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免疫療法が効く人と効かない人を徹底解説。自分やご家族が免疫療法に向いているかチェック

がん治療の分野では、手術、抗がん剤、放射線治療に続く「第4の治療法」として免疫療法が注目されています。しかし、免疫療法には大きな課題があります。それは、「効く人と効かない人がいる」ということです。同じがん種の患者さまでも、免疫療法によってがんが縮小する方がいる一方で、まったく効果が現れない方もいます。
この記事では、免疫療法が効く人と効かない人の特徴について、最新の研究データとエビデンスを基に詳しく解説します。ご自身やご家族が免疫療法に向いているかどうかを判断する材料として、ぜひお役立てください。
INDEX
がん免疫療法とは

免疫療法の仕組みと他の治療法との違い
免疫療法とは、私たちの体に備わっている免疫システムを活用してがんを治療する方法です。従来の治療法が「がん細胞を直接攻撃する」アプローチだったのに対し、免疫療法は「体の免疫力を高めてがんと闘わせる」という根本的に異なるアプローチを取ります。
参考:https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/index.html
免疫療法は手術や抗がん剤と比べて副作用が少なく、体への負担が軽いのが特徴です。また、効果が現れると長期間持続する傾向があり、生活の質(QOL)を維持しながら治療を続けられる点も大きなメリットと言えます。
なぜがん細胞は免疫から逃れられるのか
本来、私たちの免疫システムは体内に発生したがん細胞を異物として認識し、攻撃・排除する機能を持っています。健康な人でも毎日数百から数千個のがん細胞が発生していますが、免疫細胞によって速やかに処理されているのです。
しかし、がん細胞は生き残るために巧妙な戦略を用います。
- 免疫細胞にブレーキをかける:PD-L1というタンパク質を使って免疫細胞の攻撃力を弱める
- 自分の正体を隠す:がん抗原の発現を減らして免疫細胞から見つかりにくくする
- 免疫抑制環境を作る:周囲に免疫を抑制する細胞や物質を集めて「免疫の目の届かない聖域」を形成する
このようながん細胞の「免疫逃避メカニズム」を理解することが、効果的な免疫療法を選択する上で重要となります。
免疫療法の主な種類を知ろう

免疫チェックポイント阻害薬とは
まずは免疫チェックポイント阻害薬を使う方法です。代表的な薬剤には以下があります。
- ニボルマブ(オプジーボ):PD-1を標的とする薬剤
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ):PD-1を標的とする薬剤
- アテゾリズマブ(テセントリク):PD-L1を標的とする薬剤
- イピリムマブ(ヤーボイ):CTLA-4を標的とする薬剤
これらの薬剤は、がん細胞が免疫細胞にかけている「ブレーキ」を解除することで、免疫システムの攻撃力を回復させます。現在、多くのがん種で保険適用となっており、標準治療として位置づけられています。
免疫細胞療法(CAR-T療法など)
患者さま自身の免疫細胞を体外で培養・改造して体内に戻す治療法です。下記が代表例です。
- 6種複合免疫療法:患者自身の6種類の免疫細胞を同時に培養・活性化
- CAR-T療法:T細胞に人工的な受容体を組み込んで、がん細胞への攻撃力を強化
- NK細胞療法:自然免疫の主役であるNK細胞を活性化・増殖
- 樹状細胞ワクチン療法:がん抗原を認識した樹状細胞を投与
CAR-T療法は一部の血液がんで保険適用となっていますが、固形がんへの応用は現在研究段階です。
免疫療法が効く人の5つの特徴

①腫瘍浸潤リンパ球が豊富な方
がん組織の中に免疫細胞(リンパ球)がたくさん入り込んでいる状態を「腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が豊富」と呼びます。このような「ホット腫瘍」では、免疫療法の効果が高いことが多くの研究で確認されています。
特に重要なのは、がんを攻撃するエフェクターT細胞のPD-1が多く発現している一方で、免疫を抑制する制御性T細胞のPD-1発現が少ない状態です。
②PD-L1発現が高い方
がん細胞表面のPD-L1タンパク質の発現量が高い患者さまでは、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待できます。PD-L1発現は病理検査で確認でき、治療選択の重要な指標となっています。
ただし、PD-L1発現が低くても効果が現れる場合があるため、単独の指標として判断するのではなく、他の要因と総合的に検討することが重要です。
③遺伝子変異が多い(TMB高値)方
腫瘍変異負荷(TMB:Tumor Mutation Burden)が高い患者さま、つまりがん細胞の遺伝子に変異が多い患者さまでは、免疫療法の効果が高い傾向があります。
これは、遺伝子の変異が多いほど、がん細胞が作り出すタンパク質も多様になり、免疫システムが「異物」として認識しやすくなるためです。TMBは次世代シーケンサーという装置を使った遺伝子検査で測定できます。
④免疫療法が効きやすいがん種の方
がん種によって免疫療法の効きやすさは異なります。比較的効果が期待できるがん種として以下が挙げられます。
- メラノーマ(悪性黒色腫)
- 腎細胞がん
- 非小細胞肺がん
- 頭頸部がん
- 膀胱がん
- ホジキンリンパ腫
一方で、膵がん、大腸がん(MSI-H以外)などは従来の免疫チェックポイント阻害薬では効果が限定的とされています。
⑤免疫機能が良好に保たれている方
免疫療法の効果を得るためには、患者さま自身の免疫機能が一定水準以上保たれていることが重要です。以下のような方では免疫機能が良好と考えられます。
- 全身状態が比較的良好(PS 0-1)
- 栄養状態が保たれている
- 感染症がコントロールされている
- 過度なストレスや疲労がない
免疫療法が効かない人の特徴と科学的根拠

免疫抑制環境が強い
がん組織の周囲に免疫を抑制する細胞や物質が多く存在する「免疫抑制環境」では、免疫療法の効果が期待できません。具体的には以下のような環境です。
- 制御性T細胞(Treg):免疫を抑える働きをする細胞が多い
- 骨髄由来抑制細胞(MDSC)が蓄積している
- TGF-β、IL-10などの免疫抑制性サイトカインが高値
- 腫瘍関連マクロファージが多数存在する
このような「コールド腫瘍」では、免疫細胞ががん組織に入り込めないか、入り込んでも機能が抑制されてしまいます。
がんが進行している・転移が多い
進行がんや多発転移がある状態では、免疫療法の効果が限定的になる場合があります。理由としては以下が挙げられます。
- 腫瘍量が多すぎて免疫系が対処しきれない
- がん細胞の多様性(heterogeneity)が高く、一部が免疫から逃れやすい
- 全身状態の悪化により免疫機能が低下している
- 臓器機能の障害により治療継続が困難
免疫抑制剤やステロイドを使用中
以下の薬剤を使用中の方では免疫療法の効果が期待できません。
- 高用量ステロイド(プレドニゾロン換算で10mg/日以上)
- 免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリンなど)
- 生物学的製剤(TNF阻害薬など)
これらの薬剤は免疫系全体の機能を抑制するため、免疫療法の作用機序と相反してしまいます。
活動性の自己免疫疾患がある
関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患が活動期にある方では、免疫療法により病状が悪化する可能性があります。
免疫チェックポイント阻害薬は免疫系を全体的に活性化するため、自己免疫反応も同時に強化されてしまうリスクがあるのです。
バイオマーカーが低値
免疫療法の効果を予測する各種バイオマーカーが低値の場合、治療効果は限定的になります。
- PD-L1発現:1%未満
- TMB:5 mutations/Mb未満
- MSI(マイクロサテライト不安定性):MSS(DNAの修復機能が正常)
- 腫瘍浸潤リンパ球:乏しい
なぜ免疫療法に抵抗性が生まれるのか

最初から効かない「一次抵抗性」
治療開始前から免疫療法に対する抵抗性がある状態を「一次抵抗性(初期無効)」といいます。主な原因として以下が挙げられます。
- がん抗原の欠如:免疫が認識すべき目印が少ない
- 抗原提示機構の異常:MHCクラスI分子の発現低下
- 免疫抑制環境:最初からコールド腫瘍の状態
- 遺伝子変異の少なさ:TMBが低値
一次抵抗性は免疫チェックポイント阻害薬で約70~80%の患者さまに見られる現象です。
※参考:https://www.cancertx-negiup.com/treatment/immunotherapy/resistance.html
途中から効かなくなる「獲得耐性」
最初は効果があった免疫療法が、治療の途中から効かなくなる状態を「獲得耐性(二次抵抗性)」と呼びます。がん細胞が治療に適応する過程で起こる現象です。
- 抗原の喪失:免疫の標的となる抗原を失う
- 免疫チェックポイントの新たな活性化:別の抑制経路が働く
- 腫瘍微小環境の変化:免疫抑制的な環境に変化
- T細胞の疲弊:長期の刺激により免疫細胞が機能低下
がん細胞が免疫から逃れる4つの方法
がん細胞は以下の4つの主要なメカニズムで免疫システムから逃れます。
- 抗原の隠蔽・変化:がん抗原の発現を減らしたり、構造を変える
- 免疫抑制分子の産生:PD-L1、CTLA-4、IDOなどを過剰発現
- 免疫抑制細胞の動員:Treg、MDSCなどを腫瘍周囲に集める
- 物理的バリアの形成:線維化により免疫細胞の浸潤を阻害
免疫チェックポイント阻害薬の実際の効果

有効率は2~3割という現実
免疫チェックポイント阻害薬の客観的奏効率(がんが縮小する割合)は、がん種にもよりますが概ね20~30%程度です。つまり、10人中7~8人には十分な効果が期待できないのが現実です。
ただし、効果が現れた場合の持続期間は長く、従来の抗がん剤では得られなかった長期生存が期待できる点が大きな特徴です。
起こりうる副作用と対処法
免疫チェックポイント阻害薬では「免疫関連有害事象(irAE)」と呼ばれる特有の副作用が起こることがあります。
- 皮膚症状:発疹、かゆみ、重篤な皮膚炎
- 消化器症状:下痢、大腸炎
- 内分泌障害:甲状腺機能異常、副腎機能不全
- 肝機能障害:AST、ALTの上昇
- 肺炎:間質性肺炎
これらの副作用は早期発見・早期対応が重要で、適切なステロイド治療により多くの場合改善可能です。
保険適用になるがん種と条件
2024年現在、免疫チェックポイント阻害薬が保険適用となる主ながん種は以下の通りです。
- 悪性黒色腫
- 非小細胞肺がん(一次治療、二次治療)
- 腎細胞がん
- 古典的ホジキンリンパ腫
- 頭頸部がん
- 胃がん
- 食道がん
- 肝細胞がん
- MSI-H固形がん
適用条件は薬剤とがん種によって異なるため、詳細は担当医にご確認ください。
あなたは免疫療法に向いている?セルフチェックリスト
免疫療法が向いている人のチェックリスト

以下の項目に多く当てはまる方は免疫療法の効果が期待できる可能性があります。
- □ 全身状態が比較的良好(日常生活に大きな支障がない)
- □ 免疫療法が効きやすいがん種(メラノーマ、腎がん、肺がんなど)
- □ PD-L1発現が陽性(1%以上)
- □ MSI-H(マイクロサテライト不安定性高頻度)
- □ 喫煙歴がある(肺がんの場合)
- □ 免疫抑制剤やステロイドを使用していない
- □ 活動性の自己免疫疾患がない
- □ 栄養状態が保たれている
- □ 感染症がない、またはコントロールされている
免疫療法が向いていない人のチェックリスト

以下の項目に当てはまる方は免疫療法の効果が期待しにくい可能性があります。
- □ 高用量のステロイドを使用中(プレドニゾロン10mg/日以上相当)
- □ 免疫抑制薬を使用中
- □ 活動性の自己免疫疾患がある(関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)
- □ 重篤な感染症がある
- □ 全身状態が著しく不良(PS 3-4)
- □ 多臓器不全の状態
- □ 脳転移が多発している
- □ PD-L1発現が陰性(<1%)で他のバイオマーカーも低値
医師に相談する際の重要ポイント
免疫療法を検討される際は、以下の点を医師に相談することをお勧めします。
- バイオマーカー検査の結果:PD-L1、TMB、MSIなどの値
- 併用薬の確認:ステロイドや免疫抑制薬の使用歴
- 既往歴の詳細:自己免疫疾患、感染症の有無
- 治療目標の設定:根治か延命か、QOLの重視度
- 費用と期間:保険適用の可否、治療継続期間の見込み
免疫療法の効果を高める併用治療戦略

標準治療(手術・抗がん剤・放射線)との併用
免疫療法は他の治療法と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
- 手術との併用:術前・術後に免疫療法を行い再発予防を図る
- 抗がん剤との併用:化学療法で腫瘍量を減らしつつ免疫を活性化
- 放射線との併用:放射線によりがん抗原を放出させ免疫応答を誘導
特に放射線療法との併用では「アブスコパル効果」と呼ばれる現象により、照射部位以外のがんも縮小することが報告されています。
複数の免疫療法を組み合わせるアプローチ
単剤では効果が限定的な場合でも、複数の免疫療法を組み合わせることで効果の向上が期待できます。
- チェックポイント阻害薬の併用:PD-1阻害薬 + CTLA-4阻害薬
- 免疫細胞療法との組み合わせ:活性化した免疫細胞と併用
- がんワクチンとの併用:特異的な免疫応答を誘導
バイオマーカー検査で最適な治療を選ぶ
個別化医療の観点から、患者さまごとに最適な免疫療法を選択するためのバイオマーカー検査が重要です。
- 遺伝子検査:がん遺伝子パネル検査でTMB、MSI等を評価
- 免疫組織化学染色:PD-L1発現、TILの評価
- 血液検査:免疫関連マーカー、炎症マーカーの測定
- 画像検査:腫瘍の特徴、転移の範囲を評価
6種複合免疫療法という新しい選択肢

6種複合免疫療法の特徴と仕組み
近年、複数の免疫細胞を同時に活性化する「6種複合免疫療法」が多くの医療機関で採用されています。この治療法は、従来の単一の免疫細胞を使った免疫療法の限界を克服するために開発された新しいアプローチです。
この治療法の特徴は、患者さまから採取した30ccという少量の血液から、6種類の免疫細胞を同時に培養・活性化させることです。約3週間の培養により、1,000~2,000万個だった細胞が20~50億個まで増殖し、活性化された状態で体内に戻されます。
6種複合免疫療法の効果
同仁がん免疫研究所が実施した調査では、6種複合免疫療法の効果(進行抑制率)がまとめられています。
- A判定(大きく減少):21名(5%)
- B判定(減少):79名(21%)
- C判定(変化なし):200名(53%)
- D判定(少し大きくなった):54名(14%)
- E判定(大きくなった):26名(7%)
この進行抑制率79%(A+B+C判定)という数字は、従来の免疫チェックポイント阻害薬の奏効率が20~30%であることを考えると、「がんを縮小させる」だけでなく「がんの進行を抑える」という観点で、多くの患者さまにとって意義のある治療選択肢となる可能性があります。
6種複合免疫療法が向いている方
6種複合免疫療法は、以下のような方に特に適していると考えられます。
- 体力が低下している方:副作用が少なく、体への負担が軽微
- 標準治療が困難な方:手術や抗がん剤が適用できない場合の選択肢
- 再発・転移予防を希望する方:全身療法として微小ながん細胞にも対応
- QOLを重視する方:入院不要で日常生活を維持しながら治療可能
- 他の治療との併用を希望する方:標準治療との併用により相乗効果を期待
また、T細胞・NK細胞・NKT細胞型の血液がんを除く、ほぼすべての固形がんに対応可能な点も大きな特徴です。
【がんの治療の選択肢としておすすめしたい「6種複合免疫療法」】
副作用が少なく、他の治療と併用できる!
6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。
治療法は採血と点滴だけの通院治療です。
6種複合免疫療法をおすすめする理由
- がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
- 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
- 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる
がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。
今すぐ詳細を知りたい方は、以下よりお問い合わせください。
まとめ

免疫療法はがん治療の選択肢を広げた画期的な治療法です。しかし、「効く人と効かない人がいる」という現実を正しく理解した上で、慎重に治療選択を行うことが重要です。
本記事でご紹介したチェックリストやバイオマーカーの情報を参考に、まずはご自身やご家族の状況を整理してみてください。そして、必ず専門医と十分に相談した上で治療方針を決定することをお勧めします。
免疫チェックポイント阻害薬の有効率が2~3割程度という現実を踏まえると、6種複合免疫療法のような新しい治療法への期待も高まりますよね。進行抑制率79%という同仁がん免疫研究所のデータは、多くの患者さまとご家族に希望をもたらすものと言えるでしょう。入院が要らず・副作用も少ない治療で、日常生活を維持しながらがんと向き合える点も魅力的です。
がん治療は患者さま一人ひとりの状況によって最適解が異なります。この記事が、あなたやご家族にとって最良の治療選択の一助となれば幸いです。
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