳しく解説します。

腎臓がんにおける免疫療法

腎臓がん

腎臓がんは、「腎細胞がん」と「腎盂(じんう)がん」の2つに大きく分けられますが、その8割が腎細胞がんであるという特徴を持ちます。この記事では、個別に指定する必要がない場面では「腎臓がん」と表現します。

腎臓がんの免疫療法は、患者さま自身の免疫力を活用してがん細胞を攻撃する治療法です。

免疫システムを強化し、がん細胞を標的とすることで、従来の治療法とは異なるアプローチでがんの進行を抑えることが期待されます。

免疫療法は、他の治療法と組み合わせることで相乗効果を生む点が特徴で、患者さま一人ひとりに合わせた柔軟な対応が可能です。

6種複合免疫療法

6種複合免疫療法は、複数の免疫細胞を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。

活用される6種類の免疫細胞は以下のとおりです。

  • 樹状細胞:がん細胞を認識し、他の免疫細胞にがん細胞の抗原を提示する。
  • ヘルパーT細胞:樹状細胞が提示した抗原を認識し、キラーT細胞やNK細胞を活性化させることで攻撃の指令を出す。
  • キラーT細胞:抗原をもとにがんを探し出し、攻撃する。
  • NK細胞:抗原を隠したがん細胞も探し出し、直接攻撃する。
  • NKT細胞:他の細胞を活性化し、免疫環境を改善して攻撃力を高める。活性化させた細胞が長期免疫記憶を獲得し、長期的にがんを攻撃できる。
  • ガンマデルタT細胞:指令を必要とせず他のT細胞とは全くちがう方法でがんを認識し攻撃する。

これらの免疫細胞が相互に作用することで、免疫システムを全体的に強化し、がんの進行を抑制します。

6種複合免疫療法は、がんの進行度や患者の体調に応じた治療計画が立てられるため、オーダーメイドの治療として注目されています。

6種複合免疫療法は患者さま自身の細胞を使用するため副作用が少なく、化学療法や放射線療法などの標準的な治療と組み合わせることで治療効果を向上させることができます。

副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。

①がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する

がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能で、一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

②副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である

患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。

そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。

また、費用は治療ごとでのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。

③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

6種複合免疫療法は、採血によって取り出した免疫細胞を培養し、活性化させた後点滴で体内に戻すという治療法です。方法は、採血と点滴だけの通院治療です。

そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

 

6種複合免疫療法・判定基準

6種複合免疫療法・進行抑制率

6種複合免疫療法・進行抑制率

A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

6種複合免疫療法・対応がん種

これが当研究所がご提供できる「可能性」です。

詳細は以下よりお問い合わせください。

その他の免疫療法

6種複合免疫療法以外の免疫療法も研究・開発が進んでいます。

特に、患者さま自身の免疫細胞を活性化させる免疫細胞療法や、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬が注目されています。

免疫細胞療法

免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫細胞を体外で活性化・増殖させた後、再び体内に戻してがん細胞を攻撃する治療法です。

腎臓がんに対しても研究が進められており、免疫の働きを高める新たなアプローチとして期待されています。

治療法 概要
樹状細胞ワクチン療法 がん細胞の目印となる抗原を樹状細胞に認識させ、免疫系を活性化する
活性化リンパ球療法 患者さまのリンパ球を体外で増殖・強化し、体内に戻す
CAR-T細胞療法(研究段階) 遺伝子改変したT細胞を用いて、がん細胞を標的に攻撃する

免疫細胞療法は副作用が比較的少なく、個別化治療が可能な点がメリットですが、現時点では高額な治療費がかかることや、保険適用外であるケースが多いという課題があります。

免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫システムの攻撃を逃れる仕組みを阻害し、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする薬剤です。

腎臓がんの治療においても重要な役割を担っており、進行性・転移性腎細胞がんの治療で広く使用されています。

薬剤名(商品名) 主な作用 特徴・使用方法
ニボルマブ(オプジーボ) 免疫細胞(T細胞)の活性化を促進 他の免疫療法や分子標的薬と併用されることが多い
イピリムマブ(ヤーボイ) 免疫反応を強化 ニボルマブとの併用療法が推奨されることがある
ペムブロリズマブ(キイトルーダ) T細胞の攻撃力を向上 進行腎細胞がんに対する治療選択肢の一つ
アベルマブ(バベンチオ) がん細胞の免疫回避を防ぐ アキシチニブ(分子標的薬)との併用で使用されることが多い

単独使用のほか、分子標的薬との併用療法も行われ、より高い治療効果が期待されています。一方で、免疫の過剰反応により自己免疫疾患のような副作用(皮膚炎、肝機能障害、内分泌異常など)が起こることがあるため、定期的な検査と慎重な管理が必要です。

分子標的薬

分子標的薬は、がん細胞の特定の分子やシグナル伝達経路を標的にし、がん細胞の増殖や血管新生を阻害する薬剤です。

腎臓がんの治療では、がん細胞の成長を助けるタンパク質や血管形成を抑制する作用を持つ薬剤が使用されます。

薬剤名(商品名) 主な作用 特徴・使用方法
スニチニブ(スーテント) がん細胞の増殖や血管形成を抑制 進行・転移性腎細胞がんの第一選択薬
アキシチニブ(インライタ) 血管新生を阻害し、がんの成長を抑える 免疫チェックポイント阻害剤との併用が多い
カボザンチニブ(カボメティクス) 進行腎細胞がんの増殖を抑制 他の治療後に使用されることがある
レンバチニブ(レンビマ) 血管新生やがん細胞の増殖を抑える 免疫療法(ペムブロリズマブ)と併用されることが多い

分子標的薬は免疫チェックポイント阻害剤と併用することで、治療効果を高めることが期待されています。ただし、高血圧、下痢、手足症候群(皮膚障害)、甲状腺機能低下などの副作用が発生する可能性があるため、慎重な管理が必要です。

腎臓がんの免疫療法以外の治療法

癌(がん)の5大治療法とは?のイメージ画像

腎臓がんの治療には、免疫療法だけでなく、手術療法や放射線療法、化学療法などの多様な治療法が存在します。また、進行した場合や特定の条件下では、凍結療法(がん細胞を凍結して死滅させる治療)や、慎重に経過を観察する監視療法が選択されることもあります。

手術療法

手術療法は、腎臓がんの治療において最も根治が期待できる治療法です。特に、ステージⅠ〜Ⅲの腎細胞がんでは、手術による完全切除が第一選択となります。

手術法 適応 特徴
根治的腎摘除術
  • 腎がんが進行している場合(ステージⅡ以上)
  • 腎機能が十分に残る場合
腎臓全体を摘出する手術。進行がんや腎静脈・大静脈への浸潤がある場合に適応される。
腎部分切除術
  • 腫瘍が小さい(4cm以下が目安)
  • 腎機能を温存したい場合
がん部分のみを切除し、腎臓を温存する手術。低侵襲な腹腔鏡手術やロボット支援手術で行われることが多い。

手術は、以下の方法で行われることが一般的です。

  • 開腹手術
  • 腹腔鏡手術(小さな切開で行う低侵襲手術)
  • ロボット支援手術(精密な操作が可能な最新の手術法)

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を破壊する治療法です。しかし、腎細胞がんは放射線に対する感受性が低いため、第一選択の治療法とはなりません。

放射線療法が適応されるケース

  • 手術が困難な患者さま(高齢者や合併症を持つ患者さま)
  • 転移性腎がんの痛みや症状の緩和(骨転移や脳転移に対する緩和療法)
  • 再発防止や局所制御(手術後にがんの増殖を抑える目的)

放射線療法では、外部照射(体外から放射線を当てる方法)が一般的に用いられます。特に、定位放射線治療(SBRT)は、ピンポイントで腫瘍に高線量の放射線を照射できる技術であり、腎がんの一部症例に応用されることもあります。

放射線治療は、腎臓がんの根治的な治療ではなく、補助的・緩和的な役割として使用されることが多いです。副作用としては周囲の正常組織への影響(疲労感、胃腸障害、皮膚炎など)があるため、治療計画は慎重に立てられます。

腎細胞がんへの凍結療法

凍結療法(クライオアブレーション)は、極低温のプローブ(針)を用いてがん組織を凍結し、細胞を壊死させる治療法です。

腎細胞がんの治療において、手術が困難な患者さまや小径腎がん(T1a期、腫瘍径4cm以下)の患者さまに適応されることが多いです。

凍結療法には以下のような特徴があります。

  • 低侵襲治療:開腹手術を必要とせず、局所麻酔または軽度の全身麻酔で実施可能
  • 短い入院期間:術後の回復が早く、高齢者や合併症を持つ患者さまにも適応されやすい
  • 繰り返し治療が可能 :再発した場合でも、同様の処置を行うことができる

凍結療法は腎機能の温存が必要な患者さまに適した治療法ですが、腫瘍の大きさや位置によっては十分な治療効果が得られないことがあります。また、手術療法と比較して長期的な治療成績に関するデータが限られているため、定期的な経過観察が不可欠です。

監視療法

監視療法(アクティブサーベイランス)は、すぐに治療を行わず、定期的な検査を行いながら腎細胞がんの進行を観察する治療戦略です。

特に、腫瘍が小さく(T1a期、4cm以下)、進行が遅いと考えられる場合に適応されます。

 

監視療法の適応ケース

  • 高齢者や合併症を持つ患者さまで、手術リスクが高い場合
  • 腫瘍の増殖が遅く、即時治療の必要がない場合
  • 腎機能を温存したい場合

 

メリット

  • 手術や薬物療法に伴う合併症や副作用を回避できる
  • 腎機能を温存し、生活の質(QOL)を維持できる

 

注意点

  • 定期的な画像検査(CT・MRⅠなど)が必要
  • がんが進行するリスクがあるため、適切なタイミングで治療介入が求められる

腎細胞がんの転移場所

腎臓がん 転移

腎細胞がんは、腎臓のうち腎実質の細胞ががん化したものであり、進行すると血流やリンパ管を介して他の臓器へ転移する可能性があります。

特に、腎臓は血流が多い臓器であるため、血行性転移(遠隔転移)が起こりやすいのが特徴です。また、腎臓周囲のリンパ節に転移するリンパ節転移も見られることがあります。

転移先 特徴・症状
肺転移 最も頻度が高く、約50~60%の転移性腎細胞がんで認められる。初期は無症状だが、進行すると咳・血痰・呼吸困難が現れることがある。
骨転移 腰椎や骨盤などの脊椎や大腿骨に転移しやすい。骨の脆弱化により、痛みや病的骨折を引き起こすことがある。
脳転移 比較的まれだが、頭痛・めまい・けいれん・意識障害などの神経症状が出現することがある。放射線治療や手術が必要になるケースもある。
肝転移 腎細胞がんが肝臓に転移すると、倦怠感・食欲低下・黄疸などの症状が現れることがある。血流が豊富なため、多発性転移のリスクが高い。

 

腎細胞がんは、腎臓周囲のリンパ節にも転移することがあります。

特に、以下のリンパ節に転移しやすい傾向があります。

  • 傍大動脈リンパ節(大動脈の周囲にあるリンパ節)
  • 腸骨リンパ節(骨盤内にあるリンパ節)

初期は無症状ですが、進行するとリンパ節の腫れや圧迫による痛みが発生することがあります。

腎臓がんの再発

腎臓がんの再発とは、手術後にがんが元の腎臓周辺や他の臓器に再び発生することを指します。

腎臓がんは進行が遅い場合もありますが、数年後に転移や再発が見つかることがあるため、長期的な経過観察が重要です。

タイプ 特徴
局所再発 手術で腫瘍を取り切った後に、同じ部位や腎臓周辺にがんが再発する
遠隔転移 肺・骨・脳・肝臓・リンパ節など、血流やリンパを介して他の臓器に転移する

再発リスクを減らすためには、定期的なCTやMRI検査が必要です。再発した場合は、免疫療法や分子標的薬、放射線治療が選択肢となります。

腎臓がんと6種複合免疫療法

腎臓がんの治療において、免疫療法はさまざまな治療法の中でも注目されている選択肢の一つです。

免疫療法は、患者自身の免疫力を活性化し、がん細胞を攻撃する治療法で、従来の治療法と組み合わせて効果を高めることができます。

特に「6種複合免疫療法」は、複数の免疫細胞を組み合わせることで、がんの進行を抑え、患者の体力を維持しながら治療効果を上げる方法として注目されています。

この治療法は、副作用が少なく、入院の必要もないため、生活リズムを変えることなく進行を抑制できます。

同仁がん免疫研究所では、6種複合免疫療法について専任のスタッフがわかりやすく丁寧に対応いたします。資料請求またはお電話で、まずはお気軽にご相談ください。

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