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免疫回避(免疫逃避)とは? がん細胞の性質とがんの進行を阻止する免疫療法について解説

免疫は人の健康と切っても切り離せない関係です。がんに対する抵抗力を高めるためにも、免疫は重要なポイントです。

今回は、がんを患っている方やそのご家族の方に向けて、免疫回避(免疫逃避)について情報をまとめました。がん細胞の性質とがんの進行を阻止する免疫療法について解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。

【がんの治療の選択肢としておすすめする「6種複合免疫療法」

副作用が少なく、他の治療と併用できる!


6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。

治療法は採血と点滴だけの通院治療です。

6種複合免疫療法をおすすめする理由

  • がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
  • 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
  • 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。

今すぐ詳細を知りたい方は、以下よりお問い合わせください。

 

がん細胞を攻撃する免疫の仕組み


まずは、がん細胞を攻撃する免疫の仕組みを紹介します。

がん細胞は通常、免疫によって排除されます。免疫によってがん細胞が排除される仕組みについて、簡単に解説します。免疫は異物を認識し排除する、複合的なメカニズムです。

がん免疫では主にT細胞が活躍し、がん細胞に対して貪食細胞やNK細胞が初期応答を示すことが知られています。樹状細胞やマクロファージはがん細胞を取り込みT細胞に抗原を提示、その後T細胞はがん抗原特異的に活性化します。がん細胞を認識・攻撃し排除することが、免疫の仕事の一つです。

がんの免疫回避(免疫逃避)とは?


次に、がんの免疫回避(免疫逃避)とは何かを解説します。前述したように、体内では免疫によってがん細胞を排除する仕組みが成り立っています。

しかし、がん細胞はさまざまな性質を持っており、免疫から逃げたり隠れたり反撃したりすることがあります。

これを「がんの免疫回避」「がんの免疫逃避」と呼びます。「がんの免疫回避」「がんの免疫逃避」については、次章以降で詳しく紹介します。

隠れる性質

がんの免疫回避(免疫逃避)として、隠れる性質があります。がん細胞は、早期がんから進行がんになっていく時期にがん抗原(がんの特徴ともされるタンパク質)を表面から隠す性質があります。早期がんの場合、免疫によってすぐに排除できるものの、この隠れる性質によってそのまま進行・転移してしまいます。

逃げる性質

がんの免疫回避(免疫逃避)として、逃げる性質があります。肺・胃・腸・肝臓などは免疫細胞が多い臓器であり、がん細胞は免疫細胞に見つかりやすい傾向にあります。

そのため、がん細胞は免疫細胞の一つである好中球の中に逃げてしまいます。好中球の中に逃げてしまうと免疫細胞が攻撃できず、そのままがん細胞は成長してしまいます。

免疫を抑制する性質

がんの免疫回避(免疫逃避)として、免疫を抑制する性質があります。

がん細胞が大きくなると、免疫細胞に反撃してきます。免疫を抑制する機能(免疫チェックポイント)を、がん細胞が取り込んでしまうのです。これにより免疫細胞の働きを弱めてしまい、がん細胞は体内で進行・増殖してしまいます。

がんの免疫回避を阻止する免疫療法

続いては、がんの免疫回避を阻止する免疫療法について紹介します。前述したがんの免疫回避を阻止するための治療法として、免疫療法があります。免疫療法とは、免疫の力を利用した治療法です。免疫により、がんを攻撃します。

効果が証明された免疫療法には、以下のような特徴があります。

  • T細胞ががん細胞を攻撃する力を保つ治療法
  • 免疫が攻撃する力を強めてがん細胞を攻撃する治療法

 

現在行われている免疫療法にはさまざまな種類があります。次章以降で、主な治療法である

  • 樹状細胞ワクチン療法
  • エフェクターT細胞療法
  • NK細胞療法
  • アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)
  • ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)
  • 6種複合免疫療法

について紹介します。

免疫チェックポイント阻害薬による治療法

主な免疫療法として、免疫チェックポイント阻害薬による治療法があります。免疫チェックポイント阻害薬を使う治療法では、がん細胞が免疫を抑制する働きを解除することを狙います。治療が行えるがんは、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫などです。免疫チェックポイント阻害薬にはいくつかの種類があり、単独で使用する場合と複数の薬を組み合わせる場合があります。

免疫チェックポイント阻害薬の主な副作用について紹介します。

領域 副作用の種類 症状
皮膚 皮膚障害 皮膚が赤くなる・かゆみ・水ぶくれ・くちびる

などのただれ・くちびるや目が赤くなる・めやになどの眼分泌物

肝臓 肝機能障害・肝炎などの肝疾患 だるい・元気が出ない
腎臓 腎機能障害 尿が少ない・だるい
血液 血小板減少性紫斑病・貧

血・無顆粒球症などの血液障害

青あざができる・鼻血が出やすい・顔色が悪い、・体がだるい・息切れがする
呼吸器 間質性肺炎などの呼吸器疾患 息苦しさ・咳・発熱
消化器 大腸炎などの消化器疾患 下痢・血便・吐き気・おう吐
神経・

筋骨格系

 

筋炎・重症筋無力症・横

紋筋融解症などの筋肉疾患

力が入りにくい・息がしづらい・筋肉が痛む
ギランバレー症候群などの神経障害 手足のしびれ・力が入りにくい
脳炎・髄膜炎 発熱・ぼーっとする・頭痛・意識が薄れる
代謝・ 内分泌 1 型糖尿病 のどが渇く・水を多く飲む・尿が多い・だるい
甲状腺機能障害の亢進症・低下症 だるい・食欲がない・吐き気・動悸・むくみ・うとうとする
下垂体機能障害 だるい・食欲がない・吐き気・うとうとする
副腎皮質機能障害 だるい・食欲がない・吐き気・うとうとする

(参考:免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル

免疫細胞療法

主な免疫療法として、免疫細胞療法があります。

免疫細胞療法とは、免疫細胞の力を強めて、免疫の仕組みを上手く回すことを狙った治療法です。免疫細胞療法にはさまざまな種類があり、それぞれアプローチする免疫細胞や特徴が異なります。主な免疫細胞療法について、次章以降で概要を紹介します。

樹状細胞ワクチン療法

主な免疫細胞療法として、樹状細胞ワクチン療法があります。

樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の働きを活かした免疫治療として知られています。患者さんのがん組織や、人工的に作ったがん抗原を用いて治療を行います。

樹状細胞ワクチンを使うがんワクチン療法は、効果が証明されていない免疫療法です。保険診療で受けることができませんので、治療を受けたい際には医師とよく相談する必要があります。

エフェクターT細胞療法

主な免疫細胞療法として、エフェクターT細胞療法があります。

エフェクターT細胞療法は、がん細胞への攻撃力を強めるために患者さんのT細胞を体の外に取り出して行います。取り出したT細胞にがん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れ、増殖させ再び体の中に戻します。エフェクターT細胞療法は、攻撃力が強まったT細胞を使う方法です。

そんなエフェクターT細胞療法の一つに、CAR-T細胞療法があります。T細胞を取り出してがん細胞を攻撃するCAR(キメラ抗原受容体遺伝子)-T細胞に変えて増やし、自分の体に戻して治療を行います。CAR-T細胞療法は、一部の血液がん、リンパのがんに関する治療で使うことがあります。

また、国内で保険診療として受けることができるエフェクターT細胞療法は、CAR-T細胞療法のみです。治療ができる施設は限られていますので、治療を受けたい場合には医師とよく相談することをおすすめします。

CAR-T細胞療法では、以下のような副作用が出現する場合があります。

  • 血圧や酸素濃度の低下
  • 心臓、肺、肝臓などのさまざまな臓器に障害が起こるサイトカイン放出症候群
  • 意識障害

など。強い副作用が出現する可能性もあり、注意が必要です。

NK細胞療法

主な免疫細胞療法として、NK細胞療法があります。

NK細胞は、がんの殺し屋と呼ばれており、リンパ球のおよそ10〜30%を占めます。このナチュラルキラー細胞であるNK細胞を活用した治療法が、NK細胞療法です。自然免疫と呼ばれるNK細胞が、全身をくまなくパトロールします。パトロールを通してがん細胞や悪性化しそうな異常細胞を見つけると、他の細胞の指示を受けることなく、独自で攻撃を開始します。

分子レベルでがん細胞を見極めて攻撃するため、以下のようながんにも対応可能です。

  • 外科的な除去が難しい浸潤性のがん
  • 発見されにくい微細ながん

など。

アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)

主な免疫細胞療法として、アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)があります。

アルファ・ベータT細胞は比較的増殖しやすい細胞として知られています。2週間の培養で、200万個ほどの細胞が80億個ほどに増えますので、血液中のリンパ球の数や機能が低下している場合にも治療が可能となります。患者さんの様態によっても差がありますが、化学療法や放射線療法の効果を増すことも期待できると考えられています。

アルファ・ベータT細胞(αβT細胞療法)は、多くの機関で長年行われています。アルファ・ベータT細胞療法は活性化リンパ球療法のひとつであり、自身の血液を採取し、T細胞を大幅に増殖させて活性化した後に体内へ戻します。がん細胞は、自らを守るバリアとして免疫の働きを抑制させてしまう作用がありますが、アルファ・ベータT細胞療法では、その免疫抑制作用を解除することが可能です。そのため免疫治療の効果を上げる働きがあることが解明されています。

ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)

主な免疫細胞療法として、ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)があります。

ガンマ・デルタT細胞には、細菌やウイルスなどに感染した細胞やがん化をはじめた細胞の変化を、素早く感知できるという特徴があります。感染した細胞やがん化をはじめた細胞に攻撃をしかけることができます。

ガンマ・デルタT細胞(γδT細胞)は、T細胞の中でもわずか数%しかありません。培養が難しく治療に用いることは困難だとされていましたが、ガンマ・デルタT細胞の安定的な大量培養が可能となり、治療を行えるようになりました。

6種複合免疫療法

主な免疫細胞療法として、6種複合免疫療法があります。

6種複合免疫療法とは、患者さんの体の中にある免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻して行います。免疫細胞を活性化・増殖させることで、がんと闘う力を増強させます。6種複合免疫療法を開発した人は、医学博士の倉持恒雄さんです。1970年代より米国、カナダの医科大学で免疫学を学び、以来40年以上にわたって研究を重ねてきました。6,000人以上のがん患者様の細胞を培養し、がん治療に貢献した経歴がよく知られています。

最初に抹消血中のリンパ球とNK細胞を活性化・増殖させる培養方法を発見しました。

その後、NKT細胞・γδ(ガンマ・デルタ)T細胞・樹状細胞・ヘルパーT細胞を加えた6種類の細胞を同時に活性化・増殖させ、現在の6種複合免疫療法が確立されました。

まとめ


今回は、免疫回避(免疫逃避)について情報をまとめました。

がん細胞には、免疫から逃げたり隠れたり反撃したりするという性質があります。がんの進行を阻止する免疫療法には、さまざまな種類があり、研究により高い効果も期待できます。

同仁がん免疫研究所は、今回紹介した免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を行っている施設です。当施設は厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設で、極めて高度な安全管理体制のもとで細胞培養の委託を受けています。細胞培養数は圧倒的で、約3週間で1,000から2,000個の細胞を20から50億個まで培養できます。

6種複合免疫療法についてはこちらよりご確認ください。

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