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多発性骨髄腫とは? 症状や検査、治療法について解説

多発性骨髄腫は、血液のがんの一種です。

高齢者に多くみられ、若年層での発症は稀とされています。

血液がんの年間罹患者数はおよそ5万人弱と推定されており、そのうち約6割を悪性リンパ腫、約2割弱を白血病、そして約1割弱を多発性骨髄腫が占めています。

このことから、多発性骨髄腫は血液がんの中では比較的稀ながんといえます。

今回の記事では、多発性骨髄腫の基本的な仕組みから、最新の治療法、再発時の対応、今後の研究動向まで、わかりやすく解説します。

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多発性骨髄腫とは?

多発性骨髄腫とは

多発性骨髄腫は、骨髄の中で異常な形質細胞が増殖することによって発症する、血液のがんの一種です。

この異常な細胞が作り出す「Mタンパク」と呼ばれるタンパク質が、全身にさまざまな症状や臓器障害を引き起こします。

特に、骨や腎臓に影響を及ぼしやすいのが特徴です。

血液がんの一種

多発性骨髄腫は、「血液がん」に分類される疾患の一つで、白血球の一種である「形質細胞」ががん化し、異常に増殖することによって発症します。

白血病や悪性リンパ腫と同様に、骨髄内の細胞に異常が生じる病気ですが、骨や腎臓、免疫系に特有の障害を引き起こす点で、他の血液がんとは異なります。

血液がんにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

主な分類と特徴は以下のとおりです。

種類 特徴
白血病 骨髄内で未熟な血液細胞が異常に増える
悪性リンパ腫 リンパ節を中心に異常なリンパ球が増殖する
多発性骨髄腫 骨髄内で異常な形質細胞が増殖し、骨や腎臓などに障害を引き起こす

多発性骨髄腫は血液のがんでありながら、骨や臓器への症状が現れやすいという特徴があります。

異常な形質細胞とMタンパク

多発性骨髄腫では、本来は免疫機能を担う形質細胞ががん化し、異常に増殖します。これらの異常な形質細胞は、通常の抗体ではなく、「Mタンパク」と呼ばれる異常なたんぱく質を大量に産生します。

Mタンパクは血液中に蓄積し、臓器障害や免疫機能の低下など、さまざまな悪影響を及ぼします。

異常な産生物・現象 影響
Mタンパクの蓄積 腎臓に負担をかけ、腎機能障害を引き起こす
正常な抗体の減少 感染症への抵抗力が低下し、肺炎などを起こしやすくなる
骨髄内での異常細胞の増殖 骨を破壊し、骨の痛みや骨折の原因となる

Mタンパクの存在は、多発性骨髄腫の特徴であり、症状の進行状況の把握や診断・治療の重要な指標となります。

骨髄腫と他のがんとの違い

多発性骨髄腫は、一般的ながん(固形がん)とは異なり、骨髄という「血液をつくる工場」で発生する血液がんの一種です。腫瘍が特定の臓器にできるのではなく、骨髄や血液中に広がっていく点が特徴です。

他のがんとの主な違いは以下のとおりです。

項目 多発性骨髄腫の特徴 他のがん(固形がん)の特徴
発生部位 骨髄(造血組織)に発生 臓器や組織(例:肺、胃、大腸など)に発生
広がり方 血液を通じて全身の骨髄に広がる 原発部位から周囲の組織やリンパ節、他臓器へ転移
主要症状 骨の痛み、貧血、腎機能障害、免疫力の低下など多岐にわたる 腫瘍がある部位に応じた局所的な症状が中心
腫瘍の形 腫瘍の塊は少なく、Mタンパクという異常タンパクを産生 明確な「しこり」として目に見える、あるいは触れてわかることが多い

多発性骨髄腫は、一般的ながんのように「腫瘍のかたまり」が目に見えるタイプではなく、全身に影響を及ぼす慢性的で進行性の疾患です。

多発性骨髄腫の症状

原発不明がん

多発性骨髄腫では、骨や血液、免疫機能に関わるさまざまな症状が現れます。代表的なものとしては骨の痛みや貧血があり、病状が進行すると腎機能障害や感染症など、全身に影響を及ぼす症状も見られるようになります。

症状の現れ方には個人差があります。

以下は、多発性骨髄腫によく見られる代表的な症状とその特徴です。

症状 特徴
骨の痛み 特に背中や腰に出やすく、進行すると日常生活に支障をきたすことがある
骨折 骨がもろくなることで、軽い衝撃でも圧迫骨折や手足の骨折が起こりやすくなる
貧血 赤血球が減少し、息切れ・めまい・慢性的な疲労感などが現れることが多い

これらの症状が複数同時に現れることもあります。

また、多発性骨髄腫では、骨の症状だけでなく、腎臓の機能低下や感染症のリスク上昇といった合併症も見られます。

合併症 特徴
腎機能障害 Mタンパクの蓄積により腎臓が障害され、むくみや尿量減少が起こることがある
感染症 抗体の産生低下により免疫力が弱まり、肺炎や尿路感染などを繰り返すことがある

これらの合併症は、病気の進行とともに発症しやすくなります。

多発性骨髄腫の検査

多発性骨髄腫 検査方法

多発性骨髄腫を正しく診断するためには、血液や尿の成分、骨髄の状態を詳しく調べることが不可欠です。

さらに、骨の損傷を確認する画像検査や、病気の進行度を評価する病期分類も重要な判断材料となります。これらの検査結果を総合的に評価して、最適な治療方針が決定されます。

血液検査・尿検査・骨髄検査

多発性骨髄腫の診断は、血液検査、尿検査、骨髄検査の3つを中心に行われます。

これらの検査により、異常なたんぱく質(Mタンパク)の存在や形質細胞の異常増加、腎機能・貧血の状態などが明らかになり、病気の確定診断と進行の評価が行われます。

各検査の主な内容は以下のとおりです。

検査項目 検査の目的・内容
血液検査 Mタンパク、カルシウム、クレアチニン、貧血の有無などを評価
尿検査 ベンス・ジョーンズ蛋白(尿中Mタンパク)の有無を確認
骨髄検査 骨髄中の形質細胞の割合や性質を調べ、がん化した細胞の有無を確認(局所麻酔下で実施)

 

骨病変の確認(MRI・PET-CTなど)

多発性骨髄腫では、がん化した形質細胞が骨を破壊するため、骨病変の有無を確認する画像検査が重要です。

初期の病変はX線では見つからないことがあるため、より高感度な画像診断が必要になります。

特にMRIやPET-CTは、骨の内部や全身への影響を詳しく評価できる有効な手段です。

主な検査とその特徴は以下のとおりです。

検査方法 特徴
MRI 骨髄の中の異常な細胞の分布を詳細に確認でき、早期病変の発見に有効
PET-CT がんの活動性や全身への広がりを評価でき、治療効果の判定にも役立つ
骨X線検査 骨の破壊や骨折を可視化できるが、病変が進行しないと写らないこともある

これらの検査を組み合わせることで、より正確な診断と治療計画の立案が可能になります。

国際病期分類(ISS)とは?

国際病期分類(ISS:International Staging System)は、多発性骨髄腫の進行度を評価する国際的な指標です。

血液中のβ2ミクログロブリンとアルブミンの値に基づいて、病状を3つのステージに分類します。これにより、予後の見通しや治療方針の検討に役立てられます。

各ステージの特徴は以下のとおりです。

ステージ 特徴
ステージⅠ β2ミクログロブリンが3.5mg/L未満かつアルブミンが3.5g/dL以上で予後が良好とされる
ステージⅡ ステージⅠ・Ⅲのいずれにも該当しない中間的な進行度
ステージⅢ β2ミクログロブリンが5.5mg/L以上で進行した状態とされ、予後は慎重に判断される

この分類はシンプルで使いやすく、臨床の現場でも広く用いられています。

多発性骨髄腫の治療法

癌(がん)の5大治療法とは?のイメージ画像

多発性骨髄腫の治療は、患者さまの病状・年齢・体力などに応じて個別に治療計画が立てられます。

治療には、化学療法や分子標的薬、免疫療法を組み合わせるほか、体力がある方には自家造血幹細胞移植も選択肢となります。治療の目的はがんを完全に消すことではなく、長期間にわたり病状をコントロールし、生活の質を保つことです。

化学療法・分子標的薬・免疫療法の使い分け

多発性骨髄腫の治療では、化学療法・分子標的薬・免疫療法を組み合わせることで、がん細胞への多角的なアプローチが可能になります。

患者さまの年齢や体調、病期に応じて治療を柔軟に組み合わせることで、長期的な病状のコントロールが期待されます。

それぞれの治療法の特徴は以下のとおりです。

治療法 特徴
化学療法 細胞分裂を阻害し、がん細胞の増殖を抑える。再発や進行例にも広く使用される
分子標的薬 がん細胞特有の分子を狙い撃ちする。副作用が比較的少なく、効果が高い
免疫療法 患者さまの免疫力を高めてがんを攻撃。抗体医薬(例:ダラツムマブ)などが使用される

 

自家造血幹細胞移植(自家移植)

自家造血幹細胞移植(自家移植)は、多発性骨髄腫に対して高用量の化学療法の効果を最大限に高め、長期的な病状コントロールを目指す治療法です。

この治療では、患者さま自身の造血幹細胞をあらかじめ採取・保存しておき、強力な抗がん剤でがん細胞を攻撃した後、保存していた幹細胞を体内に戻して骨髄機能を回復させます。

この治療の主な流れと特徴は以下のとおりです。

ステップ 内容
幹細胞の採取 化学療法後に一時的に血中に放出される幹細胞を採取・保存
高用量化学療法 通常より強力な抗がん剤で骨髄内のがん細胞を集中的に攻撃
幹細胞の再投与 保存していた幹細胞を体内に戻し、造血機能の回復を促す

この治療法は比較的若く体力のある患者さまに適応されることが多く、長期的な病状コントロールが期待できます。

治療スケジュールと副作用

多発性骨髄腫の治療は、導入療法・地固め療法・維持療法といった段階的なステップで進められます。

使用する薬剤や自家移植の有無によって治療期間は異なり、数ヶ月から数年に及ぶこともあります。

治療の効果を高めつつ生活の質を維持するためには、副作用への適切な対応が重要です。

主な治療の流れと副作用の例は以下のとおりです。

治療段階 特徴と主な副作用例
導入療法 初期治療でがんを抑える。倦怠感・吐き気・感染症リスクが現れることがある
地固め療法 自家移植を含む強力な治療。一時的な骨髄抑制や脱毛、口内炎などが生じやすい
維持療法 再発を防ぐ長期管理。疲労感やしびれなどの慢性的な副作用が出る場合がある

 

再発・難治性多発性骨髄腫への対応と長期的な治療戦略

治療法

多発性骨髄腫は再発を繰り返す慢性の病気であり、治療と休薬を繰り返しながら長期的に病状を管理していく必要があります。

特に、再発や治療が効きにくくなる治療抵抗性の段階では、使用する薬剤の見直しや治療方針の再構築が重要となります。

患者さま一人ひとりにとって最適な治療を選択するためには、定期的なモニタリングが欠かせません。

 

再発時の薬剤変更と治療戦略

多発性骨髄腫は再発を繰り返す性質があるため、再発時にはこれまでに使用した薬剤の効果や副作用の有無などを総合的に考慮し、薬剤の変更や組み合わせの調整が必要になります。

主な再発時の治療は以下のとおりです。

治療戦略 特徴
薬剤の切り替え 前回使用していない作用機序の薬剤に変更し、新たな反応を期待する
治療の組み合わせ変更 複数の薬剤を組み合わせて治療効果を高め、副作用のバランスを考慮する
移植や新薬の検討 再発の程度によっては自家移植の再実施や臨床試験の新薬が選択肢になることもある

同じ薬剤が効かなくなる「耐性」が生じることもあるため、複数の治療選択肢を検討しながら戦略を練ることが重要です。

長期的な管理と定期モニタリング

多発性骨髄腫は、長期にわたって病状をコントロールする必要がある慢性疾患です。

そのため、定期的なモニタリングが治療継続の鍵となります。定期モニタリングとは、検査を含めた継続的・包括的な経過観察全体のことを指します。

症状が安定している期間であっても、再発の兆候を見逃さないために、定期的な検査や診察を継続することが重要です。

モニタリングの主な内容は以下のとおりです。

モニタリング項目 内容
血液検査 Mタンパクの量、β2ミクログロブリン、腎機能、貧血の有無などを定期的に確認
骨髄検査 病状の進行や治療効果の判定に基づき、必要に応じて検査を実施
画像検査 骨病変や再発の有無を確認。必要に応じてMRIやPET-CTを使用する

 

セカンドオピニオンの活用と臨床試験

多発性骨髄腫の治療は長期に及ぶため、治療選択に迷った際にはセカンドオピニオンの活用が役立ちます。また、標準治療の選択肢が限られてきた場合には、臨床試験に参加することで新しい治療の選択肢が得られる場合もあります。

主な活用方法と特徴は以下のとおりです。

項目 内容
セカンドオピニオン 他院の専門医から意見を聞くことで、治療方針に納得し安心して選択できる
臨床試験の参加 新薬や新しい治療法を試す機会となり、特に再発・難治性の症例で選択肢が広がる

主治医とよく話し合いながら情報を整理し、自分が納得できる治療方法を選ぶことが、安心して治療を続けるための大切な第一歩です。

最新の研究動向と未来への希望

多発性骨髄腫の治療は日々進歩しており、近年は従来の薬物療法に加えて免疫療法への関心が高まっています。

特にCAR-T療法や6種複合免疫療法といった革新的な治療法の登場により、再発や難治性の症例に対する新たな希望が生まれています。

CAR-T療法など革新的な治療法

CAR-T療法は、患者さま自身のT細胞を遺伝子操作によって改変し、がん細胞を特異的に攻撃する能力を持たせる最先端の細胞療法です。

多発性骨髄腫では、BCMAと呼ばれる特定の抗原を標的としたCAR-T細胞が臨床応用され始めており、特に再発・難治性の症例に対して有望な治療選択肢とされています。

主な特徴は以下のとおりです。

特徴 内容
標的の特異性 骨髄腫細胞に多く発現するBCMAを認識し、がん細胞のみを攻撃する
高い治療効果 一部の患者さまで深い寛解が得られるが、長期的な効果は今後の検証が必要
副作用の管理が重要 サイトカイン放出症候群(CRS)などの副反応が出ることがあり、専門的な対応が必要

今後の研究によって安全性と持続性がさらに確立されれば、治療の選択肢として広く普及していくことが期待されています。

多発性骨髄腫と6種複合免疫療法

近年、多発性骨髄腫の治療では、標準治療に加えて患者さま自身の免疫機能を活用した新しい治療アプローチが注目されています。

その中でも「6種複合免疫療法」は、複数の異なる免疫細胞を組み合わせることで、がん細胞に対してより多面的な攻撃を行う治療法として期待されています。副作用が比較的少なく、標準治療と併用できる点も利点です。

次に、この6種複合免疫療法がどのような仕組みで行われるのか、具体的に解説していきます。

副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。

①副作用が少なく、体への負担が小さい治療法である

患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。

そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。

②がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する

がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能で、一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

6種複合免疫療法は、採血と点滴だけの通院治療です。

そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

 

6種複合免疫療法・判定基準

6種複合免疫療法・進行抑制率

6種複合免疫療法・進行抑制率

A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

6種複合免疫療法・対応がん種

 

詳細は以下よりお問い合わせください。

 

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